表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おっさんのごった煮短編集

安眠中

自作のエッセイのコメントからの薦めで書き始めたものの難しいf(^_^;


正直、あんまり怖くないですm(_ _)m

 


 金縛りを極めると幽体離脱出来るらしい。


 胡散臭い話を聞いたのは高校の同級生からだった。


 「ホントだって、ネットスレで見てさ、胡散臭ってなったけど、ほら俺、よく金縛りなるじゃん」

 

 なるじゃんとか言われても、そもそもお前が金縛り体質なのを初めて知ったと返す。


 「冷たいな~、ノリ悪いって、でもさ、マジスゲーから試してみなって」


 まずはお前の語彙力を矯正したいと真面目に返すも「マジ冷て~」としか返って来ずに諦める。


 普段からふざける方に全振りしている友人がいつにも増して可笑しな事を宣っていた。なんでも金縛り中に目を覚ましたと思って取った行動が、全て夢だったらしいのだが、彼曰く其の夢の中では物に触れた感覚があったというのだ。

 目を覚ますと、ついさっき起きて剥いだはずの布団がそのままで、あれは夢だったと思ったものの、布団を剥いだ感触、トイレまで歩いたあと、触ったノブの感触はリアルで幽体離脱したかのようだったと。

 さしもの友人も気色悪く思い、ネットで似たような体験を探したそうだ。

 正直、そんな馬鹿げた話、お前だけだろと思ったが、なんと専用スレがあったらしい。


 「その話、全部作ってるだろ、ウソくせー」

 「ホントだって、疑うんなら、スレ見てみろよ」


 はっきり言って信じていなかったが、ウソだったら飯奢るとまで言われれば信じる他なく、とは言え、まさかそんなとネットで件のスレを検索した。


 「マジかよ」



 金縛りマイスターの集まるスレ ~幽体離脱~


 ホントにあった。

 友人が語ったような体験や、その方法について語っている。


25名無しに変わって爆睡中

いやー、玄関まで行けたけど起きちゃったf(^_^;


30名無しに変わって爆睡中

もう少しでお隣に行けたのに


33名無しの仮眠

夢の中とは言え、お隣で何するつもりだったんだ


34名無しは消えた

そらナニでしょう



45名無しは安眠中

幽体離脱、あんまりやりすぎると‥




 くだらな。

 スレの内容は感触のある明晰夢が見れるから、それでイタズラしようってだけのアホな内容だった。釣りだとしてもひどい。

 やっぱりあいつの体験談もこれ見て作ってるだろうな、とその時は思っていた。


 数日後、俺は確かに同じ体験をした、金縛りで動けない中、何となくスレで書かれた事を実行すると、リアルな感触のある夢がみれたのだ、家の中を歩いて何かに触るたび、リアルな感触がある。

 夢だと理解出来るのに物に触れた感覚が鮮明で不思議な感覚だった。

 確かに幽体離脱だ。


 それから俺はこの感覚にはまって金縛りを誘発する方法や、其処から幽体離脱するための方法を模索した。


 「この前の幽体離脱、すごいな、お前はどうやって、状態に入ってる」


 学校で情報をくれた友人に話かける。


 「お前、頭大丈夫か。そんな変なこと言うやつじゃないだろ」


 なんだよ冷たいな~と返しても、ひたすら心配された。あいつが言い出したのに、もう忘れたのか、相変わらずいい加減だ。


 それから暫くして、俺はかなり狙って幽体離脱出来るようになっていた、最近は物に触れた感覚だけじゃなく、味覚まで何となく感じ始めた。

 「スゲーな、もう夢ってわかんねーわ」


 そう、ここで引き返せば良かったんだ。

 いや、もう遅かったんだろう。


 ある日の夢で俺は怪我をした、少し指先を切っただけの些細な傷、でも其れは衝撃的な出来事だった。

 「痛っ」

 痛覚とともに微かに血の匂いがする、戦慄した。

 「夢‥なんだよな」




 


 「今日はどうされました?」

 

 「あの、笑わないで下さい」


 「笑いませんよ、どうしました」


 「先生、俺、最近、夢と現実の境がわからないんです」




 「あーそんなことですか、大丈夫ですよ、問題ありません」





   ~私も同じくわかりませんから~














45名無しは安眠中

幽体離脱、あんまりやりすぎると戻れなくなるよ


お読みくださりありがとうございますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 怖いです……。 めっちゃくちゃ怖いです……。 ほんとうに自分の身に起こりそうで、ものっすごく恐怖を感じました。 書き急がれたということですが、いや、この言葉少なな感じが、より一層「ほん…
[一言] …うん。 実際、似た感じになるんですよね。 まぁ、明晰夢に近いですけど。 ただ、その状態だと思考レベルが低下してるので、作品みたいに論理思考は、あんまり出来ないですが。
[一言]  友達の中身がいれかわっている?  自分が別次元へ行ってしまっている?  色々考えてそれがこわいです。  幽体離脱は一度もしたことないですが、しないように気を付けます。こんなふうになったら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ