表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソシャカス姉ちゃんがプレイしてるゲームのヒロインが(都合の)いい子過ぎるので我儘を教えたい  作者: 岡崎マサムネ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/72

24.盗んだ馬車で走り出したりしたい!

「俺は次男らしく、のらーりくらーりといくから。俺は継ぎたくない。お前は継ぎたい。つまり利害が一致してる。お互いがお互いのやりたいようにやるだけ。分かりやすくていいだろ? じゃ、そゆことで」

「ちょ、ちょっと待って!」


 じゃっと手を上げて立ち去ろうとした俺を、慌てた様子のマルコが引き留める。


「家を継がないって、本気で言ってるの!?」

「うん!」

「うんって、……」


 マルコは驚きを通り越して呆然としているようだった。

 家を継がない長男って珍しい時代だろうし、仕方ないのかもしれない。


 デフォルトルーカスは継ぎたいのかもしれないけど……もう俺、言っちゃったからね。

 言ったことは取り返しがつかないから。申し訳ないけど諦めてもろて。


「いや、前から思ってたんだよ。貴族って結局政治家みたいなもんじゃん? お前みたいな裏も表もあるような奴が向いてるって。領地とか、領民とか? 事業とかお国とか? びっくりするほど心惹かれないんだよね、俺。モチベ0。ダメでしょ、そんな奴に任せちゃ」

「ぼ、ぼくは……」


 さらにつらつら並べ立てる。

 マルコは俺の勢いに気圧されたようで、視線を迷わせていた。


「それは、ぼくのほうが兄さんより才能があるはずだって……生まれた順番で決まるなんてって、ずっと、思っていたけど」

「だよね。だってお前天才だもん。やりたくて適性あるやつがやるのが一番でしょ。その方がみんなのためだよ、マジで」

「じ、じゃあ、兄さんは?」

「俺?」

「家を継がないなんて言ったら、父さんが何て言うか……」

「んー。そうだな」


 まぁ、確かに怒られるかもしれないな。

 「勘当だ! 出て行けー!」とかいって、追い出されるかも。


 追い出されるのはいいとして、怒られるのは嫌だな。人に怒られるの、得意じゃないし。


 ふと、目の前のマルコを見る。

 そうか。


 マルコを驚きを通り越して呆然とさせたように……怒りを通り越して呆然としてもらおう。

 そして呆れて諦めてもらおう。「もう好きにしなさい」と言ってもらおう。


「郵便屋さんに就職するとか?」

「は?」

「あ、手紙なら風魔法の方がいいのか。じゃ、もうちょっとデカいものとか貴重品を運んだりする……運送屋? 飛脚? とか? あ、飛ぶならアレか、宅急便かな」

「はぁ?」


 マルコが呆れた声を出した。

 よし、これなら両親も呆れてくれるかもしれない。この調子でいこう。


 ていうか思いつきで適当に言ったけど、運送屋、結構いいんじゃないか。

 ジャンとアカリちゃんが営むパン屋さんの屋根裏に間借りして、お届け屋さんを営みながら、黒猫飼ったりしたらいいと思う。

 俺パン好きだし。落ち込んだりもするけど、俺は元気だよ。


 方向を定めて一気に舵を切る。


「いやぁ、お前にだけ打ち明けると、兄ちゃんの夢は実は運送屋になることだったんだ! だから侯爵家なんか継ぎたくない! 親の敷いたレールの上を走るだけの人生なんて真っ平御免だ! 運送王に、俺はなる!」

「に、兄さん!?」

「親の支配から解き放たれたい! 長男の呪縛からも解き放たれたい! 誰にも縛られたくない! 盗んだ馬車で走り出したりしたい! これぞロックンロール!」

「????」

「ってわけだから、兄ちゃんのためにもそこんとこよろしく頼むよ」


 ぽんとマルコの肩に手を置いた。

 一気に畳み掛けたおかげで完全に思考回路がショートしたらしいマルコに、手ごたえを感じる。


 この感じでガンガンいこうぜ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ