私は先生の家で...
それからというもの、上村先生に誘われてお昼を一緒に食べたり、バーへ飲みに行ったりしていた(いつも、上村先生のおごりで)。
お昼は、社食や患者も利用出来るレストラン。いつも、二人でたわいのない話をしていた。上村先生はいつも、私が食べる姿を見たり、私がお酒を飲んでいる顔を見てニコニコしていた。
先生は優しい。私はより一層、上村先生に憧れた。
付き合っている、そう言われてもおかしくはなかった。
ある日、バーで私は飲みすぎたようだ。
その様子を見て、上村先生がウーロン茶をオーダーした。大きめのジョッキが出てきて、私はゴクゴクと飲み干した。
バーを出ると、私はふらふらしていた。
先生はタクシーを呼び止め、二人で乗った。
行き先は先生の自宅のようだ。
タクシーの中で、先生は私にくっつくように座り、私の髪を撫でた。ここまではごく普通だった。
先生の自宅に着いた。
家に着くなり、私を大きなソファーに寝るように指示した。ソファーに寝ると、私は眠りに落ちた。
先生はシャワーを浴びに行った。
浴室から出てパジャマに着替え、私の近くまで来ると、私に毛布をかけた。
私の髪を何度も撫で、私の腕を両手でさすり、うっとりとしていた。そして、私の唇にキスをした。先生の舌が私の口の中へと入ってきて、優しく私の舌を絡めた。ん、ん...。と言いながら、ディープキスをし続けた。そして、先生は自分が眠くなるまで、ずっと私のそばにいた。
私は、寝たフリをしていた。先生が私の髪を撫でた辺りから起きていた。
心あたりがなかったといえば嘘になる。
他の病棟の看護師から『上村先生は最近、私の事を見ている』と言われていたのを思い出した。
先生は、男性の吉田と女性の私、どちらが好きなのだろう?それとも、酔って何となくしただけなのだろうか。
こうして、禁断の恋はスタートする。