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失敗したライオン2
逃げても誰もいなかった。心の整理がつくこともなかった。なぜ、私が犯人になっているのだろう。そのことだけが、ライオンの頭の中を駆け巡っていた。焦った。それから、他の生き物と会うたびにおびえた。怖かった。苦しい。怖い。怖い。なぜ、僕が。なぜ、僕が。なぜ、なぜ、僕が。人気者になりたかった僕が、人殺しになっているのだろう。ああ、怖い。怖い。怖い。怖い。なぜ、なぜ、僕が。
そうした感情に浸っている中、ある事を思った。「犯人は誰なのか?」
犯人のことを考えたら、ライオンは、憎くて、憎かった。自分に罪を着せたやつ。憎い、憎い憎い憎い憎い。
許せない。許せない、憎い、憎い、憎い。
犯人を見つけて、血祭りにあげてくれる。