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二幕「狂少年、消滅したいと願うばかり」

狂少年と呼ばれる少年、零架のおなはし。

「あ、狂少年じゃん」

「きもちわりー」

「よっ、狂少年・零架(ゼロカ)~っ」


コソコソ、コソコソと。

攻撃されたら、その後殴られる。

それがお約束でしょ、無能人間共。


鈍い音が響いて、殴られた。





狂少年(マッド・ボーイ)

いつからか俺はそう呼ばれ、憎い憎い奴らに苦しめられていた。

そいつらを消したいというか、俺自体消滅させたい。

親だって担任だって無能だ。

見て見ぬふりで過ごしちまう無能大人。



誰かこの願いを叶えてくれないか?

誰でもいい、善人でも悪人でも。

叶えてくれるならなんでもいいさ。


生きてる意味なんてない。


そんなこと思っても誰も叶えてくれないし。






「〇日、女子高生失踪事件が...」





そう思っていた朝の俺の目に入ってきたニュースは、女子高生失踪事件だ。

最近話題になってるな。これ。

実はその女子高生は酷いいじめを受けていたとか。

学校で謝罪会見してるとこも見た。

神隠しだかなんだか、そーゆーのあったら面白いよな。

鼻で笑った。




はあ、それにしてもなんなんだろう。

毎晩毎晩苦しませられているあの夢だ。

小学生くらいの少女が「ねぇ、つらいならこっちきなよ」って話しかけてくる夢だ。

しかもそれがめっちゃしつこくて、謎のことばっか言うっていうね。


「苦しませてくるあいつやこいつにも天罰が下せちゃうんだよ?ホントだよ。」とか、

「あいつやこいつ、苦しませてくる奴らの心の血、欲しくないの?」とか言ってくる。


なんなの、意味が分からないよ。

だったらなんか証拠的なもの見せろよっての...



あーあ、何もかもめんどくさーい。寝る。



























「ねぇ、苦しくて辛いなら、心の血、奪えばいいじゃんか。

こっちにくれば貴方が消滅することもない。」

あ、そうだ、寝ることさえ苦痛なの忘れてた。馬鹿だな俺って。

「こっちにくれば寝るのが苦痛じゃなくなるし、全て殺せる。ね、ね?」


もう、思い切って言ってしまおう、と思い、こう言った。

「それが本当って言うなら証拠を見せろよ。」


「いいよ、見せてあげる。納得したらこっちにくる。いいね?」

「分かった分かった。」

「...ぽちっとな」


ポチッ


少女がぽちりとボタンを押すと、映像が流れ出す。

-あ、これ、失踪事件の女子高生...

ビデオに映し出されたのは、女子高生が少女の手をつかんでどこかに連れて行かれる様子だった。




...「ね、こうやってこっちに行けるの、ねぇ、納得した??」

なんか、知らない。分かんないや。壊れた感覚とともになにか歪んてく。

もういいや、なんでもいいや、いってやるよ、そのこっちってやつにさ。な。


「ああ。逝ってやるよ」


「いいねいいね。じゃ、手を握ってよ。ほら。二つ名は「死神狂少年(死神・マッド・ボーイ)」ね」


手を握ってやった。

いいよ、もう何もしたくないから狂ってやる。

狂ってやる。


































「ほら、見えてきたでしょ。綺麗でしょ。ね」

涙で前が見えない。けど分かる。綺麗なのは。




























狂ってやったから、いい事あるよな?

天罰とかなんちゃらかんちゃら、下せるんだよな?



































ははん。






































もう俺は人間じゃない。

人間じゃない。

これは人間の心を殺す存在。





狂少年(マッド・ボーイ)

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