九幕「突き落とされた運命」
悪の科学者の親に苦しめられる、轟祇のおはなし。
―夢の中。
―ボクの、突き落とされた運命。
―夢でも現実でも、それは変わりない。
―どっちにしろボクは、夢が現実になり、現実が夢になる。
―昔から何故かそうなんだから。
―何度も何度も何度も何度も何度も繰り返されて。
―突き落とされるんだ。
―それは全部、悪の科学者の親のせい。
―いつまでこうするつもりなんだろう?
―痛すぎて痛みもないや。
―夢で苦しんで魘されているボクを笑う親。
―現実でとても不幸な目にあって涙流すボクを笑う親。
―何もかもをくすくすと笑う親。
―あんなの、親じゃない。ただのクズだ。
―どこかに本当の親がいるはず。
―そう思うほど、親はクズだ。
―なんでこんな大人がいるんだろう。
―とても不思議だ。
―腐った大人。頭がおかしいクズ大人。
―なんでだろう?
―嫌だと思っても何もできず笑われて何度でも心が死ぬよ。
―ほら、今日も、魘されて、死んでしまうんだ。
―さぁ、寝ても生きても災厄。そんなのはもう嫌だけど...
―対処のしようがないんだ。
―さぁ、また魘されて笑われてやりましょうか。
―おやすみ。
―「ねぇ、今日の夢は苦しくない、現実にはなるけど、すごくいいことなの。灯乃轟祇」
―えっ?
「はぁ、親が悪の科学者なんてね。悪夢細胞を改造するのに何日かかかったよ。ごめんね。
さて、本題に入ろうか。貴方苦しんでるんだよね。だったらこっちにきてよ。
親に天罰を下したり、腐っちゃった人間の心を壊したりできちゃうんだよ。」
―親が仕掛けた罠か?
「罠なんかじゃないよ。私は嫌われ者の化け者。人間に化け者にされ、心を壊された者。
契約してくれれば、この世界ともサヨナラ。突き落とされるのだってサヨナラ。」
―信じれない、どうすればいいのか分からない。
―だってそうじゃん。ここまでやられて信じられるわけが。
「...まぁ確かに、そうだよね。ごめん。やり方を間違えた。じゃあ信じてもらえるように、
こういうとき専用の貫きを用意するから。...えっと...」
―何を、やっているんだろう。そりゃ、解らない。分かるわけがない。
「...あ、あった」
何かが見つかったようだ。
「じゃあじゃあ...-貫いちゃえ。」
―あっ。
―何かが、心に。
―何もかも変わらないはずなのに、何かが。
―...何かが。変わったんだ。
―なぜかわからないけど信じられる。
「ヒトの心って不思議。人以下の化け者が作ったものに逆らえないんだもんね。
ねぇ、こっちにくる?壊せるよ。ねぇ」
―まぁ、いいか。信じられるんだし、いってみようと思った。
「じゃあ、いいよ。いってみる」
「いいねいいね。じゃあ、二つ名は「突き落とされの運命者」。じゃあ、とばしていくよぉ」
体が浮いて、どこかへ吸い込まれる。
嗚呼、さようなら?
暗くなったかと思ったら、
明るくなってきた。
これが最終的な運命だと思うと、親が自業自得に思えて笑えるね。
嗚 呼 、 さ よ う な ら ?




