第一話 第四部 意外な部分
小見川「山茶花選手は何故ここに?」
桜「選手はいれなくていいですよ。私は両親に挨拶しに来ました。私は寮に住んでいるのでなかなか家族と会えないので。」
小見川「なるほど。でも山茶花みたいにしっかりした人ならやっていけそうですね。」
俺はメモを取り出してどのような選手なのかを書き始めた。まとめて記事にすればこの人たちの評判はきっとあがる。
桜「そうでもないですよ。私だって寂しくなることだってあります。」
小見川「意外ですね。」
桜「ちょ、ちょっと! そんなこと書かないでください! 恥ずかしいです!!」
小見川「これまた意外。」
桜「あーーー! やめてやめて!」
さっきまでのカリスマ性あふれた雰囲気が一変した。やっぱり根はりっぱな女子高校生だな。
ゴォオオオオ
飛行機が飛び立つ。俺の隣の席がまさかの山茶花だったとは…。よくよく考えてみれば高校三大バッターとして良く注目を浴びているけれども、その影に隠れて歴代高校生の中で最高の守備との呼び声も高いからなぁ。そういうところの取材を待っているのではないだろうか。
小見川「山茶花、あなたの守備の自信はどこからつけられたものなんですか?」
桜「自信!? うーん、珍しい質問するわね。やっぱり不思議な雰囲気を感じるわね。」
小見川「八幡選手にもいわれたなあ、そういえば同じようなこと。」
桜「自信というよりは、昔はどんなに下手でも絶対にとってやるという気持ちが誰よりも強かったからかなあ。後ろに逸らすたびに毎回悔しがっていますよ。だって自分のグローブにおさまらないのっていやな気持ちになりませんか?」
やっぱり違う。人とは全く違う答え方をしてくれる。こういうのがカリスマ性があるというのだろうか。とにかくこういうことはメモしておかないと。
桜「すみません、小見川さん…。」
小見川「なんです?」
桜「………酔いました。」
小見川「なぬぃいいいいいい!?」