第三話 第十六部 それぞれの思い
小見川「ふう。」
やっぱり疲れたからだには温泉に限る。それにしても本当に充実したデートだったな。暁美とならいつまでも一緒にいても楽しんでいけそうだ。でも相手は高校生で凄腕の野球女子。普通なら付き合えるはずがない。でも…実際どうなのだろうか。一般人と結婚した有名人なんて数え切れないほどいる。だからこそここはチャンスなのだろうか。明日答えが出るはずだ。まず明日も楽しまなければ。
暁美「…はぁ。明日にならないかな…。胸が苦しくて眠れない。」
どうしてしまったのだろう。今日に限って私の胸の中がものすごく締め付けられている感じがする。具合が悪いのだろうか。いや、そんなことはないはず。でもなんで。この不思議な感覚…。何を考えても直幸さんのことが頭に浮かぶ…。困ったときは…桜先輩に相談だ!
プルルルルル
桜「もしもし。」
暁美「桜先輩、夜遅くにすみません。」
桜「大丈夫よ。もうそろそろ寝ようと思っていたけど。それで電話の用件は?」
暁美「……ちょっと胸の当たりが痛くて。」
桜「何!? 怪我でもしたのか!? それとも病気?」
暁美「そういうのではないんです。なんというか…今日、な…小見川さんとデートしたんです。」
桜「デートしたの!? すごいわね、というかこんなこと始めて聞いたわ。…それで?」
暁美「デートの途中からなんですけど…小見川さんのことを考えたり見ていたりすると、胸のあたりが痛くなるんです。呼吸も荒くて…それ以来、ずっと小見川さんのことから頭が離れなくて。こっちにいる期間が短いからいなくなるのが怖くて…。」
桜「それは恋ね。」
暁美「こ、恋? 前に言っていた?」
桜「そう。あなたは小見川さんのことが好きなのよ。」
暁美「好き…なのか。」
桜「明日のデートの最後に好きだって伝えてみたら?」
暁美「それだけで…いいのかな。ちゃんと向こうは答えてくれるかな。」
桜「良い答えが返ってくるか悪い答えが返ってくるかはわからないわ。私だって恋なんてものはしたことないし、詳しくないのだから簡単に説明できないわよ。」
暁美「そうですか…。」
桜「そうねえ。もう少し時間とれるならその言葉を一緒に考えましょう。」
暁美「大丈夫です。」
桜「わかったわ。それじゃあ別の機能使って通話しましょう。」
暁美「ありがとうございます。」




