第三話 第十三部 暖かい人たちに
「いらっしゃい! おお、暁美ちゃん!」
「暁美ちゃん、いらっしゃい。今日は野球は休みかい?」
暁美「はい! 今日はちょっと…。」
小見川「どうも。」
「ほー! 立派なお相手さんだこと。」
「いいねえ、どこから来たのかい?」
小見川「東京からです。元は雑誌の記者などをやっています。」
「そりゃあすごい。暁美ちゃんの取材?」
小見川「それも含めての今日はお出かけです。」
なんてやさしい人たちばかりなのだろうか。ここの地元の人たちはみんな優しく接してくれる。そんな中から暁美がいるのか。本当に暁美はこの富良野の大スターだ。
暁美「今日はここで買ったものをお土産にしたり、新庄さんのところの民宿にもっていって料理してもらうために来ました!」
「おお、そうかそうか。それならこのキャベツとかどうだ?」
バザーでもかなりにぎわっている。そして暁美の姿を見るとすぐに声をかけてくる。みんなの人気者であれだけの実力があればそりゃあすげえよ。
「もしよかったらこのきゅうり食べないか? ここに味噌用意してあるから食べてみ。」
小見川「あっ、ありがたくいただきますね。」
暁美「うちもいい?」
「もちろん。」
俺と暁美は味噌をきゅうりにつけてかじった。…うまい! みずみずしくてものすごく新鮮だ。俺と暁美は自然と笑顔がこぼれてくる。こんなにうまいものを生で食べるのは久々だ。後はジャガイモのふかしたものが置いてあって、一個くれた。半分に割って暁美と食べていた。塩も良い感じできいていておいしかった。ホクホクで体もあったまっていく。これが北海道の野菜か。
暁美「どう? 地元だと都会だからあまり新鮮な野菜って食べないでしょ?」
小見川「ここまでダイレクトに新鮮な野菜を食べたのは始めてだよ。すばらしいところにつれてってくれてありがとう。」
暁美「えっへへ。それじゃあ写真館いこう。又後で!」
「おお、楽しんでな!」
「またきてくれよー。」
俺は暖かい人たちに支えられて暁美と歩き始めた。支えられているうれしさがものすごく伝わってきた時間だった。




