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ドクターK少女 天才の初恋  作者: レザレナ
プロローグ
2/50

第一話 第一部 天才との不思議な出会い

 ストライクバッターアウト! ゲームセット!

八幡(やはた) 暁美(あけみ)「しゃああ!!」

山茶花(さざんか) (さくら)「やったぁあ!」

実況「やりました富良野学院高校! 二連覇達成!」


記者1「すみません、取材いいですか?」

記者2「私にもお願いします。」

暁美「わかりました。順々にお答えさせていただきます。」


 全てはここから始まったんだ。俺は選手たちが球場外に出てくるところに一人待機していた。先輩からの情報でここなら必ず通ると言ってたので待っているが、周りに人がほとんどいない。本当にここであっているのだろうか。…すごい心配だ。

暁美「えーっ。出口間違えたかなぁ…記者に囲まれて道わかんなくなっちゃった。」

 なんだ? 一人だけ出口から出てきた。しかも良く見たらあの八幡選手じゃないか。でも…ここで取材というわけにも行かない。道を教えてあげなければ。

小見川「あの…すみません。道に迷ったのでしょうか?」

暁美「あ、はい。えっと…。」

 そういって八幡選手は右左と見渡していた。俺も見渡してみると左側にバスに乗っていく富良野学院の選手たちを見つけた。

小見川「もしかして…あのバス?」

暁美「そうですそうです! ありがとうございます!」

 そういって八幡選手は何度もお辞儀した。そしてバスへと歩いていこうとした。…って俺、取材まだしてないじゃん!

小見川「あの、すみません!」

暁美「はい、なんでしょう?」

小見川「実は…取材するためにここで待っていたのですが…。」

暁美「ここで? …あはっ、取材陣ならこの中で受けてましたよ。」

小見川「そ、そうだったんですか。」

暁美「でもいいですよ。バスも見つけてくださいましたし。」

 おおう、なんて優しいひとなんだろうか。こんなあわててるときにもしっかりとインタビューに答えてくれる。模範にすべき人だろう。

小見川「えっとですね。今八幡選手は野球を楽しんでますか?」

暁美「……。」

 いきなりの質問に面食らったかのような顔をしていた。しばらく黙っていると、口を開いて笑い始めた。

暁美「あははっ、面白い質問するねキミ。」

小見川「ははは。」

暁美「うん! 楽しんでるよ!」

小見川「そうですか。」

暁美「でも最近はですね…。楽しんでるには楽しんでいるのですが…。」

 テレビで見せている八幡選手とは全く違う雰囲気に変わった。なんだろう、この人は。もっと調べてみたいかもしれない。

暁美「私、野球が日課の一つになっているんですよ。最近いつもとは違うことやってみたいなーって思っていまして。」

小見川「違うこと…ですか。」

暁美「そうだ!」

 そういって八幡選手はバッグの中からメモ帳を取り出した。一体何を書くんだ? と思ったら八幡選手のサインだった。

暁美「もし本当にお時間が取れましたら私の学校に取材来てください。練習取材させてあげます!」

 八幡選手はバッグをもってバスへ向かおうとした。

小見川「ちょっとまって、富良野学院って取材禁止じゃなかった?」

暁美「私のサインを見せれば通してもらえるよ! あなたが始めてですが、学校の人にも伝えておきますね!」

 そういって八幡選手はせっせとバスにむかって走っていった。俺は右手に持ったサインの紙を見た。…八幡暁美。野球の不思議な感覚とは別にまた別の人としての不思議な感覚を感じた。


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