第二話 第五部 実は調べてみて
キィイイイン!!
小見川「うわーーー。やっぱり山茶花はすごいな。」
朝起きてすぐに学校に行くとバッティング練習をしていた。山茶花は評判どおり、広角に強い打球を打っている。流しで柵越えもあってよほどのパワーとミートがあるのだろうと予測した。そして…。
ギィイイン!
八幡もすごい。体格に恥じない打球と力強さを感じられる。ピッチャーとしてすごいのは当たり前だが、バッティングも超一流だ。これはプロ野球に入っても打てる投手として活躍してくれそうだ。
暁美「あ、小見川さん!」
そういってバッティング練習を終えた八幡がこっちに走ってきた。そしてヘルメットを取って挨拶してきた。
暁美「昨日はどうもです。」
小見川「いえいえ。こちらこそありがとう。バッティングもすごいな。」
暁美「いや、桜先輩と比べたらまだまだですよ。」
小見川「そうか。」
暁美「それと…ですね。」
そういって八幡はいきなりもじもじと照れ始めた。いったい何があったのだろうか。昨日のことか?
暁美「昨日…ちょっと調べてみたんです。まさか恋愛やデートってそんなことをするのかと思って。」
小見川「ああ、調べたのか。」
暁美「その…私なんかでいいんですか?」
小見川「むしろ俺で良いのかい?」
そういうと八幡は黙り込んでしまって下をむいていた。まあ無理もないか。と思っていたら。
暁美「……はぃ。」
俺にしか聞こえないぐらい小さな声で返事した。こんな八幡は初めて見た。まあこれも初々しくていいものだ。
小見川「それじゃあデートするか。」
暁美「は、はい!」
そういって八幡は大きな返事をした。そしてすぐにダッシュして守備に付き始めた。まあ…純粋な女の子だな。