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やる気のない召喚勇者  作者: 七詩のなめ
最終章 勇者、最後の仕事
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最終回 ある異世界の、やる気のない召喚勇者

私の思いを詰め込んで書かせてもらいました。

ある異世界の、やる気のない召喚勇者


チュンチュンと鳥の声で目を覚ます。

白い天井、明るい日差し。

ここは……天国ではなさそうだな。

一瞬で全てを否定した俺は、起き上がって周りを見る。

よく見れば、ここは俺の部屋だった。

まあ、異世界の、だがな。

おかしい。だって、俺は死んだんじゃ……。

いや、死んでいなかったのか?

そんな馬鹿な。

あれだけ痛かったのに死なないなんてことがあっていいものか。

俺は思い返すだけでも痛くなるような記憶を必死に思い出す。

確かに、俺は死んだはずだ。

なら、なぜ?

「その顔は、なんで生きているんだという顔じゃな?」

背後から聞き覚えのある声が聞こえる。

振り返ると、そこにはナミナが立っていた。

しかも、両手を組んで仁王立ちで。

体を捻ってわかったが、俺の体に巻き付くかのようにカレンとヴリトラが寝ている。

おいおい。ハーレムエンドか? 嬉しいねぇ。

などと、変なことを考えてから、現状を理解するため起きたての頭を早々にフル回転させる。

「厳密にはお前は死んでいたよ。じゃがな――」

俺はナミナの言葉を遮って、

「蘇ったのか。たぶん、世界樹の○とか使って」

「おお、物の正体まで言い当てたか」

おいおい。それはダメだろ? 名前くらい変えろよ。

てか、俺は死んでいたのか。

俺の口元から笑いが漏れる。

死んでも、生き返ってしまう世界。

おもしれぇ。非常にこれ以上に無く、おもしれぇ。

このデタラメ感が俺には十分すぎるくらい新鮮だ。

見ると、ナミナは怒っていた。

まあ、当然だろう。あんな別れ方をしようとしたんだから。

「ナミナ」

「……」

「ただいま」

「……言う言葉が違うじゃろうが」

「じゃあ、どんな言葉をかけてもらいたいんだ?」

「……!」

ナミナは一本取られたと言わんばかりの顔で、俺は思惑通りという顔でお互いの顔を見る。

そして、笑う。

「やはり、お前はそうでなくてはダメじゃ」

「お前もそうやって可愛らしくないとダメだな」

「なっ……」

二ヤッと口元がニヤけてしまう。

楽しい。こいつは本当にイジリがいがあるよ。

俺は寝ている二人の頬や頭を優しく撫でる。

そして、あることに気づく。

「そういえば、あのドラゴンは?」

「ああ、それなら心配することはない。人々が、自分たちのせいでそうなったと分かってからは、ナーガは神としての神格を取り戻し、約束通りこの街の守護神となった」

ふっと胸をなでおろす。

俺が生きていることであのドラゴンが暴れているんじゃないかと心配したが、どうやらそうではないらしい。

「そもそも、あやつは人の命など欲しくなかったのじゃ」

「は?」

「あやつはお前の覚悟を見たかっただけで、本気でお前を殺そうとは思ってなどいなかったのじゃ」

ナミナの言葉を聞いてから、俺は一瞬天井を見てから、

「そうか。そうだよな。あれでも神様だもんな」

「ああ、あれでも神じゃ」

横目でナミナを見る。

ナミナも俺を見ていた。

そして――お互いに静かに唇を合わせた。

しかし、瞬時に離れて、

「や、やはりこういうのは恥ずかしいのぉ」

「ふん。そう、かもな」

お互いに顔を真っ赤にした。

純情すぎるキス。

お互い初めてのキスだけあって初々しさが目立つものとなってしまった。

だが、これはこれでアリだろう。

なにせ、お互いがお互いの気持ちに素直になった結果なのだから。

出会いは素晴らしいものとは言えなかったかもしれない。

過ごした日々も素晴らしいとは言えないかもしれない。

でも、恋はそんなこと関係なしにやってくる。関係なしに暴れていく。

そして、それを受け止めた瞬間。

本当に欲しいものが、認めたいものが、目指すべきものが見えてくる。

どれだけ世界が理不尽でも、どれだけ人生に落胆していても、世界は回る。日々は進む。

なら、ほんの少しでいい。幸せを探してみてはどうだろうか。

探しても見つからないかもしれない。

もしかしたら見つかるかもしれない。

でも、結果なんてどうでもいい。よく言うだろう? 終わりよければすべてよし。やらないよりも、やるほうが意味はある。

つまりさ、人生なんて、最後に笑えれば素晴らしいものなんだよ。


お茶目で、可愛げで、少し老人臭いドラゴンなナミナと、人生に落胆して、愚かな自分が何よりも嫌いで、それでも命をかけてまで守ろうとするほどの馬鹿な主人公な省吾。

これは、一つのカップラーメンから始まる、少し馬鹿で、それでも正しくて、なんだかんだで素晴らしい人生を歩んでしまう物語。

最強のドラゴンとやる気のない召喚勇者の異世界恋愛な物語。


「少年少女よ。迷うな、恐るな、慄くな。人生に有効期限なんてものはない。人生にもういい、なんてことはない。明日を見ろ、明日はきっと晴れるから。青空を見たら、きっと今持っている悩みなんて消え去ってしまうから。悩むより遊べ、悩むくらいなら笑え。人の悩みなんて、森羅万象から見れば小さいんだから。小さいことで悩んだってしょうがないだろ?

こんなしょうがない俺でも、笑って今を生きている。

希望はある。

夢もある。

死ぬなんて考えるな。人生を諦めるな。

ああもう! つまり、俺が言いたいことはな!






――――辛いことなんて笑い飛ばせ!





この一言だけなんだよ!!」

私みたいな下手な書き方をしている小説を読んでいだたき誠にありがとうございました。

この小説は、スランプ、悩み、人生の辛さ、などで小説家を諦めかけた自分に喝を入れるために書いたものです。

私はまだ学生でして、いろいろと悩みも多くあります。

その中でも、必死に生きて、欲しい明日を手に入れてしまう主人公に憧れながらも、この作品を書いてきました。

最後に、本当に汚い書き方をしているこの小説を読んでくださった皆様、誠にありがとうございました。

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