第1話 異世界に転生した俺、勇者になる(テンプレver)
事前に、自分がどの性格か診断されてから読むと、
より楽しめるかと思います。
ちなみに、作者はISTP(巨匠)です。
佐藤悠、二十八歳。
どこにでもいる、ごく普通の会社員だった。
特別な才能があるわけでもない。
大金を持っているわけでもない。
恋人だっていない。
そんなごく普通の人生はある日の帰宅途中――突然終わった。
「危ない!」
誰かの叫び声。
振り向いた俺の目に映ったのは、迫り来る大型トラックだった。
次の瞬間、世界が白く染まった。
「……ここは?」
目を開けると、真っ白な空間に立っていた。
目の前には、金色の髪をした美しい女性。
白いドレスに、背中には大きな翼。
「私は女神です」
「……女神?」
「はい。そして、あなたは先ほど亡くなりました」
「やっぱり……」
不思議と驚きはなかった。
「通常なら、このまま次の人生へ向かっていただくのですが……あなたにはお願いがあります」
「お願い?」
「異世界へ転生していただきたいのです」
女神が手をかざす。
空中に、一つの世界が映し出された。
緑豊かな大地。
巨大な城。
空を飛ぶドラゴン。
そして――漆黒の魔王。
「この世界は現在、魔王によって滅亡の危機に瀕しています」
「……もしかして」
「はい」
女神は微笑んだ。
「勇者として転生し、魔王を討伐してください」
あまりにも王道な展開だった。
「俺にできるのか?」
「もちろんです」
「何か力は?」
「勇者としての身体能力、剣術、魔法、回復能力、鑑定能力。そしてアイテム収納の力を授けます」
「……それ、かなり強くない?」
「勇者ですから」
女神は笑った。
「あなたなら大丈夫です」
次の瞬間、白い光が俺を包み込んだ。
「……本当に異世界だ」
目を覚ますと、そこは森の中だった。
見たことのない植物。
聞いたことのない鳥の声。
そして――。
「グルルル……」
目の前には巨大な狼。
「……いや、これは無理だろ」
狼が飛びかかってくる。
「うわっ!」
咄嗟に腕を突き出した。
ドンッ!
狼が吹き飛び、木に激突する。
「…………」
俺は自分の手を見つめた。
「……強すぎないか?」
その後、森を抜けた俺は近くの街へ向かった。
そして門番に事情を話したところ――。
「勇者様!」
「え?」
俺が首から下げていたペンダントを見た門番が、突然跪いた。
「勇者様がお見えになったぞ!」
こうして俺は、わけも分からないまま王城へ連れていかれた。
「よくぞ来た、勇者よ」
玉座に座る国王。
その隣には、一人の少女が立っていた。
長い金髪に青い瞳。
白いドレス。
「娘のエレナだ」
「初めまして。エレナ・アルフォードと申します」「佐藤悠です」
「よろしくお願いします、悠様」
彼女はそう言って、俺に微笑みかけた。
その笑顔を見た瞬間――。
なぜか、少しだけ胸が高鳴った。
こうして俺は、魔王討伐の旅へ出ることになった。
仲間は四人。
剣士のレオン。
忍者のミア。
魔法使いのリリア。
そして、王女エレナ。
エレナには聖女の力があった。
魔王を倒すため、俺たちは長い旅を続けた。
魔物と戦い。
山を越え。
砂漠を渡り。
何度も危険な目に遭いながら、少しずつ魔王城へ近づいていった。
「悠」
「ん?」
ある夜。
焚き火の前で、エレナが俺に話しかけてきた。
「この旅が終わったら……どうするつもりですか?」
「分からないな」
「そうですか」
「エレナは?」
彼女は少し考えてから答えた。
「私は、この国をもっと平和にしたいです」
「きっとできるよ」
「……ありがとうございます」
エレナが笑う。
その笑顔を見ていると、不思議と胸が温かくなった。
いつからだろう。
俺は彼女を、ただの王女ではなく、一人の大切な女性として見るようになっていた。
そして、ついに俺たちは魔王城へ辿り着いた。
「よく来たな、勇者よ」
玉座に座る魔王が立ち上がる。
「ここまで来たことは褒めてやろう。だが、ここで終わりだ」
俺は剣を構えた。
「魔王。お前を倒す」
「できると思うか?」
「ああ」
仲間たちも武器を構える。
「ならば来い!」
戦いが始まった。
魔王は圧倒的に強かった。
何度も吹き飛ばされる。
仲間たちも傷ついていく。
それでも、俺たちは諦めなかった。
「これで……終わりだ!」
最後の力を振り絞り、俺は剣を振り下ろした。
眩い光が魔王を包み込む。
「見事……だ……」
魔王の身体が崩れ落ちる。
そして――。
魔王は消滅した。
それから一年。
世界に平和が戻った。
魔王を倒した勇者として、俺の名は世界中に知られることになった。
そして今日。
俺は王城の庭園にいた。
「悠」
エレナが俺の前に立つ。
「私は……あなたが好きです」
真っ直ぐな瞳だった。
「勇者だからではありません」
エレナは続ける。
「旅をして、一緒に過ごして……私は、あなた自身を好きになりました」
「……俺もだよ」
「本当ですか?」
「ああ」
エレナの目から涙がこぼれる。
そして、彼女は嬉しそうに笑った。
俺はその手を取った。
こうして俺は――。
異世界へ転生し。
勇者となり。
仲間と旅をし。
魔王を討ち。
そして――お姫様と恋人になった。
……これが、俺。
佐藤悠の異世界転生物語。
ただし。
もし、この勇者の性格が違っていたら?
同じ世界。
同じ仲間。
同じ魔王。
同じお姫様。
それでも――勇者の考え方が違えば、物語は変わる。
選ぶ道も。
口にする言葉も。
誰を大切にするかも。
そして、魔王との戦い方さえも。
これは――。
十六通りの「勇者・佐藤悠」の物語。
あなたなら、どの勇者になりますか?




