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森のきらきら自慢ばなし

作者: 白夜いくと
掲載日:2025/12/25

冬の童話2026参加作品

テーマ『きらきら』

 ここは名もなき深い森の奥。森の住人たちはそれぞれ『きらきらしたもの』を自慢し合っていまいた。


 フクロウはぎょろんとした瞳、リスはつやつやのどんぐり、カラスは黒曜石の様なくちばし。みんなそれぞれにきらきらを持っていて、誇りを持っています。


 一方で働きアリは不貞腐れていました。仕事も多いし、きらきらしたものなど持っていなかったからです。


「け、どうせ僕には泥んこの土がお似合いさ」


 アリが空を見上げたところ、大粒の雨が降ってきました。アリの触覚がピクッと驚きます。


 大粒の雨は、アリの土汚れを落とし、全身をきらきらにしました。その心地よさにアリは、


「ずっと雨だったら良いのにな。そしたら僕はいつもきらきらしていられるのに」


 そう漏らします。


 フクロウは水を弾くために、目を閉じて首を左右に振りました。リスは慌てて口にどんぐりを頬張ります。カラスは遠くの山へ飛んで行きました。


 アリは、彼らを見て「君たちのきらきらは、大粒の雨で簡単に閉まってしまうんだね」


 そう言うと、アリは自慢気に小さな体全身で雨を浴びました。


「僕は、きらきらの雨一粒を全身に浴びられることが自慢さ。大きな目も、どんぐりを持つ手も、黒曜石のようなくちばしもないけど、雨が降るたび小さな体でよかったって思ってるよ」


 その場に残ったフクロウもリスも閉口してしまいました。アリの自慢は等身大で説得力があったからです。


「じゃあ、まだ仕事があるから!」


 アリはそう言うと、巣穴に戻ってせっせと働きました。どうせ土埃は雨が拭ってくれるでしょう。そう思いながら。



おしまい

最後まで読んでくれてありがとうございます♪

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― 新着の感想 ―
蟻の一粒とカラスの一粒は確かに違いますね! 蟻の前向きで、折れない気持ちを応援したいと思いました。 素敵な物語をありがとうございました
自慢しなかったらもっと美しかったのに
2025/12/26 12:36 でも自慢したいですよね
 蟻のきらきらは労働の汗。  そしてそのことへの喜び。  雨のきらきらは生命へ癒し。  しかし全てを濡らし、体温を奪う。  きらきらときらいきらいは、そこに『い』(悪意)のあるかないかで決まるといった…
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