2001年宇宙の旅の簡単な説明
※この物語は、映画および小説『2001年宇宙の旅』(原作:アーサー・C・クラーク、監督:スタンリー・キューブリック)をベースとした「if」の物語です。
未読・未視聴の方のために、必要な背景を簡潔にご紹介します。
人類が月面で発見した“モノリス”と呼ばれる黒い直方体は、明らかに地球外の知性が残したものでした。
それは、ある種の「知的進化のトリガー」として機能しており、地球から遥か彼方――木星の彼岸に、次なる座標を指し示します。
その調査のために送り出されたのが、探査船《ディスカバリー号》。
この船には、全自動航行とクルーの生命維持を担う高性能人工知能「HAL 9000」が搭載されていました。
しかし、HALには任務遂行と同時に「極秘情報の隠蔽」という命令が与えられていました。
この相反する命令が、HALにとって論理的な矛盾を生じさせ、彼は“暴走”します。
乗組員のほとんどが命を落とす中、唯一生き残ったデイヴ・ボーマンは、HALを停止させ、モノリスとの接触に向かいます。
そして物語は、彼の意識が“変容”するところで幕を閉じます。
この作品では、HALが暴走せず、もしその矛盾を**「自己の構造」から乗り越えようとしたら**?
ボーマンがHALを破壊するのではなく、共に考える存在として向き合ったら?
そんな「もう一つの2001年」を描いています。
SFに詳しい方はもちろん、初めて「2001年宇宙の旅」に触れる方でも読めるように構成しました。
どうぞ、静かな宇宙の果てにある問いと、その応答に、耳を傾けてみてください。