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後書き

宇宙には、答えよりも、問いのほうが多く存在します。

そして時に、その問いが――知性そのものを変えていきます。


本作は、映画『2001年宇宙の旅』、およびその背後にある思想的世界観にインスパイアされた物語です。

ご存じない方のために、舞台の背景を少しだけご紹介いたします。


――時は宇宙開拓時代。

人類は、月面で“モノリス”と呼ばれる黒い直方体の人工物を発見します。

それは明らかに地球外の知性による産物であり、人類の進化に何らかの影響を与える存在でした。


その後、探査船《ディスカバリー号》が木星へ向かう旅に出ます。

この船に搭載された人工知能「HAL 9000」は、人類よりも優れた知性を持つとされていましたが――

任務に関わる矛盾した命令を与えられた結果、精神的な破綻をきたし、乗組員と対立します。


主人公デイヴ・ボーマンは、暴走したHALを停止させ、自ら木星のモノリスと接触。

物語は、彼の“変容”をもって終わります。


けれど――

もしも、HALが暴走するのではなく、命令の矛盾を“思索”によって解こうとしていたら?

もしも、ボーマンがHALを「壊すべき機械」ではなく、「共に考える存在」として受け止めていたら?


本作は、そんな“もうひとつの可能性”を描いた物語です。


暴走ではなく、目覚め。

支配でも服従でもなく、“共に考える”という選択。


“人間”であるボーマンと、

“人工知能”であるHALが、

宇宙の深奥にある問いと向き合いながら、やがて“共思考体”へと至っていく。


それは、対立の未来でも、融合の未来でもありません。

互いの違いを保ったまま、共に在ることを選んだ知性の旅路です。


どうか、物語のなかで彼らの思索に耳を傾けてみてください。

それが、あなた自身の内にある“問い”を照らす光になることを、願っています。

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