神様の憂鬱EX-3 借金地獄
本日2話目の投稿です。朝に1話投稿していますので、先にお読みいただかないと、このお話で焦燥しきってるエレくんの理由がわからないですよ!
「エレくん?今回は2軒じゃ借金返済に間に合わないよ?倍の4軒やらないと返済できないよ···」
「そんなに!?ど、どうにか2軒だけでなんとかならないのか!?」
「なるんだったらこんなムチャな提案しないよ」
「···どうしてもやらなきゃダメ?」
「それが、前回アキくんの世界に侵攻しようとした代償だからね。だから止めようとしたのに···」
「うぅ···。どうして···、どうしてこんな事に···」
「エレくんが侵攻しちゃったからね。アキくんが本気で怒って、反撃でワールド・エクリプスを発動させちゃったから」
前回、アキくんの完成度の速さから、嫉妬してしまってアキくんの世界へ宣戦布告してしまった。結果はなんと、向こうの世界ではなく、エーレタニアでアキくん自身がうちにカチコミして来たんだ···。
さらにオレの神の力の核を2つも奪って、それぞれの世界で同時にワールド・エクリプスを発動されてしまい、育てていた2つの世界が逆に乗っ取られてしまった···。
それだけじゃない!溜めてたGPが···、世界を乗っ取られたことでアキくんに没収され、さらには30万GPという賠償責任を負うハメになっちゃった···。
アキくんが蹴破った扉も、ナビくんからオレが支払わないとダメ!って言うもんだから、借金が増えてしまった···。
オレは悪夢を見ているのか···?それともキ◯グボ◯ビーに取り憑かれてしまったのか···?お気に入りにされちゃったのか!?サイコロ10個知らない間に振っちゃったのか!?デビルを派遣されてしまったのか!?ここは赤マスだらけのボ〇ビラス星なのか!?出口は···、どっちだ···?
あぁ〜、徳◯令カードがリアルに欲しい···。もしくは裸◯貫カードが···。
「最初からやり直そう···。ナビくん、4軒やるよ···。ただし、GPがないから、1軒ずつ時間差をつけて始めるよ···」
「···わかったよ。一応、GPも借金同様借りれるけど、ちょっとだけ借りておく?」
「···そうだな。やはり最初は元手が必要だからな。ところで、誰が貸してくれるんだい?」
「アキくんにもう既にお願いして、了承もらってるよ。10万GP用意できるって」
「···敵に塩を送られたかぁ〜」
「むしろ味方を敵にしたのがエレくんだけどね」
···もう、何も言い返せんわぁ~。
とりあえず、8万GPを借りる事にした。枠全部使ってしまうと、足りなくなった時が怖いしな。
今回はアキくんがやったやり方を参考に、極力手出しをせずに全任せする事にしてみた。よくよく考えたら、地球で生活してた時も、神頼みはしたことあるものの、結局は自分の力で解決してたんだしな。
余計な手出しはせずに、助言だけをしてあげることにするか!
しかし!現実は残酷でした···。
「エレくん!他の世界から侵略されてるよ!?」
「現状の戦力で対応できそうか?」
「無理っぽいよ〜!文明レベルが違いすぎるよ〜!」
「やっぱ決戦兵器が必要か〜。GPそんなにないから、どう対処すべきか···」
「アキくんに救援要請もできるけど?」
「費用負担はこっちなんだろ?」
「そりゃそうだけど···」
「···よし!救援なしに対処するぞ!」
「どうする気なの?」
「まずは話し合いだな。相手の要求を聞き出して、譲歩できる部分があれば譲歩しようか」
「···あの~、譲歩なんてムリだと思うよ?侵略行為を仕掛けてる以上はね」
「じゃあ、武力制圧しかないか···。よし!じゃあ武器作っちゃうか!」
「おお〜!?神器を作るんだね〜!?」
「そうだ!ファンタジーな某RPGのように伝説の12の武器を作ろう!使い終わったら封印ね!石板ないと封印を解除できないようにしておこう!」
「あいあいさー!どんな武器にするの!?」
オレはファンタジーな某大作RPGの5作目そのままの武器を創造して、現地民に提供した。
いつものようなロマンあふれる兵器はかなりGP使っちゃうからな〜。現地民の協力があるなら、この方法が手っ取り早いし、GP少なくて済むし、うまくいけばオレへの信仰度が上がるに違いない!
···惨敗でした。
あっという間に殲滅されてしまったわ···。
まぁ、オレが神器の名前を全部キーボードのタイプミス(エクスカリバーをエクスカリナーってやっちゃった···)して効果がいまいちだったってのもあるんだけど···。ナビくんは元ネタ知らないからチェックできなかったんでね···。
しかし、なんなん!?あのチート兵器は!?オレが前に創った決戦兵器と遜色ない威力をバカスカ撃ちやがった!!
しかもオレが創った兵器よりも小型だったから無限収納ボックスに入れて世界越えて持ち込まれてるし!!あんなん、反則やろ!!
ヤツらはいったい!?うごごごご···。
「あぁ~、半分近く乗っ取られちゃったね」
「············」
「エレくん?アキくんに救援要請しちゃうよ?」
「············うん」
「エレくん!しっかりするんだ!まだだ!まだ終わってな〜い!」
ナビくんはアキくんへ救援要請をしてくれた。アキくんは快諾して3つの世界から援軍がやって来た!
キトニアからは戦隊ものとお約束の合体する巨大ロボが!レオリアからは見たことのあるロボット兵器や空飛ぶ空中戦艦が!?グーレリアからは魔法兵団が!?
そして!なんとアキくん本人が金色に輝く鎧を装着して空を飛びながら全軍に指示しているぅ~!?
『待たせたな!!』
···アキくん、ノリノリだなぁ〜。うちの中継のカメラ目線で言ってるよ。ストレス発散目的か?
『パンツァー、ふぉー!!』
アキくんの一言で全軍進撃を始めた。侵略者側もチート兵器で攻撃してきたけど、角度をつけたバリアを展開して向きをちょこっとだけそらして損害が出ないようにしていた。
敵と交戦が始まったものの、アキくんの軍隊は進軍速度をほとんど落とさずにズンズン進んで行った。まさに『蹂躙』という言葉そのものだ···。
そして3日後、侵略者は殲滅されてしまった···。空飛ぶ戦隊が後方に回って敗残兵をことごとく潰していたわ···。圧倒的すぎる···。
『ふぅ~。エレさん?今日の遠征費用は後ほど請求させてもらいますね〜!それでは!』
···助かった。しかし!!
「エレくん、アキくんから請求書がメールで来たよ~!」
「うわぁ~、見たくないなぁ〜」
「そんなわけにはいかないよ!」
「はぁ~···。うわぁ~···、鬼だわ~···」
「いくらだった?」
オレはメールの画面をナビくんに見せた。
『出張費:5000GP
器具損料(武器メンテ代):15000GP
人件費(お友達価格で最低賃金で計算):30000GP
合計:50000GP(利益なしの原価です)
この度はご用命ありがとうございました。
今月末までにお支払い下さい。入金が遅れると遅延損害金(年率14.6%)を支払期日の翌日から起算して申し受けます』
「···うわぁ~、アキくん厳しいなぁ〜」
「···まだ怒ってそうだけど?」
「やっぱり直に会って土下座した方がいいんじゃない?」
「···そうするかぁ〜」
その日、オレはアキくんの家の玄関で土下座して謝罪し、今回の費用を分割払いで支払わせて欲しいのと、遅延損害金は勘弁してもらうよう、お願いしたんだ。
アキくんは震えながら、それはそれは穏やかな顔で了承してくれたよ。···手の甲やこめかみに血管浮いてたのは見なかったことにした。
明日からは当分、パンのみみと水だけの生活になっちゃうなぁ〜。半額のパンも、野菜ジュースもムリだわ···。外湯もお預けだわ···。トホホ···。
一時の感情でさらに窮地に追い込まれてしまったエレくんでした。しかも懐事情がなぜか漏れて侵略を受けやすくなってしまっていました。なんとか対抗しようとして神器を作ってもタイプミスするという凡ミスでおしゃかにされてしまい、踏んだり蹴ったりのエレくんでした。ちなみにこのタイプミスは作者がよくやらかすんですよ(笑)!
今回の元ネタはキ〇グボ〇ビー以降のくだりですね。こちらは『桃太郎電鉄シリーズ』ネタですね!もはや友情破壊ゲームと化してしまってますけどね。
『ファンタジーな某RPG』はここでは『ファイナルファンタジー5』ですね。伝説の12武器もそのまんまで、さらに『エクスカリナー』は『エクスカリパー』からきています。一字違うので威力もダメダメなのはFF5と同様ですね。『うごごごご···』もエクスデスの有名なセリフからです。
『金色に輝く鎧』は車田正美先生の『聖闘士星矢』のゴールドクロスですね!なんの星座なのかは不明ですが、なぜかアキくんらしくないフルテンションで登場しました。
『パンツァー、ふぉー!!』はアニメ『ガールズアンドパンツァー』でのセリフで戦車前進という意味です。
『遅延損害金(年率14.6%)』は2024年現在の消費者契約法で規定された、契約における遅延損害金の利率の上限です。『上限』を適用しているということは、アキくんはエレくんからお仕置きの意味で絞るだけ絞ってやる!という思いがこもっていますね(笑)!まだまだ怒ってるんですよ。生々しい数字が出ちゃったなぁ~。
さて次回予告ですが、またまたアキくんサイドのお話なのでサブタイトルが『アキの神様生活』に戻ります。
エレくんから乗っ取った世界も含めて3つの世界が完成します。そして世界創世神から報奨金ととんでもないチートな物が贈られます!チートな物ってなんなのでしょうね?
明日も朝と夜に投稿しますが、旅先での投稿のためにいつもと時間が違うかもしれません。どうぞご了承くださいね~!




