アキの神様生活-04 よろしい、ならば戦争だ
『おうっ!オレはアキの神様の業務をサポートするナビ00だ!神狼族の始祖だったけど、創世神にスカウトされてアキの業務中のサポートをする事になったんだ。子孫たち、よろしくなー!』
「···初めまして、ハルです。ご先祖様···、でいいのかな?」
『あぁ~···、まぁ好きに呼んだらいいけどな。今のオレはナビ00だからな。···エレの前では絶対に言うなよ?』
「···はい、わかりました。···アキをよろしくね」
「ご先祖様!おれはフユと言います。ご先祖様にお会いできて光栄です!」
『おおっ!?ホントにオレそっくりじゃないかよ!?髪の色と話し方が違う程度じゃ、エレがオレと思ってしまいかねんなぁ~。エレが迷惑かけてないか~?』
「そんな事ないですよ。エレさんにはよくしてもらってます」
『ははは!あいつの事だから、結構甘いんじゃないか?変なこと言ったら殴っていいからな!』
「そんな事しませんよ!」
「···ご先祖様、ナツです」
『確か双子だってな!オレに女の子の服着せたような感じなんだなぁ~』
「···そだね」
「よくわかんねーけど、いちばんふるいひとなんだな!?おれはモンドだ!よろしくなー!」
『おう!元気いいのはいい事だぞ~!しっかり頑張れよ!』
「は~い!フーだよ~!よろしくね~!」
『こっちも元気いいな!···ただ、あれだな。整調者の力を一部受け継いでるんだな。力の制御が大変だろうけど、無理するなよ?』
「はーい!ぜんぶはまだむりだけど、だいたいはつかいこなせてるよ~!」
『ははは!そりゃスゲエな!悪いことには使っちゃダメだからな!』
「むぅ~~!そんなことしないよ~!」
『なら安心だな!アキ!5人も子孫がいるんだな~。大事に守ってやってくれよ!』
「ははは。逆に守られることが多いけどね」
今日はナツのお店の定休日を利用してフユとナツそれぞれ一家が転移で急いで帰省してくれた。
事情を説明したら『ぜひとも会いたい!』って二人とも言ったからね。さらにモンドくんとフーちゃんも会わせることができたから良かったよ~!
レオもうちの家族が元気なことに対して嬉しそうにしていたね!悲しい事件があったけども、こうしてボクたち家族は幸せに過ごしているという事を見せてあげれたから、これで安心だろうね。
フユとナツはレオに対していろんな話を聞き出していた。見渡す限り一面魔獣だらけの中を、たった一人で突っ込んで無双したとか、当時のドラゴン族と共闘したとか···。レオの話を食い入るように聞いていたんだ。
モンドくんとフーちゃんも一緒に聞いてたよ。レオの武勇伝を聞いて、モンドくんは大はしゃぎだったね!
その後、興奮冷めやらないモンドくんは庭に出て、レオに修行の成果を見てもらっていた。トランスまで見せちゃって、レオはとても驚いていたよ。『3歳でトランスかぁ~。オレの子どもたちよりもすごいぞ~!』って嬉しそうに言ってたね。フーちゃんの分身の術も感心していたよ。
この日はみんな泊まってもらったんだ。夕食はリオとナナ、それにリナの一家までやってきてしまい、とても賑やかだったよ。もちろん、みんなレオにあいさつしてくれたし、賑やかな様子をスマホの画面越しだけど、レオも楽しんでくれてたようだね。『ドラゴン族とこうして友諠を今でも交わしてくれているんだ···。ありがたいことだな!』って言ってくれたね。
まぁ、リオとナナは夕食をたかりに来たようなものだけどね。今日の夕食はまたまたナツが用意してくれたから、みんな大喜びだったよ。
数週間後。
ボクは学園へ出勤し、授業をやってリオと一緒に転移で帰ってきた。相変わらずリオはお寝坊さんで、パンを咥えながら『遅刻遅刻ぅーー!』って高速飛行で出勤してるんだよ···。ギャルゲーの女子高生じゃあるまいし···。空中には見通しのきかない曲がり角なんてないし、リオには萌え要素ないから攻略対象にはならんね。
夜はハルと一緒に夕食を食べて一緒に温泉に入り、湯上りでのんびりしてから寝ている生活だ。···最近はあんまり神様の業務できてないんだよね~。
『お~い、アキ?最近忙しそうだな~?』
「ごめんね~、レオ。ちょうど期末試験が近いからテスト問題作ったりで手が離せなくてね~」
『そうか!まぁ、オレである程度はこなしておくぞ。ヤバイ時だけ判断を仰ぐようにしとくぜ!』
「悪いね~。でも、レオが進めてくれているおかげで90%まで来てるね!」
『まぁ、オレがナビするまでアキが75%まで進めたんだろ?これって結構不親切だからなかなか進まないのに、よくやったよなぁ~』
「ははは!まぁ、元の世界で似たようなゲームはやってたからね。こっちの方が融通利くからなんとでもなるしね」
『さすがだな!エレは結構四苦八苦してるみたいだからなぁ~』
「エレさんはなんでも自分でやっちゃおうとするから大変なんだと思うよ?」
『···あ~、確かに言うとおりだな~。オレを創ったのも、そして滅ぼそうとしたのも全部エレがしょい込んでたみたいだったらしいからな~』
「それに、ボクはエレさんほどプレイしてる時間は取れないからね。ほぼその世界の人に全任せしかできないからね~」
『逆にそれが良かったんだなぁ~。とりあえずキトニアは今のところ順調だ。アキのお仕事、頑張れよ!』
「ありがとう、レオ!」
こうしてレオが進めてくれたおかげで期末試験終了直後には世界完成度は98%まで来た!何度かボクに判断を仰ぐイベントが発生しちゃったけど、指示通りレオがやってくれた事で解決できたよ。
そして期末試験が終わり、採点と評価も終えて長期休暇に入り、まもなく100%!といったところで···、そうはさせんぞ!という最大のイベントが発生してしまったんだ···。
『アキ!別の世界から侵略を受けてるぞ!』
「なんだって!?今までまったくなかったのに···。どこの世界から?」
『ちょっと待ってろ!···はあっ!?どういうことだよ!?何考えてんだ!?』
「どうしたの!?何かマズいことでも!?」
『侵略者は『レオリア』···。エレが創ってる世界だぞ!?」
「···はあっ!?マジで!?」
『えっ!?さらにもうひとつ別の世界からも侵略か!?···『グーレリア』って!?こっちもエレが創ってる世界じゃないか!?あいつ、本気か!?』
···ほう?ボクの世界が完成間近になってるのを知ったんだな?それで妨害工作をしようって事か。醜い嫉妬だな。
いいだろう···。そっちがその気なら容赦なくやってやる。完膚なきまでに叩きのめしてあげるよ。
「···よろしい、ならば戦争だ」
神狼族のご先祖様に会えて大興奮のアキくん一家でした。実際には物語とかになっているのですが、やはりどうしても書き手が改変してしまうため、リアルな話が聞けるというのは貴重ですね~。
リオくんの出勤風景はどうなんでしょうね(笑)?まぁすでに既婚者ですから、仮に空中で他のドラゴン族に当たっても恋や愛は芽生えませんからね。そもそもナナちゃんとの結婚も恋愛じゃなくてナナちゃんの酔った勢いでしたしね!
そして、なんとエレくんがアキくんの世界に宣戦布告してしまいました!2つ前の話でなかなか完成度が上がらないエレくんに対して、アキくんはコツを掴んで一気に完成度を上げてたのを見てしまったので、嫉妬しちゃったんですね~。
『よろしい、ならば戦争だ』は平野耕太先生の『HELLSING』に登場する少佐の演説中の台詞のまんまです。アキくんがマジギレしてしまったので、物騒な言葉を考えていたら、ちょうどこれがぴったりだったので使わせていただきました。次回も同じ作品から別の物騒な言葉を使わせていただいております。
さて次回予告ですが、エレくんが戦争を吹っかけてきたことに対してマジギレしたアキくんは、容赦なく叩き潰してやろう!と決意してエレくんに挑みます!全面戦争は避けられない中、アキくんがとった行動は意外なものでした!
明日と明後日は土日なので朝と夜に1話ずつ投稿します。それではお楽しみに~!




