ケン編-02 ジェットエンジン魔法を習得させよう!
ぼくが超音速飛行しちゃったからおじいちゃんとおばあちゃんが気絶しちゃった···。
しばらくしたら目が覚めたよ。よかったぁ~。
「ケンくん。大変すごい魔法だった。これを我々全員が使えるようにすると言うのだな?」
「はい、おじいちゃん。ぼくがしっかり指導しますから」
「興味深い魔法ね。私も習得してみたいわね」
「皆さんもぜひ覚えてみてください!」
というわけで、ぼくが先生になって教えるんだ。アキパパに教え方を教えてもらったんだよ。やっぱり上手な人から教えてもらったほうが早く覚えてくれるだろうからね!
そして、1週間が経った。
ここで滞在するための家を、ぼくは建てた。
ぼくとミルの家は人型サイズだ。やっぱり竜モードでいる方が疲れちゃうんだよね~。
ちなみに家はアキパパが皇国と共同開発している『ぷれはぶ?』って作りなんだよ。部材に書いてる番号順に組み立てるだけですぐにできちゃったんだ!身体強化さえしっかりできてればね!
家って作り出すと時間がかかるから、正式な家ができるまでの仮の家なんだ。···これで十分だけどなぁ~。
「ケン?これってすごいですね~!こんなに簡単に家ができちゃうんですね〜」
「ぼくでも簡単にできちゃったからね。家具はアクロの工務店で仕入れたものを出して···。これでよし!」
「これからここで夫婦生活が始まるんですね~」
「改めてよろしくね、ミル!」
「はい!さて、今日は疲れましたね〜。寝ましょうか〜?」
「そうだね。じゃあ、おやすみ〜!」
さらに1ヶ月が経った。
ジェットエンジン魔法は魔力の多い人がそろそろできそうだね。やっぱり理屈や実物を知らないと難しすぎるようだ。何人かはムリ!って言ってきたよ。まぁ、無理強いをするつもりはないからね。
今日は気分転換に漁に出かけることにした。ここ青竜の集落の近くには海に住む魔獣がたくさんいるらしい。
パパの話によると、ドラゴン族の集落というのは、元から黒魔力が溜まりやすく、魔獣が発生しやすいんだって。今日はぼくが漁に参加することにしたんだ。
「王子、人型でやるつもりですか?」
「王子ってやめてほしいんだけどなぁ〜。竜モードよりも人型の方が慣れてるしね」
集落の人たちはぼくを王子ってまだ呼ぶんだよ···いい加減にしてほしいんだけどなぁ〜。
まぁ、将来は族長になるんだろうけどね。自由に動けるようにはしたいね!
さて、漁に出かけた。みんな固有魔法の飛行で海上を飛び回り、魔獣を見かけたら垂直落下して飛び込み、すぐに急上昇していた。
なるほどね〜。でも、ぼくは人型だから同じ事は厳しい。ぼくはぼくなりのやり方でやるよ〜!
以前、アキパパが話してくれた、湾内の魔獣を倒した時と同じ事をしてみるか!
「みんな〜!ちょっとだけ離れててね〜!」
「王子!?何をされるので!?」
「見てればわかるよ!」
ぼくはアキパパと同じように雷属性の魔法の威力を上げた状態で、海面に放った!
ドパーーン!!
そしてすぐに火の矢を魔法で作り、また海面に放った!
ドーーーーン!!!
すごい!雷魔法を放ったらちょっと酸っぱいニオイがして、すぐさま火の矢を放ったら海面が大爆発したよ!『すいそばくはつ』ってものらしいね。
雷魔法と爆発の衝撃波で、海面には気絶した魔獣がたくさん浮いてきたよ。もう一発雷魔法を打ち込んで、全部倒したよ。
「すごい···。王子の魔法はとてつもない威力ですな···」
「いや、これは知り合いの人のやり方ですから。ぼくは再現しただけです」
「それでもここまで魔法が得意な者がおりませんから。強いて言えばナナ姫ぐらいですな」
「あぁ〜、ママは魔法が得意だけど、バフ系だもんなぁ~」
結局、ぼくの1発で漁が終わっちゃったよ。大量の魔獣を網に入れて持って帰ったんだ。
集落では大騒ぎだよ。ここまで大漁だった事はなかったんだって。いろんな人から魔法を教えてくれ!って言われちゃったよ。もちろん、パパ流で教えるけどね!
そして、ぼくは家に帰ってきた。
「ミル!ただいま〜」
「お帰り〜。そうそう、ケンにいい知らせだよ〜!」
「えっ!?いい知らせ?それってなに?」
「えへへ~!なんと!私のおなかに赤ちゃんがいるんですよ〜!」
「···へ?···どういう···、こと···?」
「さっきから私のおなかから魔力を感じるのです。私の魔力じゃないから、赤ちゃんしか考えられないですよ?」
···えぇ~!?も、もうできちゃったんだ!?先日、ちーむッス!で姉ちゃんが3つ子ができちゃった!って連絡あったけど···、ぼ、ぼくにもできちゃったぁ〜!?
「そ、それで!?な、何人いるの!?」
「1人だけですね~。でも、こんな小さな赤ちゃんなのに魔力を感じるってのはスゴイんじゃないです?」
「そう言えばママもぼくと姉ちゃんも生まれる前から強い魔力を感じるって言ってたなぁ~」
「じゃあ、ケンと同じくらい強い子でしょうね〜。楽しみが増えましたよ~!」
そして、さらに7ヶ月が経ち、無事赤ちゃんは生まれたんだよ!
「オギャー!オギャー!」
青竜の女の子だったよ。この時点でぼくに近いぐらい魔力を持ってるようだね。元気そうで良かった。
そうそう、名前だね!『クオン』って名前にしたんだ。力強く飛び回ってほしいからね〜!
こうして、ぼくにも新しい家族が増えたよ。一緒に幸せになろうね!
ケンくんは集落の皆さんに認められ、順調よく計画が進み始めました。そしてクオンちゃんが誕生しましたね。このあとさらに2人のお子さんも生まれますよ~!
さて次回予告ですが、金竜の双子のロフィくんとアトラちゃんが生まれ、順調に育って久々に実家に帰省します。帰省したら、お子さんたちはリナちゃんのお子さんたちと一緒にリオくんから魔法を教わります。どんな様子なんでしょうね?
それではお楽しみに~!




