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【11/20番外編再開!】アキの異世界旅行記 すぴん・おふ!  作者: ぷちきゅう
それぞれのその後

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フユ編-02 フユ流槍術の開発

 本日2話目の投稿です。朝に1話投稿していますので、先にそちらをご覧くださいね。

 おれがリム流総本山にやってきて2ヶ月が経った。だいぶ槍術も身についてきたね!もちろん、剣術も併せてやってるよ。じゃないといざという時に使えないのはダメだからね。



「やっぱりフユはすごいわね。もう奥義一歩手前まで来てるんですもの」


「いやぁ~、まだまだだよ。やっぱりおれは剣が向いてるみたいだからね」


「槍と剣の2つを使いこなせる時点ですごすぎるわよ···」


「ははは。そろそろパパの剣術を槍にも応用してみようかな?って考えてるんだよ」


「あら!?面白そうね!このエーレタニアには存在しない武術を取り入れた槍術かぁ~。さしづめ、『フユ流』ってとこかしら?」


「えっ!?ちょ、ちょっと待って!おれの名前が入っちゃうの!?」


「そりゃそうでしょ?フユが始祖の槍術なんですもの」


「でも、技はそうでも基本的にはリム流だよ?」


「まぁ、純然たる新流派ではないけどね。それでも派生とも違うからね。名乗っても問題ないわよ」


「そんなものなんだね···」



 う〜ん···。ちょっと恥ずかしいなぁ〜。できるかどうかわからないからね。



 その日の夜の事だった。ちょっと気になることがあったので、ユキに聞いたんだ。



「ねえ、ユキ?ちょっと気になる事があるんだけど···」


「えっ?どうしたの?何かあった?」


「気づいてないかもしれないけど···。ユキのおなかから魔力を感じるんだけど?」


「···え?···ど、どういう事かしら?」


「もしかして···、赤ちゃんかな?」



 その瞬間、ユキが固まった!···息してる?



「ユキ?大丈夫?」


「···はっ!だ、だ、大丈夫よ!?そ、それって本当なの!?」


「うん。こうやってユキのおなかに手を当てると感じるんだよ」


「そ、そうなのね!?で、でも早すぎない!?」


「うちのパパとママもおれができちゃったのは早かったらしいから、そんなものじゃないかな?」


「そうなんだ···。でも、これっておめでたいことよね?」


「うん。フブキさんとヒサメさんにも伝えておこうね!」



 その日の夜、おれはユキに赤ちゃんがいることを伝えたら大喜びされたよ。ついでにおれとの子は必ず神狼族になるってことも伝えておいた。


 うちのパパとママにもちーむッス!で伝えたら大喜びしていたよ!パパなんか、『えぇ〜!ボク20代でおじいちゃんになるの!?早すぎるよぉ〜!』って喜びつつも戸惑っていたね。


 そうかぁ〜。おれってパパになっちゃうんだなぁ〜。あんまり実感ないんだけどね。ナツにも伝えたら、なんとナツも赤ちゃんができちゃって後日連絡が来たんだ!家がそこそこ近いからうちの子と仲良くなってほしいね。



 次の日からはユキは鍛練には参加せずに道場生の指導を重点的にすることになった。試合もなしだよ。代わりにおれが相手をすることにしたんだ。


 そして、月に何度か王都の外で行う魔獣討伐訓練も、おれと道場生だけで行うようになった。これをしておけば、道場を卒業した後はほぼみんな兵士や冒険者になって魔獣退治に勤しむからね。うちの大事な収入にもなるし。


 最近は王都の周辺についてはヨウくんとエイルさんがやってくれているので、少し離れたところで実習をやるようにしているよ。



 さらに月日は流れて···。



「オギャー!オギャー!」



 ついにおれとユキの赤ちゃんが生まれたんだ!男の子で、髪はおれと同じ色で、目の色はユキと同じ緑色だね。元気そうな声をあげて泣いてるし、魔力もかなり強く感じるから強い子になりそうだね!


 そうそう!名前は『モンド』って言うんだよ!パパに伝えたら『···某アニメの主人公と同じ名前だなぁ〜』だって。そのアニメはおれは見てないよ?


 子育てはユキと一緒にやったよ。ユキも妊娠中は体動かしてなかったから、久しぶりに動いて気持ちよさそうだったね!


 さて、おれも子育てしつつ槍術の開発を再開しよう!これまで考える時間はあったから理論としてはほぼ出来上がっているんだよ。あとは実践あるのみ!


 パパ流剣術の秘技の意味を槍に落とし込みつつ、技を創り上げたんだ。


 まずは秘技、螺旋斬の槍版だ!



槍技(そうぎ)、旋風陣!」



 回転しながら剣戟を放つこの技、槍だとリーチが長いから攻撃範囲が広い!多数相手にはもってこいだね!



 続いては秘技、疾風迅雷の槍版!



「槍技、飛燕!」



 瞬時に相手の懐へ入って一閃し、続いて別の相手にも向かっていくこの技は、槍だと突いて引き抜く動作の際に別の相手に向かうようにすることで、繰り出す時間を大幅に短縮したんだ。これも使えるなぁ〜!



 さらに次だ!秘技、大噴火斬りの槍版はこれだ!



「槍技、草薙!」



 剣だと大上段からの振り下ろしだけど、槍の場合は薙ぎだ!両手持ちの状態で横一文字に槍を薙ぐ。これは最初の旋風陣からの連続技としても有効そうだね。


 じゃあ、次行ってみよう!秘技、紅葉の槍版だ!



「槍技、銀杏(いちょう)!」



 精密な剣戟を放つ技の槍版は精密な突きだ。身体強化でわずかなブレを抑えつつ突きを放つことで、小さな的でも突くことができた。



 さらに次だ!秘技、斬月の槍版!



「槍技、無月!」



 カウンター主体の斬月は剣を鞘に納めた状態で構えるけど、槍の場合は鞘がないから突きの姿勢だ。ただし、相手との距離を測るために左手は正面に突き出して右手はいつでも槍をつけるようにグッと引いている。···なんかスマホに入ってるマンガの技のような気がするけど、これが1番しっくりするんだよね〜。



 次はこれだ!秘技、弦月斬の槍版だ!



「槍技、隼突き!」



 弦月斬は斬撃を前方に飛ばす技だから、槍の場合は刺突の衝撃波を前方に放つんだ!ただ、剣よりも射程は伸びるけど攻撃範囲がかなり狭くなっちゃったね。こればっかりは武器の特性上、仕方ないね。



 最後はこれだ!秘技の中でも最高難度の技、夢想裂波の槍版!



「槍技、陽光千閃!!」



 無数の刺突を短時間で繰り出す最高威力の技だ!めっちゃ疲れてしまうのが難点だけど、それは元の秘技でも一緒なんだけどね。



 ···ふぅ~。とりあえずはこんなものかな?あとは実戦で使ってみて修正していけばいいかな?そんな事を考えていたら後ろから声がかけられた。



「素晴らしいじゃない!ついにフユ流の技が完成したのね!」



 モンドをだっこしていたユキがいたんだ。



「えっ!?もしかして、ずっと見ていたの!?」


「そうよ。ものすごく集中していたから声をかけそびれちゃったし、モンドもフユの真剣な様子を見て泣き止んでじっと見ていたしね」


「そうだったんだ···。まぁ、一応はできたけども、あとは実戦で使えるかどうかだね。まだまだこれからだよ!」


「そうね!使えないと意味ないからね。がんばって完成させてね!」


「キャッキャ!」


「うん!ありがとね!モンドもありがとう!」



 ユキとモンドに励まされたね!頑張って良い技にしていくよ〜!

 フユくんが2年かけて開発していた槍術、フユ流が完成しました!剣と槍では勝手が大きく違いますが総じて薙ぐ、突くという動作自体はどの武器にも共通してますので、フユくんのように理に至っていると応用しやすいというのはあります。

 これ自体は武術の話だけではありません。まったくの異業種の物事の扱いや考え方が別のことに生きるというのはよくある話ですからね。


 さて次回予告ですが、モンドくんは3歳になり、自我が芽生えてフユくんとユキちゃんと一緒に道場で鍛錬に励み始めます。フユくんはいろいろと教え始めてドンドン吸収していくモンドくんに驚きつつも、うれしく思います。

 そんな子育ての状況をお伝えいたしますよ~!


 明日も朝と夜に1話ずつ投稿します。お楽しみに~!

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