フユ編-01 フユ、新生活を始める!
今日から3連休ですね!本作は連休中は朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~!
秋の夜長を本作でお楽しみください。
「改めてリム流総本山にようこそ。これからはユキと共に頑張ってほしい」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
「フユ。そんなに気を張らずにしたらいいわよ。もたなくなっちゃうわよ?」
「あはは···。やっぱり最初はビシッと決めないとダメってパパに言われたからね。でも、おれなりに精一杯やってみるよ。ユキもよろしくね!」
「も、もちろんよ!これからフユと一緒···。私も頑張るからね!」
おれとユキはちょっと早いけど結婚したんだ。パパも『決断早すぎるけど、いいんだね?』って心配されちゃったけどね。
実は結婚式はおれ以外にもナツ、リナ、ケンと一緒に合同で行ったんだ。ちなみに結婚式で神父さんをしてくれたのはエレさんだったよ。元とはいえ、本物の神様から祝福されちゃったね!パパは苦笑いしてたけど···。
そうして、おれはリム流の総本山に引っ越してきた。まぁ、そんなに手間じゃないけどね。そんなに荷物って言ってもないし、無限収納ポシェットに入れたままにしてるよ。
ちなみにおれたち4人ともにスマホアシストで転移が使えるようになったよ!帰省する時はちょっとおれだけの魔力じゃ足りないから、パパの魔力を借りるけどね。
引っ越しした翌日から、おれはユキからリム流の槍術について教えてもらい始めた。ユキも奥義が使えるほどまで腕を上げたからね!
まずは基本からだ。パパも基本が大事!って言ってたし、基本の本質を理解すれば応用もできるって言ってたからね!
槍は棒の先に刃物がついてる武器だ。長さは人によるけど身長よりも3割ぐらい長めかなぁ~?
一番の特徴は間合いの広さだ。剣の倍以上はあるんだよ。
また、槍の持つ位置で間合いは大きく変わるし、攻撃スピードも変化する。使い方によっては棒術のような使い方も可能だ。
主な攻撃は突く事なんだけど、命を取らない手段であれば棒術と同じように振るえばいい。
うん。まぁ、こんなところかな?一通りママに教えてもらっていたから飲み込みは速いよ。
まずは突きの型。両手持ちでの突きと片手持ちの突きだ。両手持ちだと力が入って威力あるけどリーチが短い。片手持ちだと威力は抑えめだけどリーチが長い。
状況によって使い分けが大事だね!
続いては薙ぎ。剣ほどのスピードは出せないけど、先端の速さは剣を超える!ブォン!!って音がするからね。
うん。これは剣よりも手首の使い方が重要だな。手首の機能を身体強化で上げたほうが良さそうだ。
それと、パパの剣術も応用できそうだね!慣れてきたら試してみよう!
「フユってすごいわね···。もうリム流の槍術の型ができちゃってるわ···」
「そう?槍自体はあんまり持ったことなかったからね。そう言ってもらえると嬉しいね!」
「そう言えばフユって剣術の理に至ったんだったっけ?」
「あぁ~···。まぁ、トランス状態でないと皆伝秘技は使えないんだけどね」
「やっぱり父さんが言った通り、理に至った達人は武器を選ばないってのは本当だったんだなぁ~って、フユを見てたらそう思ったよ」
「あはは···。まぁ、ね。単純に言えば長さの違いと持つ部分が違うから、そこの特徴を把握すればなんとか理解できるね」
こうしておれはユキから槍についていろいろと教えてもらったんだ。
家ではユキとヒサメさんが料理を作ってくれるんだ。パパの味とはちょっと違うけど、これもなかなかおいしいね。
夜はこれからユキと一緒に寝るんだ。女の子と寝るなんてナツとリナ以外したことないけど、なぜかユキは緊張して顔が真っ赤になってたね。···どうしたんだ?
「ユキ、大丈夫?顔が真っ赤になってるけど···」
「ふぇっ!?そ、そ、そうかしら!?お、男の子と一緒に···、ね、寝るなんて···、は、初めてだからぁ~···」
「そんなに気にすることなのかなぁ~?あっ!そう言えばパパが結婚してから寝る時はイベントをしないといけないって言ってたね!」
「イ、イベントォ!?そ、そ、それってまさか!?」
「まさか···?うん。その通りだと思うよ。じゃあ、始めようか!」
「ちょ!?ちょっと待って!?こ、こ、心の···、準備がぁ〜···。やり方知らないし···」
「えっ?そうなの?大丈夫!パパから教えてもらってるからちゃんとサポートするよ!」
「···え?···えっ!?ええーーー!?」
「うん?そんなに驚く事なの?うちのパパとママはよくやってるらしいけどね。『勉強して、恥かかないように』って事で、1回見ちゃったしね」
「そ、そうなの!?」
「うん。だからおれたちもやってみよう!」
「わ、わかったわ···。よ、よろしくお願いします···」
これが初夜って言うんだってね。初めて一緒に寝る事を言うらしいね。
えっ!?事細かく状況を教えてくれって!?···なんで息荒いの?確かパパが言うには『皆さんのご想像にお任せします』って回答しろって言われたからそう答えておくね!それじゃあ、おやすみなさーい!
翌週からは道場の人たちとの稽古に参加させてもらった。みんな気迫がすごいね~!おれも稽古に身が入るよ!
でも、なんかみんなおれに対して鬼気迫るようなかんじで相手になるんだよ。まぁ、その方がより実戦に近い稽古になるからね!もちろん全員倒したよ!剣使えないからかなり時間かかっちゃったけどね。
「はぁ~···。もう道場生じゃかなわないなぁ~。じゃあ、フユ!私と勝負しましょうか!」
「いいね!昔の格闘技大会以来だね!」
ユキとの試合かぁ~!懐かしいね。でも、今回はお互い槍で勝負だ。どうなるかな~?
お互い一礼してから構えた。おれは槍を短めに持って構え、ユキは長めに持って構えた。
ユキは動かない。こっちが攻めて来るのを待ってるね。じゃあ、おれからいかせてもらおう!
おれが真正面から突っ込んでいく!当然、間合いはユキの方が長いからこっちは不利だ。
そこはスピードでカバーするよ!もちろん、身体強化はなしだ。
おれが突っ込んできたから、ユキは当然攻撃は突きだ!予想してたから、避けようとすると、ユキの突きはおれの軸足の足元を狙ってきた!
とっさに避けようとしてしまい、バランスを崩してしまった!転んでしまったところをユキは下からすくい上げるように薙いできた!
その槍を柄で受け止めてさらに転がされてしまい、持ってた槍が手から離れてしまった!ユキは追い討ちをかけようとして追いかけて来る。
このままだと場外だ!端っこで飛び上がって間合いを取ったけど、ユキはそのまま突っ込んできて、おれが着地する瞬間に鋭い突きを放った!
避けきれない!と思ったおれは、そのまま後転して両足を蹴り上げて槍の突きを跳ね上げながら立ち上がった。
今度はユキが槍を跳ね上げられて体勢を崩した!そのスキにおれは自分の槍を取りに行けた。
「ふぅ~···。まさか視線でフェイントかけられるとは思わなかったよ。てっきりまっすぐ顔に向けて突いてくると思っちゃったから反応が遅れたよ」
「これもリム流の奥義の一つね。フユみたいに達人クラスだと引っかかりやすいのよ。それだけ相手を見ているってことだからね!」
「なるほどね~。うまく誘導されちゃったね。槍も手放しちゃったから、今回はおれの負けだなぁ〜。今日もいい勉強になったよ!」
「うふふ!やっとフユに勝てたわね!しっかり鍛練したかいがあったわ~!」
「ははは!次は負けないよ~!」
夫婦でキャッキャウフフしているのを見せつけられた道場生は、全員イラついてしまったのか、この後はまた全員を相手にしてしまったんだよ···。
どうして···?、どうしてこんな事に···?
フユくんとユキちゃんの新婚生活が始まりました!と言っても道場でフユくんは槍の稽古がメインなんですけどね。夫婦で教えあってキャッキャウフフしてるものですから、道場生としては気に食いません(笑)!
ただ、フユくんは相当な実力者なので、うかつに手を出せないんですよ。だからこのお話の最後に全員でかかられてしまいます。全員はっ倒されてしまいますけどね!
さて次回予告ですが、ユキちゃんとのイベントのおかげでユキちゃんのおなかには赤ちゃんができちゃってました!そしてモンドくんが誕生します。
さらにアキくんのゲームの剣術を槍に応用した槍術、『フユ流』が誕生します!どんな技の名前になってるんでしょうね?
次回は本日夜に投稿します。お楽しみに~!




