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【11/20番外編再開!】アキの異世界旅行記 すぴん・おふ!  作者: ぷちきゅう
それぞれのその後

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ナツ編-16 ちびっ子たち、接客する!

 ちびっ子たちに簡単な研修を施した翌日。今日からはちびっ子たちにも店に出てもらって接客をしてもらうんだ。


 ちなみに入口には『本日、ちびっ子店員が接客します。温かく見守って下さい』って看板を出しておいた。うちの客は今のところいちゃもんつけるやっかいな客はいないから大丈夫だとは思うけどな。


 ···あっ!いたわ。やっかいな客が。出禁野郎だ!まぁ、注文しないからそもそも客じゃねーけどな。


 フーは最初だけ分身して対応し、少しずつちびっ子たちにやってもらう作戦のようだ。···なぜか今日も腕組んで、鼻息が荒いぞ?


 そして、開店準備が終わり、営業開始だ!



「じゃあみんなー!さいしょはフーがじっさいにやるからしっかりみててね~!」


「「「「はーい!」」」」



 俺が予約を確認してから席に案内する。···もう常連ばかりだから、メニューすら見ずにオーダー用紙にササッと書いてフーを呼んだ。



「はーい!ごちゅうもんうけたまわりましたー!しょうしょうおまちくださーい!」



オーダー用紙を厨房カウンターに置いたら、続々と注文が入り始めた。追いつかなくなった時点で、フーは分身して対応し始めた。ちびっ子たちもビックリだぜ!


すぐにあいつが料理を提供し、フーが持っていく。客席では、




「今日もありがとね、フーちゃん」


「フーちゃんはいつもえらいなぁ~!···うちの子は全然なのに。育て方間違えたかなぁ~?」


「カワイイわね〜!ねえ!?お姉ちゃんのとこの子にならない!?」


「ハァハァ···、今日のフーたんはいつもと気合いが違う!?そんな頑張るフーたん萌えぇ~!ハァハァ···」


「おじさん、またきたの~?ちゅうもんしないならかえって~!」


「はい喜んで!今日もフーたんにののしられたぁ~!このカ・イ・カ・ンがたまらん〜〜!ハァハァ···」



 ···また出禁野郎が入店してやがった。どうなってんだよ!?正式に予約して入店しやがるし、何で俺が気づかないんだ!?絶対ナニかされてるぞ!!



 俺が混乱してる中、フーはちびっ子たちのところへ行き、



「こんなかんじだよ~!じゃあ、やってみよー!」


「「「「おー!」」」」



 そして、ちびっ子たちの接客が始まった。ちょうど昼時でオーダーが集中しやすいからな。



「すいませ〜ん」


「じゃあ、ボクがいくね!はーい!すぐいきまーす!」



 まずは赤竜の男の子のスウだ。礼儀正しい子だな。



「あら?フーちゃんじゃなくて···、ドラゴン族のお子さん?」


「はい!フーちゃんとはともだちなんです!」


「···か、カワイイ。···ああ、そうそう!はい、これをお願いできるかしら?」


「はい!うけたまわりました!しょうしょうおまちください!」



 よし!良い対応だぞ。客側も好感触だな。



「すいませーん」


「つぎはおれだな!いまいくぜー!」



 次は白銀竜の男の子、カークだ。元気いっぱいな子だな。



「えっ!?ドラゴン族!?」


「おうっ!ここでべんきょーちゅーだぜ!ちゅうもんはこれでいいんだな!ちょっとまっててくれよなー!」



 まぁ、こんなものだな。俺も敬語とか苦手だからな。そんな事にここの客は(こだ)わらんし。



「お~い!注文頼むよ〜」


「つぎはあたしね!はーい!いまいくわ!」



 続いて赤竜の女の子のルメだ。この子も元気いっぱいだなぁ。



「今日はドラゴン族の子が多いなぁ~。何かあるのか?」


「ほーむすていってやつよ!ともだちのいえでおてつだいをしてべんきょーちゅーよ!」


「そうか!ちっこいのに偉いな!頑張れよ!」


「ありがと~!ちゅうもんはコレね!まっててね~!」



 意外とうちの客は好意的なのが多い。まぁ、予約制だからな。ファンも多いしな!···出禁野郎は別だぞ!?



「すいませ〜ん!」


「じゃあ、つぎはわたしだね~。行ってくるね〜」



 次は青竜の女の子のクオンだ。おっとりしてる子だぞ。



「えっ?青竜の女の子!?」


「そうですよ~。いとこたちといっしょにべんきょ〜ちゅ〜で〜す」


「そ、そうなのか···。じゃあ、これをお願いね」


「は〜い。ちょっとまっててね〜」



 やっぱり驚くよな?ドラゴン族なんてほとんど見かけないのに、ここには4人もちびっ子たちがいるからな。



「注文いいかしら~?」


「こんどはおれだな!すぐにいくぜ〜!」



 最後はモンドだ。どういう対応するんだろうな?



「あら!?フーちゃんのお兄ちゃんかしら?」


「ちがうぜ!いとこだぜ〜!おれのパパとフーのママがふたごなんだって!」


「へぇ~、そうなのね。キミもかわいいわね〜!」


「···あのなぁ〜?おれおとこのこなんだから『かっこいい』っていってほしいんだけどなぁ〜?」


「ごめんね〜。あっ、そうそう!注文ね!これお願いね〜」


「おうっ!ちょっとまってくれよな〜!」



 まぁ、髪の色が似てるし、同じ神狼族だからな。モンドの方が先に産まれてるから、実際に兄貴にはなるよな。



 さて、しばらくして料理ができあがった。ちびっ子たちが持っていったぞ。まずはスウだ。



「おまたせしました~!」


「ありがとね〜。偉いわね~!」


「い、いえ···。じゃ、じゃあごゆっくり!」



 ははは!お礼を言われて照れてやがるな!まぁ、普段の生活だとこんな経験しないもんな。次はカークだ。



「またせたな!」


「おっ!ありがと~」


「お、おう!さ、冷めないうちに食べてくれよな!」



 カークも似た反応だな。慣れてない環境だからなおさらか。次はルメだな。



「またせたわね!はい、どうぞ〜」


「待ちわびたぜ!ちっこいのにしっかりしてるな!頑張れよ!」


「ええ!ありがとね〜」



 ルメは堂々としていたな。ただ、表情がニヤけてるな。態度と表情の差が面白いな!次はクオンだな。



「おまたせしましたぁ~」


「あ、ありがとう···。ちょっとドラゴン族だと緊張するなぁ〜」


「そうですかぁ~?だいじょうぶですよ~。たべたりしませんからね〜」


「い、いや。そうだけど···。あ、ありがとう」


「ごゆっくり〜」



 まぁ、ほとんど見かけない種族だから、初対面だとこうなる事もあるわな。クオンはまったく気にしてないな。最後はモンドだ。



「へい、おまち!」


「ありがと~!次はキミ自身を注文(・・・・・・・)したいんだけどなぁ〜!」


「ヘ?おれはうりものじゃないぞ?たべるところもないからおとくじゃねーぞ?」


「いや、そういう意味じゃ···。まぁ、まだわからないかぁ〜」


「···?へんなおきゃくさんだなぁ〜。まぁ、ゆっくりしていってくれよな!」



 ···変な客に対して変な回答で返したな。まぁ、丸く収まったならいいか。


 俺も遠目で見ていたが、上出来だったな。客からも好印象だったしな。


 さて、ちびっ子どもの接客を腕組んで真剣な眼差しで見ていたフーは···



「うん!それでいいよ~!じゃあ、フーもいっしょにやるね〜!」



 この日、フーは新たに俺がやっていたレジ打ちをやり始めた。接客をちびっ子たちに任せられるから、新しい事にチャレンジしたかったらしい。


 というのも、本当は調理をやってみたかったようだぜ?ただ、素人の料理を提供するわけにはいかんから、あいつからレジ打ちをやるように言われたようだな。ドリンクサーバーぐらいはいいと思うけどな。



 ···着々と俺がいらん子になりかけてきてるんだが?

 フーちゃんは自分が接客の先輩だから!と考えて威厳を出そうとしてるので、腕組んで監督をしていました。傍から見ればかわいいんですけどね。自分の動きをきっちりと見せて、それが確実に行われているか?を確認していました。


 実際に接客を始めたちびっ子たちですが、やはり最初は戸惑うものですよね。そんな初々しい姿を見て、客側も小さい子ががんばっているので皆さん好印象でした。


 さて次回予告ですが、ドラゴン族のちびっ子たちが接客しているというウワサが急に広まって、オープン前に予約希望が殺到してしまいました!頑張るちびっ子たちの活躍をご覧いただきますよ~!


 それではお楽しみに~!

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