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リオ過去編-07 体術の神様だってー!?

 昨日8/19の昼頃に本編が異世界ファンタジー完結済部門日間ランキング261位(掲載順は269番目)に再度ランクインしてました!ブクマ及び評価していただき、ありがとうございました。

 引き続き、アキくんたちエーレタニアの世界をお楽しみ下さいね~。

「おお、自己紹介だね。ワシはコバタ。こんな辺境に住んでいるしがないジジイだよ」

 

 

 この爺さんとの出会いも、今考えたら運命だったんだなー。

 

 

「なんでこんな人が住んでないようなとこに住んでるんだー?」

 

「あ~···。実はな···。人嫌いでな~。それに、もうすぐあの世へ行きそうなので、山に籠ることにしたんだな~」

 

「そんなに元気なのにもうあの世に行きかけてるのかー?」

 

「そうだの~!まぁ、そう思ってもう10年近くになってるけどな~!わっはっは!」

 

「···それはまだ大丈夫って事だろー?」

 

「いや?そろそろだと本気で思っておるよ?まぁ立ち話···、というか、竜だとどう言うんだろうな?よくわからんが、ワシの拠点に来て話をしようではないか!人型にはなれるんだろう?ついて来なさいな」

 

「はー、まぁいいけどなー」

 

 

 変わった爺さんだなー。死にかけてるって言ってもピンピンしてるしなー。まー、悪人ではなさそうだし、ついていくことにするぞー。

 

 そうしてたどり着いたのは何もないただの掘っ立て小屋だったぞー。

 

 

「まぁ、そんなにキレイではないがな。遠慮せず入ってくれ」

 

「おー、お邪魔するぞー」

 

 

 キッチンっぽいところで何か飲み物を用意してくれて、持ってきてくれたぞー。

 

 

「···んー?なんだー?この黒っぽい飲み物はー?」

 

「コーヒーと言われる飲み物だ。気分転換とか眠気覚ましにいいぞ」

 

「そんな飲み物あるんだなー。初めてみたぞー!じゃー、いただきますー!···んがっ!?苦いーー!?」

 

「おやおや、口に合わなかったか···。さっきといい、悪いことしたのう」

 

「むー、悪いけどオレにはムリダナー。それにしても、よくこんな山奥で暮らせるなー?いくら人嫌いって言っても、食料調達は大変じゃないかー?」

 

「そうでもないぞ?ここらへんには果物の木が多くてな。それに魔獣も出るから肉類に困ることもないぞ?」

 

「って事は強いんだなー!でも、武器が見当たらないぞー?」

 

「武器なら目の前にあるぞ?」

 

「···へっ?剣とか槍とか弓とかないぞー?もしかして、魔法かー?」

 

「いや、魔法は身体強化のみでな〜。···まだわからんか?」

 

「わからんぞー!どこかに隠してるのかー!?」

 

「はぁ~···。まぁ、いいかの。···ワシの体全部じゃ」

 

「はっ!?か、体だってー!?」

 

「そう。体術じゃな~!ちょっとだけ使えるんで、こうして生きとるわけだな。まぁ、それもそろそろ厳しいのでな。食料を取れなくなれば自然と死ぬ。ワシは病気なのではなくて、寿命で死ぬのだ。これほど幸せなこともなかろうて!」

 

「そういう事かー。オレは旅してるんだけど、時間はいっぱいあるから多少は手伝ってもいいぞー!」

 

「おお、そうかそうか!···ところで、名前をまだ聞いとらなんだった。キミの名は?」

 

「おー、オレも忘れてたぞー!オレはリオってんだー。白銀竜の集落を出て旅してるんだぞー」

 

「ほう!?集落以外でドラゴン族なんてほぼ見かけないというのに、リオには理由があって出たのじゃな?」

 

「そうだぞー。力がなくて狩りに連れてってもらえなかったんでなー。そしたらたまたま迷い込んだ魔術師の人に魔法を教えてもらって、かなり使いこなせるようになったから旅に出たんだぞー!」

 

「···ん?『迷い込んだ魔術師』、じゃと?まさか、そいつは『エセム』と名乗ってなかったね?」

 

「知ってるのかー!?その通り、エセムだぞー!」

 

「やはりか!まーだ極度の方向オンチが治っておらなんだか!まぁ、ヤツらしいといえばそうだな」

 

「コバタはエセムとどういう関係なんだー?」

 

「昔のパーティーメンバーじゃな」

 

「そうなんだー。でも、エセムって『変幻自在』って別名があるスゴイヤツだったそうらしいなー。コバタもあるのかー?」

 

「あったが『体術の神様』なんて呼ばれとったな~!わっはっは!」

 

「おー!?スゴイじゃないかー!?」

 

「まぁ、それも昔の話だから、今は違うぞ?もう死にかけのヨボヨボジジイじゃからなぁ~!」

 

「そんなスゴイ人なら弟子もいっぱいなんだろーなー!」

 

「ワシの話を聞いとったか!?人嫌いだっつーの!!別名に囚われすぎてバカどもが大量に押し寄せてきたのが嫌になってのう。こうして人里離れた場所でのんびりしとるよ」

 

「おー、悪いこと聞いちまったなー。ごめんなー」

 

「ほほう?なかなか素直じゃな~。まぁ、よければリオには教えてやってもいいぞ?」

 

「えっ!?いいのかー?」

 

「あのエセムが魔法を教えたと言うことは、リオには何か面白いことが起こると思ったんじゃろうなぁ~。ワシも悪ノリしてみようかの〜!」

 

「そうかー!オレって、力ないけど大丈夫かー?」

 

「少なくとも人よりはあるなら問題はないぞ?これで死ぬまでの暇つぶしができたぞ〜!」

 

「···オレは暇つぶしで教えられるのかぁー」

 

 

 こうして、ひょんなことからコバタから体術を教わることになったんだなー。この爺さんがエセムともつながりがあったなんて、これもパイルさんの言う運命なんだろうなー。

 

 そうして月日は流れて···、5年後。

 

 

「おーい!起きてるかー?」

 

「···お〜。起きてるけど···、ついに時が来たかのぉ~···」

 

「大丈夫かー?なんか飲むかー?」

 

「いや···。もういいぞ···。ついに···、お迎えが来たようじゃ···。もう乗っていくからな···。この家はリオにやるぞ···。こんな辺境の家なんて···、誰も欲しがらんじゃろうしなぁ···」

 

「乗車拒否しろー!まだまだ教わってないことあるだろー!?」

 

「いや···。最初の1年で教えきってたわい···。基礎さえきっちりできればいいんじゃ···。あとは経験でなんとでもなるのじゃ···。もう、好きにせい···」

 

「コバタ···、いや、師匠···」

 

「···ふふふ。···わっはっは!師匠か···。初めて聞いたが···、実にここち良い···。リオに···、教えて···、良かっ···、た···」

 

「···おい?どうした!?しっかりしろーー!!」

 

「············」

 

「···師匠。ありがとなー」

 

 

 師匠を弔い、オレはこの家に住むことにしたんだー。それなりに思い出があるからなー。


 師匠が拠点としていたから、オレも拠点として使わせてもらうぞー!

 

 

 14年後···

 

 

「ぐおー···、ぐおー···、すぴー···、すぴー···。ん~~···。ムニャムニャ···」

 

 

 オレはこの快適な暮らしを満喫していたんだー。たまーに町ヘ行って買い物したり、お出かけしたりして、のんびりした快適な生活を送ってたんだなー。

 

 ただ、あの日にその生活が突然終わってしまったんだなー···。

 リオくんがどうして山奥の拠点を手に入れたのか?そして体術は誰から学んだのか?をご紹介しました。コバタさんも引きこもりでしたので、この拠点はリオくんにとっても最高の環境だったわけですね~。


 ちなみに本編第13章で戻った際が拠点の最後の登場になりますが、これ以降は戻っていません。拠点の小屋はもう朽ち果ててしまっていますし、お墓もなくなっています。40年以上経ってしまってますので弔いも完了したという事と、リオくんは本編エピローグで紹介したように講師になって魔法以外にも体術もちょこっとだけ教えたりしてますので、『技術を継承する』という方法でコバタさんを弔う方針に変えたんですよ。


 さて次回予告ですが、リオくんの整調者として神様にスカウトされるシーンです。本編で説明した通り、スカウトの際には面接があります。リオくんはどう対応したのでしょうか?


 お楽しみに~!

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