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【11/20番外編再開!】アキの異世界旅行記 すぴん・おふ!  作者: ぷちきゅう
それぞれのその後

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子どもたち、両親にプレゼントを贈る 中編

 今日も朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~!

 配達の仕事があっさりと終わったので、久しぶりに遠出したから寄り道をすることにしたんだ。


 ピムエム皇国側の山を下っていったら、綿花の畑が一面に広がる小さな町があったんだ。そこに寄ってひと休憩することにしたんだ。



 町の入口で門番に簡単な審査を受けようとすると、おれたちの姿を見て少しびっくりされちゃったんだ。



「やあ!もしかしてキミたちだけで来たのかい!?親御さんはどうしたんだ?迷子になったのか!?」


「えっ?いえ、おれたちは冒険者ですよ。近場で依頼があって、ちょっと寄っただけですよ」


「近場ったって、ここから先は新しい街道の建設工事の現場しかないよ?キミたち、行きにここ通ってないでしょ?」


「あぁ~、わたしとケンはドラゴン族だから王国側から飛んできたのよ!王国側と皇国側の両方にお届け物があったのよ」


「なるほどね~。便利なもんだな~。空飛べたら難所なんて無いんしょ〜(・・・・・・)、なんちゃって!」


「「「「············」」」」


「ゴ、ゴホン!失礼。ここは見ての通り綿花が育ちやすい土地でね。上質な布を作れるから、服飾や手芸が盛んなんだよ。よかったら買っていってくれよな!」


「は、はぁ···。じゃあ、少し観光して休ませてもらいますね」



 ちょっとだけ涼しくなったかな?まぁ、いいか!


 町は宿場町よりもちょっとだけ大きいぐらいかな?大きいと言えば、家が大きいんだよ。さっきの門番さんの話だと、家の中で手芸をやるからかなぁ~?


 でも、町によって作りとかが違うのは面白いね!パパも『旅する時の楽しみの一つ』って言ってたからね。なるほど〜!こういう事だったんだね!


 歩いていたら、小さな飲食店があったので、そこに入って休憩する事にしたんだ。



「ふぅ~。ちょっとだけ休憩してから、門番さんの言っていた特産品の手芸を見てみる?」


「そうね〜。いいのがあったらお土産に買って帰るのもいいわね~」


「···パパとママにプレゼントを買う?···もう少ししたら結婚記念日らしいし」


「そう言えばプレゼントってもらった事はあっても渡した事ってなかったなぁ~。よし!おれたちもパパとママにプレゼントしよう!」


「ぼくもそうするよ!」



 飲食店で休憩を終えて、おれたちは町中を歩いて回った。どちらかと言えばお店よりも工場みたいだね。そこそこ大きな工場があったので、ちょっとだけ覗いてみると、そこではぬいぐるみが作られていたんだ。しかもかなり大きいよ!?おれと同じぐらいの大きさもあったよ!



「うわぁ~!大きいね!おれ、こんなに大きなぬいぐるみって初めてみたよ!」


「大きいわね~!たくさん綿があるからこういった物が作れるのね」



 みんな初めて見た巨大なぬいぐるみを見て感動してると、ナツが急に考え事をし始めて、結論に達した!



「···ちょっとだけいい事思いついた」


「ナツ?いい事って?」


「···パパとママのぬいぐるみを作ってもらう」


「面白そうね!わたしも賛成よ。びっくりさせてやるわ~!」


「ぼくもいいよ!」


「じゃあ、お願いしてみようか!ごめんくださ〜い!」



 おれ大声を出した事で、工場の人が気づいた。年輩のお婆さんがこっちにやって来てくれたよ。



「あらあら、こんにちは。見かけない坊やたちだね。こんなところでどうしたんだい?」


「お忙しい中失礼します。ぬいぐるみを作ってるようなので、発注をお願いしたいんですけど···」


「あらあら!お客さんだったのかい?これは失礼したね。ただ、うちは特注サイズばかりの品でね。それなりにお値段かかるし、時間もかかるけど、それでもいいのかい?」


「はい!おれたち冒険者やってますからお金はありますよ。パパとママにプレゼントしたいんです!」


「あらあら!ご両親にプレゼントなんて、できた坊やたちだね!じゃあ、中に入っておいで。詳しく話を聞こうじゃないか」



 おばあさんに案内されて、ちょっとした作業机のところに座らせてもらった。



「さて、どういったぬいぐるみをご所望だい?」


「おれたちのパパとママの等身大ぬいぐるみを作って欲しいんです」


「ほうほう!いいじゃないか。ただ、どんな姿をしてるか教えてほしいんだけど、絵は描けるかい?」


「写真ならありますよ。これです!」



 おれはスマホで写真を見せた。すると、おばあさんはびっくりしたよ!



「な!?なんだい!?これは!?まるで本物みたいじゃないかね!」


「あぁ~、ごめんなさい!これは見たままを絵にする魔道具なんですよ」


「はぁ~、こんなものがあるんだね?びっくりしたよ。長生きするもんだねぇ~」


「あはは···、一般的なものじゃないんですけどね」


「ちょっと見せてくれるかい?あたしが今から描き写すからね」



 そう言って、ものの5分でパパを描いちゃったよ!?すごい!


 続いてママとリオパパ、ナナママもあっという間に描いてしまった。



「坊やたちも絵に入ってたから大きさはわかったよ。特注だから1体で10万ジール前後しちまうし、出来上がりに1月ほどかかるけど、いいかい?」


「いいですよ。今支払います!楽しみだなぁ~!」


「ありがとね。親にプレゼントなんて、いい仕事もらったよ。楽しみにしておいで」



 さ〜て!発注も終えたので、帰ろうとしたらナツが追加発注をしようとしてたんだよ。



「···もう1つ追加で作って欲しいんだけど」


「いいよ。今度はどんな人なんだい?」


「···これ」



 ナツが見せた写真は···!なんと!パパが変身した姿だった!!すると、おばあさんはさらにびっくりしちゃったんだ!



「おやおや!?こ、これはびっくりだね!本物に会ったのかい!?」


「えっ!?どういうことです?」


「以前から、いろんなところで流行っていた演劇のグッズの作成依頼が続いてたんだよ。最近はなくなっちまったどころか、商人からの支払いが滞っていて倉庫にたくさん眠って困ってるんだよ···」



 あぁ~、それって許可を得てない『海賊版』だってパパが言ってたなぁ~。商人が逮捕されちゃったから、商人からの支払いも商品の受け渡しもできないのか。


 すると、ナツがとんでもないことを言い出した!



「···じゃ、ナツがいくつか買う。いくら?」


「ちょ!?ナツ!?」


「買ってくれるのかい!?じゃあ、1つ4万ジールでどうだい?」


「···じゃ、10買う」


「ありがとね!すぐに用意するよ!」



 おばあさんは喜んで倉庫に向かって行った。



「ナツ?いいの?おれはマズいと思うけど?」


「···ナツの『オーダーメイド』って言い切る。···これで毎日パパを抱いて寝れる」


「あぁ~、ナツってアキパパ大好きだもんね~」


「確かに変身後の姿って触り心地良さそうだもんね。ぼくも触ってみたいし」


「でもナツ?変身後のパパのぬいぐるみは、プレゼントするまで出しちゃダメだからね。プレゼントした後に出すんだよ」


「···もち。···うふふ」


「こんな楽しそうなナツは初めて見るわ」



 こうして、おれたちはプレゼントを発注したんだ。完成が楽しみだなぁ~!

 フユくんたちがたどり着いたのはぬいぐるみ工場でした!しかも等身大の抱きぬいぐるみです!ナツちゃんは本編第17章で、海賊版として違法に売られていたアニーちゃんの抱きぬいぐるみを見てからずっと欲しかったんですよ。ぬいぐるみ工場と分かったので、等身大ぬいぐるみを作ってもらうついでにアキくんの変身した姿のぬいぐるみを作ってもらっちゃえ!との魂胆でした(笑)!

 実際には悪徳商人が逮捕されちゃったので代金が支払われずに品物が倉庫に眠っている状態だったので、ナツちゃんは大人買いをしてしまいました。パパ大好きっ子なナツちゃんでした(笑)!


 さて次回予告ですが、等身大ぬいぐるみが完成してアキくんたちに渡します。どんな反応なんでしょうね~?


 次回は本日夜に投稿します。お楽しみに~!

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