短期留学編-17.トランスってどうやるの?
2日間の王都滞在を終えて、ぼくたちはひーじーちゃんの転移魔法で戻ってきたんだ。
「二人とも、お疲れさま!今回の目的だった女王様の会談が無事済んでよかったよ」
「ひーじーちゃん、ありがとう!」
「ひーじーじ!ありがと~!」
ひーじーちゃんが女王様と知り合いだったので、ぼくたちと顔合わせしたいって事で今回は王都に行ったんだ。これがきっかけで国がよくなってくれるなら嬉しいことだよね。
さて、お休みのあとは学園だ。今週もいろいろ学ぶよ~!
そして次の週末になった。
『アキ!とりあえず一段落ついたぜ』
「レオ、お疲れ様〜」
『まぁ、疲れた原因はコピーが暴れまくったせいなんだけどな···』
「あ〜···、また何やらかしたかは後で教えてね」
『おう!でだ。明日と明後日は空いてるけど、ベルノとソラにトランスをそろそろ教えようかと思うが、いいか?』
「そうだね〜。そろそろうちの環境にも慣れてきただろうからね。お願いできる?」
『任せとけ!』
「というわけで、ベルノくんとソラちゃん?明日と明後日はレオがトランスの仕方を教えてくれるから、頑張って習得してね」
「レオさん···、って、しんろうぞくのしそさんだったよね?」
「うん、ベルノくん。そうだよ。おそらく一番強いだろうなぁ〜」
「そういえば、レオさんのおけいこはやってなかったね」
「ゴメンね、ソラちゃん。レオも結構忙しいからね」
神狼族の始祖であるレオさんはひーじーちゃんのお仕事のサポートをやってくれてるので忙しいらしい。
本当はもう死んじゃってる人なんだけどね。今はひーじーちゃんが特別な材料で作った人形に入って出てくるんだよ。
トランスかぁ〜。とうちゃんがなっているのは見たことあるんだよ。あれをぼくとソラもやれるのか···。どんなかんじなんだろうね?
そして翌日···。
「おう!ちびっこたち!これから教えるからな。まずは···、オレと勝負するか!」
「え!?トランスは!?」
「いきなり教えるのはちょっと危ないかもしれんからな。まずはどの程度、力の制御ができているか?を見る。合格点ならやり方を教えるからな。主に魔法を使ってこい。武術も込み込みで、全力出せよ!手加減はいらんから···、殺す気で2人同時にかかってこい!」
「「は!?はいっ!」」
レオさんがそう言うと、ものすごい殺気を放ってきた!も、ものすごく怖い···。や、やらなきゃやられる!
ぼくとソラは魔力剣を展開した!通常は斬れないようになってるんだけど、今は制限を外して斬れるようにもしたんだ!
「うぉおおおーー!ひぎ!むそうれっぱ!!」
最初は一番強力な技だ!出し惜しみはなし!だけども!?
「ふむふむ···。まだまだだな···」
そんな!?レオさんは指で受け止めちゃったんだよ!?こっちは全力全開でやってるのに!?
そんな状況で、ソラはレオさんの背後に回って一撃を加えようとしていた!
「あんさつわざ、闇刀・朧」
ぼくにも見えない剣でレオさんの背後から襲いかかった!しかし!?
···キンッ!!
「おっと!残念だったな〜。でも、今のは良かったな」
「そんな〜!?」
レオさんの体を傷つける前に魔力の壁で阻まれてしまったんだ!見えない刀でも、壁で弾いてしまえばいいってことか!
「だったらまほうだ!アイスダガー、みだれうち!!いっけーーー!!」
「ソラも!フォール・サン!!おちてーーー!!」
ぼくオリジナルの最強魔法、アイスダガー・乱れ撃ち!これはとうちゃんが見せてくれた『アイスペタルダンシング』って魔法を、ちょっといじって作った魔法なんだ!
とうちゃんは細かい刃物を周りにばらまいていたけど、ぼくは短剣サイズの大きさにして目標にめがけて放つ魔法なんだ!
「ほう!?これはちびっこにしては大魔法だな〜!でも、この程度の弾幕ならすべて弾き落とせるぜ!どぉりゃあーーーー!!」
ズドドドド!!
ウソでしょ!?四方八方から押し寄せる氷の短剣を、パンチとキックで全部弾き落としちゃったよ!?
でも、これでレオさんの動きが止まった!この状況で、ソラが放ったフォール・サンの魔法がレオさんの頭上に落ちようとしていた!
この魔法は周囲一帯を焼き尽くす巨大な炎を塊を、相手の頭上へ落とすんだ!巨大だから回避はできない!
ズドーーーーン!!
レオさんの姿が見えなくなった!直撃だったし、ガードもできてないはずだからね。これでダメだったら···。
って思ってると、燃え盛る炎から人影が出てきた!
「うそでしょ!?」
「あれをたえれるの〜!?」
出てきたのは、まったくの無傷なレオさんだった···。どうやって耐えたんだろうか···?
「ははは!思ってた以上にやるじゃねえか!魔獣退治をほとんどやってねえって聞いてたから、教科書通りの攻撃しかできねえだろ?って思ってたけど···。でもまぁ詰めが甘いな。って、それはこれからおいおいやっていきゃいいけどな」
「「············」」
「···ん?どうした?絶望したような顔してるけど?」
「さいきょうまほうがきかないなんて···」
「かてないよぉ〜」
「あ〜、そりゃムリダナ。オレに勝とうなんて500年早いぞ?でもさっきの魔法でどの程度制御できるかはわかったわ。真のトランスは今はちょっとやめといたほうがいいけど、通常のトランスなら問題なさそうだ」
「そ、そうなんだ···」
「できるのかなぁ〜?」
「そりゃできるさ。なんたってオレの遠い子孫で神狼族の血を引いてるんだからな。え〜っと、まず聞くが、2人はどういう『共有』ができるんだ?」
「「え?『きょうゆう』···?」」
「···え?共有を知らないだって?」
「う、うん···」
「はじめてきいたよ?」
「···モンドとフーは教えてないのかよ?それとも必要なかったのか?まさか···、忘れてたか!?」
共有···。それができないとトランスできないのかなぁ〜?
レオくんが直々にトランスを教えようとしましたが、ベルノくんとソラちゃんは神狼族の固有能力である『共有』を知りませんでした。
ハルちゃんは『魔力の共有』、フユくんとナツちゃんは『意識の共有』、モンドくんは『体力の共有』、フーちゃんは『状態の共有』でした。
教えてもらってないのは、モンドくんとフーちゃんの共有はあんまり活躍どころがなかったんですね。ですので本人たちも実はすっかり忘れちゃってたんですよ。
ぶっちゃけ真のトランスができるようになるとほぼ無敵状態になるので、使わなくなる事が多くなってしまうんですね。
さて次回予告ですが、真のトランスを習得するための導入に必要な共有能力がないことを知ったレオくんは別の方法でトランスに目覚める方法を採る事にしました。この別の方法、かなり物騒なんですよ···。どうやるのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




