短期留学編-13.王都へ遊びに行こう!(道場編前編)
「それじゃあ行こうか!」
「「うん!!」」
今日はひーじーちゃんがレオナード王国の王都リスタへ連れて行ってくれるんだ。
リスタにはじーちゃんの道場にとうちゃんが一度だけ連れて行ってくれた事があって、その時に行ったんだ。ソラは初めてだね!
ひーじーちゃんの手を握ると、すぐに景色が変わった。
転移魔法···。いつも学園へ行く時に体験するけど、すごい魔法だよ!
「ふぅ~···。さて着いたよ」
「ここがリスタ?ナツばーばがいるんだね?」
「うん。今日は夕食をナツの家でいただくことにしてるからね。それじゃあ入国しようか!···ってその前に。ハル?もう抱きつかなくて大丈夫だよ?」
「···ん」
そう、ひーばーちゃんはひーじーちゃん抱きついていたんだ···。手を握るだけでいいのにね。
そして入国審査を終えて門の中に入った。
王都はすごく賑やかだったね!ぼくの町も負けてないぐらいだ!
レオナード王国はここボルタニア大陸では大国で、歴史が長いんだって。だから人がいっぱいいるんだろうね。王都の中心にお城があって、お城を囲むように町が広がってるんだ。
「じゃあ、まずはフユの道場に行くね」
「「うん!」」
じーちゃんの道場はお城から見て南東の小高い山にあるんだ。入口には『リム流』と『フユ流』の看板がかかってるんだ。
『リム流』はここリスタで有名な槍術なんだ。そして『フユ流』はじーちゃんが編み出した槍術と剣術だ。
ちなみにフユ流は、ひーじーちゃんの世界の武術をアレンジしてじーちゃんが極めたんだ!じーちゃんはすごい人なんだよ!ぼくはじーちゃんみたいにはなれないだろうなぁ〜。
長い階段を登りきると、大きな道場があって、外ではトレーニングをしているのが見えたよ。
ぼくたちが門をくぐると、ぼくたちに気づいた人が駆け寄ってきた。
「これはこれは!アキ様、ようこそお越しくださいました。師範でしたら道場にいらっしゃいますよ」
「こんにちは。いつもフユがお世話になってますね」
「とんでもない!師範のおかげで私たちも強くなっていってますから!」
うん!やっぱりじーちゃんはすごい人だね!こんなにいっぱいの人たちから慕われてるんだ!
そして道場に入ると···、
「パパ!いらっしゃい!」
「フユ!今日はベルノくんとソラちゃんを連れてきたよ。よろしくね」
「うん!ベルノくん、久しぶりだね〜。ちょっと大きくなったかな?2年ぶりだけど、覚えてる?」
「うん!まじゅうたいじがたのしかった!」
「ははは!やっぱり神狼族の血だよね〜。セミダクター大陸は魔獣があんまり出ないって話だからなぁ〜。ああ!ゴメンね。キミがソラちゃんだね?はじめまして。ベルノくんのおじいちゃんのフユです。よろしくね」
「ソラです!よろしくおねがいしま〜す!」
「うん!ソラちゃんはフーちゃんに似てるなぁ〜。じゃあ立ち話もなんだから、こちらへどうぞ!」
道場の中では剣術と槍術に別れて鍛錬していたよ。あとは試合として剣と槍という違った武器でやるのもあった!ぼくたちは道場全体を見渡せるちょっと高い位置からその様子を見せてもらったんだ。
「さて、うちの道場をみてるだけじゃつまらないでしょ?二人とも、おれが相手してあげるよ」
「「よろしくおねがいします!」」
「ははは!気合い十分だね〜!それじゃあ···、二人まとめてかかっておいで」
「えっ!?」
「いいの〜!?」
「うん。おそらく1対1だとすぐに終わっちゃうだろうからね。暗殺技も使っていいから、本気でかかっておいで!」
「···わかった!」
「···じゃあいくね〜!」
じーちゃん相手にぼくとソラがの二人がかりで試合することになったんだ。
そう、じーちゃんはとても強いんだ!じーちゃんの言う通り、今のぼくだとじーちゃんには勝てそうもない···。とうちゃんにも勝てないし。
そこでソラも加わった。これでも勝てないと思うけど、今できること全部をじーちゃんに見てもらおう!
「···よし。二人とも気合い十分なようだね。それじゃあ···、来い!!」
「うぉおおおーーー!!」
「はぁあああーーー!!」
大声をあげた!気合いをしっかり入れて攻撃態勢に移った!
「ひぎ、もみじ!!」
「ひぎ!しっぷうじんらい!!」
どちらも相手に突っ込んで一撃加える技だ!先にぼくが攻撃して、タイミングずらしてソラが斬り掛かった!
しかし!?
カンッ!
じーちゃんはぼくの紅葉で真横に振った木剣を、軽く上から当てた!受け止めるんじゃなくて、剣筋を下へずらしちゃったんだ!
ぼくは当てるつもりで本気で木剣を振った!それがスカったので、木剣は振り切ってしまい、その剣先が···、
「きゃあ!」
「えっ!?」
くるっと反対側まで振ってしまってソラの木剣に当たっちゃった!
「スキあり」
コン!コン!
「うわっ!?」
「いたっ!?」
ぼくの背後からじーちゃんが木剣を頭に軽く当ててきたんだ···。
「ははは!どうした?この程度じゃないでしょ?」
「いたたた···。す、すごい···」
「ふたりあいてだったらいけるかとおもったのに〜!」
「うん。確かにおれの方が普通に考えたら不利だね。でも···、これができないと魔獣相手には勝てないよ」
「えっ!?」
「そなの!?」
「そう。魔獣は何百何千を一気に相手にすることもあるんだ。だから多くの相手を同時にできないとね。さて、まだまだ始まったばかりだ。遠慮せずにどんどんかかってきなさい!」
「「···はい!」」
このあと、ぼくたちはいろんな方法でじーちゃんに立ち向かった!
ある時ははさみ撃ちで攻撃したり、同時に攻撃してみたり···。
でも、じーちゃんは状況に応じて打ち返してきた!こ、これが···、じーちゃんの実力であって経験なんだ···。
「「はあっ!はあっ!」」
「···よし!ここまでにしておくか。よくここまで耐え抜いたね〜!」
「···え?」
「···どいうこと〜?」
「おれとやりあってここまで頑張れる子はいないんだよ。モンドとフーちゃんぐらいだったかなぁ〜?」
「え?とうちゃんが?」
「ママが?」
「うん。モンドやフーちゃんがベルノくんやソラちゃんぐらいの時もこれぐらい持ちこたえたよ。まぁ、ベルノくんに教えたのがモンドだからなぁ〜。やりあってて昔のモンドを思い出したよ」
「とうちゃんが···。とうちゃんもそうなんだ···」
「うん。だから落ち込んだらダメだぞ。モンドだって、異世界の悪い神2人を相手に戦っただろ?いい線いってるのは間違いない。あとは実戦を積んで『この状況ならこうする!』って経験を積んでいけばいいよ」
「···わかりました!ありがとうございます!」
「うん!ベルノくんはモンドと違って礼儀正しいなぁ〜。ホール王女のおかげだろうね」
「うん!かあちゃんがおしえてくれたんだ」
「そうか!あとはソラちゃんだね。ソラちゃんは太刀筋が鋭いよ。やっぱりフーちゃん仕込みだってよくわかるね。ソラちゃんも技はだいぶ出来上がりつつあるから、あとはどこで使うか?の経験だね」
「は〜い!ありがとうございます!」
「うん!それじゃあお昼にしようか!」
あっという間に午前が終わっちゃったんだ···。それだけ集中してたって事かな?
せっかくアキくんの家にホームステイしてるので、学園がお休みの日に王都へやって来ました。
まずはフユくんの道場ですね。フユくんの実力はモンドくんよりも上なので、やはり太刀打ちはできませんでした。
やはり経験の差ですね〜。長年の積み重ねがこうして出てくるんですよ。これは仕事でもそうですね。
ただ、この経験も『活かそう』と考えるかしないかで出来具合に差が出ます。ここは個人の努力ですね。
作者もいろんな仕事やって来ましたが、この考え方の差で長年同じ仕事やっててもダメな人もいましたし、経験年数が少ないのにバリバリできる人もいました。
さて次回予告ですが、フユくんの午後の稽古の様子をお届けしますよ〜。フユくんは『攻撃しないからその攻撃が最適か?』という課題を出して挑んできますよ〜!ベルノくんとソラちゃんはどう対応するのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




