短期留学編-11.いきなり勝負をしかけられちゃったよ!?
「よし!じゃあソラ、いこうか!」
「うん!さいしょのじゅぎょーはぶじゅつだったね〜」
「そうだね!じゃあたいいくかんにいこうか」
「うん!」
武術の授業は朝に職員室で会ったアピアさんが先生だ。どんなかんじの授業なのかな〜?
体育館に到着すると、みんな木剣を持っていた。今日は剣術をやるのかな?
みんな、ぼくたちを見てた。まぁ、いきなりやって来たから『誰だろう?』ってなっちゃうよね。
でも、こういう時はこっちからあいさつするといいんだって!ひーじーちゃんもとうちゃんも言ってたよ。
「こんにちは!ぼくはベルノっていいます!よろしくおねがいします!」
「こんにちは〜!ソラっていいま〜す!よろしくね〜!」
「「「「············」」」」
···あれ?みんなポカーンとしてるよ?これはダメだったのかな···?
そう思ってたら、ポカーンとしていたうちの1人が声をかけてきた。
「お前ら、新人か?」
「うん。これからはじめてのじゅぎょうなんだ」
「そうか。新入生じゃないってことは、手加減しなくてもいいんだな?」
「うん?よくわからないけど···?けんじゅつならとくいだから、てかげんはいらないかな?」
「へぇ~。剣術が得意なら、今すぐおれと勝負しろ」
「え?しょうぶ···?ぼく、けんもってないけど?」
「持ってねえのかよ?おい!貸してやれ」
そう言うと、近くにいた人がぼくに木剣を投げてきた!危ないなぁ〜。手渡ししてくれた方が安全なのに···。
ぼくは投げられた木剣を軽く避けてから柄をすぐに握った。切っ先がぼくに向いていたからね。
「な!?···なかなかやりそうじゃねえかよ?」
「···うん。このけんのとくちょうはわかった。じゃあ、おねがいします!」
木剣はぼくの身長からするとちょっと長すぎた。さらに柄が細くて刃の部分が分厚い。ということは、この剣は『斬る』よりも『叩く』事を重視してるんだね。
でもおかしいなぁ〜?剣術でしょ?『斬る』事を目的なんだから、この剣だと剣に振り回されちゃうよ?
まぁ、ぼくが扱うなら···、こうかな?
「な?なんだ···?その構えは?」
「フユりゅう。ひぎ、だいふんかぎり」
ぼくは木剣を頭の上まで振り上げて大上段で構えた。ぼくの剣術でこの剣ならこの技が最適だ。大噴火斬りはパワー系の高威力の技だからね!
「秘技ぃ〜?ははは!いっちょ前な構えをして技名まであるだって!?聞いたことのない技だぞ!」
「え〜〜?おうとだったらどうじょうあるんだけどなぁ〜」
「ふん!どうせド田舎から出てきて知名度ないんだろ?じゃあいくぜーー!!」
突っ込んできた。でも···、動きが直線的だなぁ〜。それじゃあ『ここを狙います』って言ってるようなものだよ?とうちゃんだったらすぐにキツい反撃するなぁ〜。
ぼくは右足を半歩後ろに下げた。突っ込んできた子は大振りな空振りをしちゃったよ···。
思いっきりスキだらけだなぁ〜。これ、技で相手しなくてもいいか!そのまま振り下ろして背中に一撃入れよう!
「ほい」
「(ドカッ!!)ぎゃっ!?」
なんてことない振り下ろしだった。でも、結構な音しちゃったから、痛かったかなぁ〜?
「こ、こいつ!?だったら···、うぉおおおーー」
今度は接近戦か···。フェイントないし、動きが直線的だから、次にどこ狙うかよくわかるね!とうちゃんならどう攻撃するかなんて見せないし。
ぼくは攻撃を寸前でかわした。そして···、かわしまくった!
「はあっ!はあっ!クソっ!ちょこまかと!あ、当たりさえすれば···!」
「じゃあ、あててみる?」
「な!?なんだと!?」
「いいよ。ぼく、ぼうぎょしないから」
「なめんなぁーーー!!」
おぉ~、やっと本気になったんじゃないかな?大上段に振り上げて突進し、そして···、思いっきり木剣をぼくに振り下ろした!
ドカッ!!
「はあっ!はあっ!···へ、へへへ。ナメたツケだぜ!」
「いや、ナメてないよ?これでスッキリしてくれたかな?」
「なっ!?えっ···!?ど、どうなってんだ!?」
「あれは『かわりみ』ってわざなんだ。なぐられたのはぼくじゃないんだよ」
「そんなバカな···!?えっ!?ただの木の枝だと!?」
相手が本気だったので、ぼくもちょっとだけ本気出しちゃった。代わり身で受けて、その間に背後に回ったんだよ。
「じゃあつぎはぼくだね。えい!」
コツン!
ぼくは相手の頭に軽く木剣を当てた。
「ぐっ···」
「これでおしまい。ありがとうございました」
「待て!何が終わりだ!?まだだ!まだ終わってなーーい!」
「いや、おわりだよ?せんせいきちゃったし」
「な!?」
「コラ!!授業前に何やってるの!?」
体育館の入口にはアピアさんが立っていた!ぼくは気づいていたからああ言ったんだけどね。
「まったく···。相手がベルノくんだったから良かったけど、ほかの子だったらケガしてたわよ!」
「アピアさん?ぼくだったらよかったって···?」
「あ!?ごめんなさいね〜。アキ先生のひ孫さんだから、剣術とかすごいだろうなぁ〜ってつい思っちゃって···」
「まぁ···、このていどでしたら···」
「「「「えーー!?アキ先生のひ孫だってーーー!?」」」」
···え?そこ驚くところなの?みんな驚いてるけど···。
「そうよ。アキ先生のお子さんは剣術とかの頂点に立ってるような人なんだから、強いのは当たり前でしょ?むしろケガさせてないのはすごいことよ?ちなみにソラちゃんも同様よ」
「ぐっ···」
「まぁ、2人の実力が分かっただけでもよかったわ。じゃあ、授業始めるわよ〜!」
アピアさんは特に問題ないように言っちゃったね。まぁ、この程度だったら別に謝ってもらわなくてもいいしね。
武術というのは、最終目的は『相手の命を奪う』事だ。
でも、だからといって武術を学んだらみんな人殺しになるかと言えばそうじゃない。とうちゃんも言ってたけど、力は使いようだ。
使い方を間違えたらそうなっちゃうけど、守ることもできるんだ。その力の使い方、そして力を使おうとする精神を鍛えるために武術を修めるんだよ。とうちゃんもじーちゃんも、ここはものすごく厳しかった。
というのも、ぼくたちは特にこれを気をつけなくちゃいけない。なぜなら···、ぼくたちには『世界を滅ぼせる力』があるからだ。
初めての授業でいきなり絡まれてしまいました。これも学園ものあるあるですかね~?
ここでベルノくんが言った『剣の特徴』ですが、剣と一言で言ってもいろんな種類がありますし、形状も目的に応じて様々です。
剣と言っても斬るだけでもいろんな方法があるんですね。今回の木剣は通常の剣とはちょっと異なっていて、『遠心力を最大限に利用して斬る』ものです。そのために刀身に重量があって、振り回して強烈な一撃を食らわせることができるんです。ただし、それに特化しすぎているので手首に対する負担が大きすぎて取り回しが非常に難しく、素早い剣の動作ができないという欠点があるんですね。また、体勢を崩しやすいために相手に一撃与えられずに避けられるとかなり危険になるんです。なかなか極端な性能の剣ですね。
ですので、この剣は全身鎧などの重量ある装備をしていて避けなくても鎧でダメージを受ける場合にはうってつけの剣なんです。
このように剣にもいろんな種類があるんですね~。ベルノくんとソラちゃんが持つ魔力剣は変幻自在な形にできる極端すぎる性能をもってますけどね。
さて次回予告ですが、ベルノくんとソラちゃんのお友だちができますよ~!そしていろんな授業を受けます。
それではお楽しみに~!




