アクロ温泉街発展計画-12.夢が完成した〜!
このお話でアキくんの温泉エピソードは完結です。そのため、朝に投稿しています。
グロー歴525年3月14日 晴れ
「それでは新しくなったアクロを楽しんでくれ!」
「「「「わーーーー!!」」」」
ついにボクが計画した発展計画が全部完成したんだ!今日はその式典の日だったんだ。いまさっき町長さんがあいさつしてたね。
まぁ、ほとんどが町民であとはたまたま宿泊していた行商人の人たちとか温泉を楽しみに来ていた観光客が数人ってところだね。これから観光客も増えてくるだろうけどね。
新しい施設ができたことで、町にはお仕事がめっちゃ増えた。さすがに町民だけでは足りなくなってしまったので、近隣の町とかに募集をかけたんだ。
そうしたら何人か応募してきて家付きで働いてもらうことになったんだ。空き家はちょっとだけあったからね。ちなみに宿で働く人たちは住み込みになっているんだ。
そうして研修期間を終えて今日、町民対象に新しい施設のお披露目をこれから行うんだ。いわゆるプレオープンってやつだね。
これをやってからでないと観光客が来たときに混乱してしまうからね。問題点の洗い出しが目的だけど、みんな楽しみにしていたからウキウキ笑顔だったね!
「じゃあハル!行こうか!」
「···ん。···でも、アキは女湯入れないよね?」
「さすがに公共の場では入るわけにはいかないからね。家に帰ったら一緒に入れるから、いつもよりも大きな温泉をナナと一緒に楽しんできて!」
「そうよ〜、ハル!せっかくだし、広〜い温泉を楽しむわよ〜!今日は無料なんだしね!」
「···ナナは『無料』がいいだけじゃない?」
「うぐっ!?ま、まぁいいじゃないのよ!ささ!行くわよ〜!」
ナナは無料って言葉に弱いのかな?ボクよりも多く稼いでると思うんだけど、それとはまた別なんだろうなぁ〜。ハルの手を引いてナナは女湯ののれんをくぐって中に入っていったよ。
「それじゃー、アキー!オレたちも行くかー?」
「そうだね、リオ。ボクたちも楽しもうか!レオも行くよ〜!」
「おう!大きな温泉も良さそうだよなぁ〜!」
男湯にはボクとリオ、そしてレオが入るよ。レオはこの世界ではボクが作った人形に入ってるんだけど、ちゃんと感覚もあるし裸になっても人とまったく見分けがつかないようになってるんだ。
今日は町民だけの招待だけど、脱衣所はそれなりに混んでいた。
ロッカーのカギのかけ方とかも紙に描いておいたので、最初は戸惑っていたけどもちゃんとカギをかけていたよ。
そして服を脱いでボクたちは大浴場へやって来た!完成直後はお湯をいれてなかったし飾り付けとかもしてなかったから殺風景だったけど、今はお湯張りもされて湯煙で見通しがいい感じで悪くなってるよ。
「おー!これは広いなー!いっぱい入るところがあるぞー!」
「リオ。いつも言ってるけど、まずはかけ湯してから行こうね〜」
「おう!ここでやるんだなー」
みんなでかけ湯をして、近くの湯船にみんなで入ったんだ。
「あぁ〜!この開放感が最高だぁ〜〜!!」
「アキは本当に温泉が好きなんだなぁ〜。すげえ笑顔だぜ···」
「だって〜、こんなに気持ちいいんだよ?ストレスなんか吹っ飛んじゃうよね〜」
「まぁ、確かに気持ちはいいな。人形に入ってるけど、気持ちよさは分かるしな」
「勢いで作っちゃった人形だけど、本当に生きてるのと変わらないもんね。改めて『万能物質インゴット』って超チートだわ」
「だからこそ悪用しないって確実に創生神が言える神にしか授与しない物質だからな」
「ボク、そんなに信用されてるの?」
「ああ」
「信用してるのはありがたいけど···、不良債権の世界の管理を押し付けてくるのは勘弁してほしいんだけどなぁ〜」
「あ〜、それはオレも勘弁だな···」
そんなたわいもない話を温泉に入りながらするのも楽しいものだよ。ちょっとグチになっちゃってるけどさ···。
体を温めてから、次は露天風呂に行った。ここからはアクロに温泉を供給してくれるシルカ山が見えるんだ。絶景なんだよね〜。
そして露天風呂に入ると、リオとレオがある事に気付いたんだ。
「なー、アキー?」
「ん?どうしたの、リオ?」
「なんでそこの壁の上にあんなものがあるんだー?」
「えらい物騒なものがついてるじゃねえかよ···?」
「え?レオ、物騒ってあれのこと?」
その壁は男湯と女湯の仕切り壁なんだけど、4m以上の高さの壁の頂上にはねずみ返しのような返しがついており、その先端は刃物だった。
さらには見張り小屋があって、窓には大砲がついているんだ。この大砲は魔道具で、不届き者がいたら自動で発射する仕組みだ。
「あ〜、これぐらい当然でしょ?ちゃんと注意書きも入口でしてるからね。むしろ、気にする方がおかしいって」
「そ、そうだなー」
「この状況で覗こうなんて思わ···、いやかいくぐりたいってバカな挑戦するヤツが出かねんぞ···?」
「出たら出たでお仕置きあるからね。···そこまでは一般公開してないけど、秘密の地下室があるから、そこでお仕置きするけどね」
「···アキの考えが怖いぞー」
「いやまぁ、覗きだなんて行為自体が救いようがねえんだけどな···。当然の報いになるのか···?」
「もう〜!そんな事考えるのは禁止禁止〜!せっかくこんなにきれいな景色が見えるんだから、景色も露天風呂も楽しもうよ〜!」
「お、おう···」
「そ、そうだな···。バカな事しなきゃ···、っておい!?アイツ!!」
そんな話をしていたその時だった!おバカさん1匹が壁をよじ登ろうとしたんだ!
次の瞬間!!
ドズーーーン!!
「げひゃ!?」
見張り小屋から魔力大砲が発射されて不届者は見事に撃ち落とされた!ちなみに玉はサッカーボール大のゴムっぽい玉だよ。···なんだか昔のバラエティー番組みたいだなぁ〜。
カンカンカンカン!
そして警報の鐘が鳴ってすぐに2人の不気味な仮面をつけた係員がやってきて、両手と両足をサッと縛り上げて連行していった···。まさか目の前でやっちゃうヤツが出るなんて···。ほかに入っていた人たちも困惑顔だったよ···。
その後、その不届者の姿を見たものは誰もいなかった···。いや、確かに『死刑です』ってマナーに書いちゃったけどさ?
お仕置き部屋に連れて行かれたと思うけど、そこまで確認はできなかったしね。
その後は蒸し湯や打たせ湯、そして寝湯も楽しんだ。ボクは蒸し湯は苦手だからちょっとだけ入ったけど、リオは一番のお気に入りになったようだ。
こうして無事プレオープンを終えて、アクロは新たな施設を揃えて観光客や行商人一行を出迎えることになったんだ。
その2年後、ボクが王都の研究発表会で温泉の発表をした直後から受け入れ限度を超える女性がわんさか訪れちゃったんだ···。
宿は常時満室となり、あふれた人たちは日帰り温泉の雑魚寝部屋を埋め尽くし、通路で寝てもらう始末にしばらくなっちゃったんだ···。
ボクのせいで観光公害になっちゃったのか···?
アクロ温泉街発展計画 完
『やっちゃダメ!』って言うと、やってみたくなってしまう人が少なからずいます。
まぁ、それが犯罪でしたら非常にマズイんですけどね。禁止してる理由がわかんないと破りたくなっちゃうんでしょう。
ちなみに今回の覗き犯ですが、実はエキストラさんです。お話中では明かされませんでしたが、デモンストレーションなんですね。
言い換えれば『見せしめ』と『制圧力を見せつける』ためでした。こうすることでやる不届者はいなくなるでしょうしね。
しかし覗きといえば女湯を覗く事なんですけど、逆って見たことないですよね?···マンガだったら男湯覗くシーンの絵面がひどいことになりそうだし、読者様からのクレームの嵐になっちゃうんでしょうね(笑)。
この後、夜にネタバレ集を投稿します。お楽しみに〜!




