アクロ温泉街発展計画-6.建設業者と打ち合わせ
「へぇ~!これはなかなか面白そうじゃないのよ!話があった時にすぐ飛びついて良かったわ!」
「そう言ってもらえると嬉しいですね」
「アキさんってユニークな発想するわね〜!これはうちとしても職人たちにいい経験させてあげれるわ」
王都からやって来た業者さんは、なんと王室御用達の業者さんで、ナツの店のリフォームをやってくれたところだったんだ。
公共工事って事で国から支援もあったからね。国として信用できる業者さんが派遣されたってわけだ。
今、ボクは門の内側にある詰所の会議室で打ち合わせをしてるんだ。どこをどのようにやるか?って話だね。
「先ほど見てもらったと思いますけどね、あそこが『駅』になります。今、うちの知り合い一家が土木工事を先行してやってますので、あとはインターロッキング敷設と屋根の設置、そして厩舎の建設と駐車場の整備ですね」
「『駅』ねぇ~。これは王都でもあると便利よね〜!」
「そうですね。門の前には広場しかないですしね」
「あそこは昔からそういった取引をするために昔の王が整備した場所なのよ。市場の名残ね」
「へぇ~!そんな歴史があったんですね〜!うちはそこまで大きくないので、荷役専用は設けてないですね。でも、規模が大きくなったら物流センターを用意する必要が出てくるかも···」
「物流センター?」
「ええ。倉庫なんですけど、貯蔵目的じゃなくて行き先別に荷物をさばいたりする専門の倉庫なんですよ。例えば王都からここまで運んで、ここでピムエム皇国行の荷馬車に積み替えるとかですかね」
「···そんな考えはなかったわね」
「でしょうね。直送が基本ですしね。でも、こういう方法も可能なんですよ」
「なるほどね。このあたりは戻ったら女王様にも伝えておくわ。あとは町中ね!」
「町中は門の近い場所に荷馬車のきっぷ販売所と待合室の建設、門の窓口の増設、そして土産物屋さんの前の道の拡幅、あとは日帰り温泉施設ですね」
「とにかく人の流れをスムーズにする目的ね!わかったわ。あとはここの建設業者さんと分担の調整やって···。忙しくなりそうね!」
「無理ないようお願いしますね。ここは温泉街なので、疲れを癒やしやすいですし、温泉も楽しんで下さいね」
「そうさせてもらうわね!」
ここから先は後からやって来た町長さんに引き継いで、ボクは退出したんだ。
そして駅の建設予定地の立会を再開した。開拓作業はほぼ終了して今は根っこの取り除き作業、そしてリナちゃんとコルくんが切り株が抜けて穴ボコだらけの土地の整地作業を行なっていた。
リナのお子さんたちは後片付け中だ。切った木を積み上げ···、翼使って飛べちゃうから高さがすごいわ···。5mぐらい積んじゃってるね。
その横に大量の切り株があった。これも端材だけど十分材料になるので置いておくよ。
「アキパパ!こんなかんじでいいかしら?」
「うん!リナ、いいかんじの仕上がりだよ。あとは···、ちょっとだけ傾斜をつけておくんだ」
「え?平らじゃダメなの?」
「平らだと雨降ったら水の逃げ場がなくなって水たまりができちゃうからね。ちょっとだけ傾いていればそこに水が流れるんだ。排水溝も設置する溝は···、ここのまっすぐにしておこうか。道の真ん中に向けてればのりばには水が流れ込まないね」
「なるほどね!その溝は後で掘るわ!」
土木工事はもうちょっとで完成かな?エーレタニアには建設機械なんてないけど、その代わりに魔法があるからね。ペース的には魔法の方が速いような気もするけど···。
うちの周りには魔力量が多い人ばかりだからなぁ〜。比べる方がおかしいもんね。
「みんなお疲れ様!今日はボクの家で食べて帰ってね!」
「「「「わーーーい!!」」」」
ははは!リナのお子さんたちは大はしゃぎだったよ。食べ盛りだからたくさん食べるんだよ。
ちなみに今日はハルが魔獣退治と同時にお肉も仕入れてくれるんだ。だから今日はバーベキューだね。···何の魔獣のお肉かはハルが帰ってきた時のお楽しみだけどね。
そしてボクがリナ一家を連れて家に帰ると、ちょうどハルとナナも帰ってきたよ。
そしてボクとハルがバーベキューの準備をやってる間はリナ一家はリオの家で温泉に入って汗を流してもらったんだ。
「さあ!今日はお疲れ様!みんな!どんどん焼くからいっぱい食べてね〜!かんぱ〜い!」
「「「「かんぱ〜い!!」」」」
さあ!どんどんお肉を焼くよ〜!串焼きがいいんだろうけど、串に刺す時間がなかったので、鉄板敷いて焼肉パーティーにしたんだよ。
ちなみに今日ハルが狩ってきた魔獣は街道付近に生息していた魔獣で、おバカ鳥、デスアリゲーター、猛烈牛、猛進豚だったよ。どれも食べれるお肉が多いのでありがたいね。
どんどんお肉を焼くんだけど、リナのお子さんたちは焼きたてのお肉をどんどん食べていった。食欲旺盛だなぁ〜!今日はあれだけ働いてもらったからね。報酬としては破格なものだよ。
そして用意していたお肉はすべて食べ尽くされてしまったよ···。軽く50人前ぐらいあったんだけどね。
「みんな!おなかいっぱいになったかな〜?」
「「「「ごちそうさまでした〜!」」」」
みんな満足してくれて良かったよ!ボクも満足顔でお見送りして片付けようとしたら···、そうは問屋が卸さなかった!!
「よーし!じゃー、食後のデザートを作っておいたから、これ食べてから帰れよー!」
「「「「···えっ!?」」」」
リオ···。みんないい気分で帰ろうとしてるところに水差さないでよ···。リオが無限収納カバンから出してきたのは···!?
「どーだー!きれいなパフェだぞー!今まで作った中で一番の出来だぞー!」
「「「「············」」」」
リオが満面の笑みで出したのはパフェだった。しかし!みんなそのパフェを見た途端に表情が凍りついた!!
そのパフェは···、確かにきれいだったよ。透き通る青色だったんだよ。ブルーハワイやソーダって言ったらいいかな?飲めるかわかんないけど···。
問題は上に乗ってるものだ···。赤黒くうごめくナニカが乗っかっており、さらにその上にはドギツい紫色のソフトクリームっぽいナニカが乗ってたんだ···。
いやホント、なんでいつもリオが調理するとこうなるんだ···?
凍りついた中、クーちゃんがボソッっとつぶやいたよ。
「じーじ。もうおなかいっぱい。じーじがたべて」
「えー?確かにみんな満腹そうだなー。じゃー仕方ないから食べるぞー。んぐんぐ···」
クーちゃんがやんわりと断ったのはいいんだけど···、リオが食べることになったので食べちゃったんだ。すると···?
「···んぐっ!?ゲホッ!ゲホッ!!あーーー!!舌を噛まれたーーー!?」
···どうやら赤黒いナニカが反撃したようだった。うずくまって痛みをこらえるリオをほったらかしにして···、
「アキパパ!ごちそうさま!また手伝えることあったら呼んでね〜!」
「「「「アキじーちゃん!ごちそうさまでした〜!」」」」
そう言ってリナ一家は仲良く家路につきました。···リオは相当痛かったようで、しばらくジタバタしてから回復魔法かけてしょんぼりしちゃってました。
魔法は非常に便利なものなんですが、最大のデメリットは『個人差が極端過ぎる』なんですね。
アキくんの周りには人外クラスで魔力量が多いために、威力や規模はとんでもないことになっています。
ですので土木工事もあっという間に終わっちゃいました(笑)。投稿した現在は年度末が迫っていて、工事ラッシュの時期でもあります。雪国は積雪の関係で年度明けから夏頃がピークのようですね。
工期短縮には人や機材を多く入れたらいいのですが、多すぎると作業スペースが確保できません。
今回はリナちゃん一家9人だけなので1人あたりのスペースが大きく、お互いの作業に支障はありませんでした。
さて次回予告ですが、リオくんがドリル魔法で温泉掘削に挑みます!果たしてうまく掘って温泉は出るのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




