アクロ温泉街発展計画-5.駅予定地開拓中ですよ〜!
本日は急遽夜勤になりましたので朝に投稿しています。
グロー歴524年6月21日 晴れ
「うわぁ〜!すっごく広くなっちゃったね」
「よし!水鉄砲の切れ味もバツグンだな!」
「あたしのフレアバーナー、こんな使い方あるなんてね〜!」
「···枝切り落とし完了」
「ほいっと!!これぐらいの大木の根っこだったらヴィーだけで十分ね〜!」
「いいうんどうになる」
「スウにい!カークにい!ルメねえ!どんどんきって〜!どんどんはこぶぞ〜!」
駅予定地は順調に開拓が進んでいた。作業したのはリナのお子さん7人だ。
スウくん、カークくん、ルメちゃんが魔法で木を切り倒していた。そして枝打ちをネリヤちゃんが行い、根っこを掘り起こすのを怪力のヴィーちゃんがやり、切った木をクーちゃんとセイくんが運んでいた。
両親であるコルくんとリナちゃんは監督だ。そして子どもたちが掘った土地を土魔法で突き固めをしていたんだ。この突き固めた土の上にインターロッキングっぽい石畳を敷設するんだ。一家総出で土木工事をやっちゃったんだよね。
もちろん安全には十分配慮してるよ。ボクも含めてみんなちゃんと『ヘルメット』を着用してるんだ。
材質は···、バレるとマズイんだけど、ボクが副業の神様やって貯まったGPを使った特別製だ。言い換えると『異世界の神器』ってわけだね。
例え大きなビルが倒れてもヘルメットだけは壊れない強度があるんだよ。こりゃ一般流通させられんよね···。
「アキパパ!この『へるめっと?』っていいわね〜!軽くて丈夫だしね!わたしたちのツノが当たるかな?って思ったけど違和感ないわ!」
「ぼくたちは竜気と身体強化魔法があるのでそう簡単に傷つかないんですけど、お気持ちはありがたいですよ」
「リナとコルくんが気に入ってくれて良かったよ。その部分はちょっと気合い入れたからね〜!」
そう、人型のドラゴン族は頭の左右にちょっとしたツノが生えてるんだ。これをヘルメット装着時にどうするか?ってのが問題だったんだ。
至った結論は『ツノの形だけヘルメットが突き出てればいいんじゃね?』って事だった。一応保護のヒモもあるけど、そこはツノが引っかからないよう位置を調整したよ。
そしてその位置は神狼族だと犬耳の位置なんだ。だからなりきりセットを装着中のボクもちゃんとかぶれるんだよ。
ちなみに駅の設計にはコルくんからアドバイスをもらった。コルくんは整調者になる前はお父さんと一緒に行商人の護衛をやってたから、馬車の動きについてはよく知ってたからね。
「アキさんの設計はすごいですね···。これなら荷下ろしや人の乗り降りもスムーズにいくと思いますよ」
コルくんからも評価をもらったよ。せっかく作るならいいものにしたいし、ここがこれからアクロの玄関口になるんだから、立派なものにしないとね!
さすがに空港のようにすべてを建物内に収容ってのはムリだけど、ちゃんと屋根つけるし待合室は門の近くに建設する予定だ。地方空港のようなシステムに近いかな?
建設作業をボクが立会で見ていたら、複数台の大きな荷馬車がやって来るのが見えた。おそらくは国の役人と建設業者さんかな?
荷馬車一行は建設現場の横を通り過ぎ、門の手前で止まった。なんかここを通り過ぎた時にみんな口をポカーンと開けてたけど···?
「リナ!ボクはさっきの荷馬車の人たちに用事があるからいったん離れるね!」
「わかったわ!それじゃあわたしたちも休憩しましょうか!」
「そうだね、リナ。じゃあみんな〜!休憩するよ〜!」
「「「「は〜〜い!」」」」
ボクは工事現場を離れて今到着した荷馬車に近づいた。
「こんにちは。皆さんは王都から来た業者さんですか?」
「ああ。ここでちょっとした公共工事をやるんだけど···、あなたは?」
「申し遅れました。ボクはアキと言います。アクロの計画の立案者なんですよ」
「ああ!あなたがね!女王様から聞いてますよ。私は役人のビラリと言います。そしてこちらが今回の業者の社長さんのディッカーさんです」
「こんにちは。あら!こんなかわいい人が立案者ですって?」
「え!?女性の社長さんだったんですか!?」
「どこか驚くところかしら?」
「···これは大変失礼いたしました。無礼をお詫びします」
「あはは!いいのよいいのよ!意外と女性が建設会社の社長って、イメージしない人が多いのはわかってるわ。でもね?身体強化魔法さえあれば力の差はないわよ?」
「おっしゃる通りですね。本当に申し訳ありませんでした」
「もういいわ。これからはビジネスパートナーだしね〜。うちとしては現地の工事業者と協力して、現地の業者の手が足りない場合の応援として動くことになってるの。あとでここの業者さんを教えてくれる?」
「もちろんです。ご配慮ありがとうございます。町長さんを通じて顔合わせさせていただきますね」
この社長さん、仕事できる人だわ!
こういった工事って、よその業者が出張ってくるとロクな事がないんだよ。『自分らの仕事を横取りされた!』ってナワバリ争いが発生しちゃうからね。
だからディッガーさんは『対応できない分をうちでやる』って一歩引いたところから協力しようって方針のようだね。こりゃすごい業者さんが来たものだわ···。
「ディッガーさん、よろしくお願いしますね。ボクはアキと申します」
「え···?アキさん?って、もしかしてリスタのシヴ湖のそばにある飲食店ってご存知?」
「ええ。娘のお店ですね」
「やっぱり!」
「え?娘の店をご存知で?」
「そりゃね〜。あそこはうちがリフォームとか修繕やってるんだもの」
「···え!?そうだったんですか!?」
「そうよ。棟梁からも話は聞いてるわ。わけのわからない機材がある不思議ハウスだってね〜」
「あ、あはは···」
そうか。この業者さんってうちのナツの飲食店のリフォームをやった、王室御用達の業者だったんだよ!棟梁さんとはよく話したけど、さすがに社長さんには会ったことなかったから気づかなかったよ···。社名聞いてないしね。
アキくんの夢の計画は、なんと一部が公共事業扱いになってしまいました(笑)!
王国としてもピムエム皇国に対しての見栄ってのもありますからね。物流拠点となるとヒトやモノが集まり、自然と税収増になりますので王国としても旨味があるんですよ。ちゃんとペイできる事業と見込んで事業化しちゃいました。
しかし、アキくんの計画は駅の建設以外はそれほど大規模なものではありません。駅も空港のようにすべて建物ではありませんからね。今あるものを最大限有効活用して投資金額を大幅に抑えました。ヘタにハコモノを作っちゃうと維持費が大きくなっちゃいますからね。
さて次回予告ですが、アキくんは建設業者さんに工事計画を説明します。うまいこと連携できるでしょうか?
そして土木工事を頑張ったリナちゃん一家にはアキくんが夕食をごちそうするぞ〜!しかし、食後にとある地獄が待ち受けて···?
それではお楽しみに〜!




