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神様の憂鬱-02 ここを『エーレタニア』とする!

 街中でナビくんが配ってた怪しいチラシに書かれたコードを、スマホで興味本位で読み込んでしまったがために、オレはなんと!神様になってしまった!!


 ···こうして文字にするとわけが分からないなぁ~。事実なんだけどな。


 ···これって、よくある異世界転生でもないし、転移···、になるのか?実質異世界へ拉致(・・・・・・)だけどな!神様公認の!


 はぁ~、仕方なくなってしまった神様だけど、ナビくんが言ってた『空家』と言われる、神が夜逃げした世界ってどんなんだ?



「じゃあ、早速エレくんに神になってもらう『空家』に案内するね~!」



 なんだか不動産会社の営業みたいな感じでオレはナビくんに連れて行かれた。内覧みたいなものだな。


 連れて行かれたって言っても徒歩じゃない!空を飛んで移動だ!


 ···もしかして、これがチラシにあった『移動手段』か?金かかってねぇなぁ~!


 そうして連れてこられたのが···、この星だった。



「···ナニコレ?」


「なにって、星だよ?見たことあるでしょ?」


「いや、あるけど『球』じゃないって、どういうことだってばよ!?一部が核までエグれてるじゃねーか!?」



 その星は球体の下側の4分の1がえぐり取られていたんだよ···。真っ赤に光る核が見えてるんだけど!?何やったらこんなことになるんだよ!?



「あぁ~、それね!前の神が、フザケて惑星を使ってビリヤード(・・・・・)やったんだよ。それで玉を打つ時にクシャミして力加減間違えちゃって、核まで見えるぐらいエグれちゃったんだよ~。それで放棄しちゃったんだよね~!」


「···星使ってビリヤードって、スケールでかいクセにしょうもないミスしやがったんだなぁ~。で?この星をオレが管理するの?」


「そうだね~!『新築』希望だったから、とりあえずこれを紹介したんだけどね!まだ生き物が誕生前だから好きにできるよ~!」


「星を直せないのか?」


「ムリダナ!必要なGPゴッドポイントが多すぎるけど?」


「···そう言えばポイント制だったな。ダメだこりゃ!次行ってみよう!」


「次かい?う〜ん···。じゃあ、あそこの空家はどうかな?」



「ここは?まともそうだけど?」


「ここはね~、前の神が『別の神が作った世界が気に入った!お前のものはオレのもの!』って放棄しちゃって、よその神が作った世界にあちこち侵攻(・・・・・・)しちゃって、乗っ取っちゃったんだよ~。それで絶滅しちゃった世界だね~」


「···なに?その某ガキ大将的発想の神は?まぁ、そんな神はもういないから放っておいて、かなりまともそうな世界だからここなら1から立て直してもいいけど?」


「ちょっとGPが足りないから苦労するよ?それでもいいのかな?」


「そのGPって、何やったら貯まるんだ?」


「世界の発展具合によって創造神から付与されるんだよ。ちゃんとエレくんの口座に振り込まれるからね!」


「口座って···。ホント、ファンタジー感ないなぁ〜」


「ちなみに口座は管理用パソコンと、エレくんのスマホで見れるよ~!」


「···ますますファンタジー感なくなったぞ」



 というわけでスマホを見ると、見知らぬアプリがインストールされてたぞ。



 『神様銀行(神の力の核)』



 ···安直すぎなくね?ネーミングセンスないわぁ~!まぁ、いいか。どれどれ···。オレはトップ画面を見たら、『10000GP』と表示があった。···利息はつくのか?


 ···これって多いのか少ないのか、基準がわからん!



「ナビくん?10000GPって多いの?」


「平均は50万GPだからね〜」


「たった2%かよ!?ムリダナ〜!」


「まぁ、新築だとそれぐらいないと厳しいけど、この空家だったら『居抜き物件(家具や調理機材などがそのままの状態で出ていった物件の事)』だから、基礎的なものは揃ってるしヘーきヘーき!」



 ···まぁ、ここでいいか。


 そして、この世界がのちのちとんでもない事故物件(・・・・)だったって判明するんだよ···。



 まずはこの空間のカスタマイズからだな!いい仕事をするためにはいい環境でないといけない!



「ナビくん?この空間はオレの好きにさせてもらっていいの?」


「いいよ~!管理用パソコンと机とイスとかはサービスするから、希望言って!」


「まずはモニターは曲面付き2面で42インチの大きさがいいな。テーブルは横に広い方がいい。イスはもちろん、ゲーミングチェアで!」


「お〜!結構贅沢だね~!あと、応接セットも付けれるけど?」


「だったらそれも!ふかふかなソファがいいな!それと、冷蔵庫とレンジも欲しいな〜!あとはベッドだな!マットレスはエ〇ウィ◯ヴかテ◯ピュ◯ルで!」


「そこまでならサービスできるね!···はーい!これでどう?」


「素晴らしい!オレの希望通りじゃないか!?」


「気に入ってもらえてよかったよ~!さあ、世界を立て直そうね~!」



 ここまで至れり尽くせりしてもらったんだ!本気で立て直してやるぞー!


 まずは現地調査だ。知らないところに乗り込むんだ。しっかりやらないと、あとで痛い目をみるからな。



 星の大きさは地球とほぼ同じね。ただ、1年が420日あったな。太陽が大きいから公転周期が長いんだなぁ~。


 月も結構大きいな。これって潮の満ち干きがきつくね?船関係は大変だろうなぁ~。


 さて、続いては地上とかの調査だ。地球と同じく海が圧倒的に広いな。


 生物は絶滅してるな···。まぁ、古代文明って事になるのか?建物とかは一部残ってはいるがな。まぁ、オレが創造する生物が繁栄する頃には朽ちてるだろ。


 こんなところかな?まぁ、図面のない建物や他人が作ったプログラムみたいに『わけわからん!』や、いわゆる時限爆弾(・・・・)を抱えてるってことはなさそうだ。ナビくんの言った通り、現代でいう居抜き物件だから、かなりオレがやるカスタマイズの自由度は高そうだ!



「ナビくん!オレはここをこれから立て直すぞ!立派な世界にしてやるぞ!」


「その意気だよ!エレくん!そうそう、神が就任したら世界に名前を付けなくちゃいけないんだよ。エレくんがいた世界だと、家の表札(・・・・)みたいなものだよ。何にする?」


「世界の名前か···。まぁ、普通にオレの名前を付けた方がいいんだろうな。···う~ん、じゃあ、『エーレタニア』にするか!なんかかっこよさそうだ!」


「いいね~!なかなかセンスあると思うよ~!じゃあ、ここを『エーレタニア』とする!」



 ナビくんが宣言すると、管理用PCに映っていた世界が明るくなった!まさに神の祝福だな!オレが祝福したんだけどな。


 こうして、オレは正真正銘エーレタニアの神となり、この世界を発展させるのに奮闘するのだった。

 異世界エーレタニアが誕生した瞬間でした!って言っても中古物件なんですけどね。前の文明が身勝手な神様のせいで滅びてますので、前の世界の名前なんて誰も知りませんし、ナビくんも知りませんからね。

 実際の賃貸物件の内覧もそうですが、基本的にオーナーでない不動産業者の営業は建物の詳しいところまでは知りません。詳しいことを聞いてもシステム上で表示されている情報以外については即答ができないんですよね。だから内覧をしてもすべての情報を把握することはできませんし、『知られたくない情報』を開示することもありません。

 ここの情報を提供できる不動産屋さんは信用できると思いますよ。特に地元の不動産屋さんはオーナーとの距離が近いし、信用なかったら潰れてしまうので、大手の仲介業者よりは信用できる情報が多いですね~。

 そういう意味ではナビくんはフツーの不動産仲介業者と変わらないですね(笑)!


 さて次回予告ですが、エレくんは本格的にエーレタニアのリフォームに着手します。

 ゲームっぽかったので『リセットできる!』と思い込んで後先考えずに大胆に開発をしてしまうと···?


 それでは次回をお楽しみに~!

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