ナツ編-24 フー、神界捜査官に挑む!
今日は納沙布岬にスタンプラリーに行き、根室の名物料理エスカロップを食べました〜。
今回のお話で番外編はいったん完結とさせていただきます。ここまでお読みいただき、ありがとうございました!明日朝からは続編が始まりますよ~!
「なんで練習試合でこんなにギャラリーがいるのさ···?」
「まぁ、うちの家系の伝統みたいなもんさ。気にすんな」
今日はフーがグローと練習試合という名のガチンコ勝負をする。
グローはうちの家族だけだと思ってやってきたら、思いの外ギャラリーがいてビックリしてたな。
どうしてこうなったか?と言うと、事の顛末をあいつはちーむッス!でアキさんやフユに伝えたんだ。そうしたら···、ハルさんとレオさんから
『···面白いね。私も相手してもらいたい』
『神界捜査官に挑むのかよ···。フーちゃんは怖いもの知らずだなぁ~。まぁ、オレもやってみたいな!』
と言い出し、さらにフユとモンドも
『おれも挑戦していいかな!?日頃の鍛練の成果を思う存分発揮したい!』
『おれもやりたいぜ!もうワクワクして寝られねえぞ〜!』
だそうだ。
さらにリオさんとコル一家全員、さらに新旧整調者全員も観戦するって言い出しやがった!
集まったギャラリーはフー除いて26人。アキさんとあいつは弁当持参だ。そんなに長くやるのかよ!?
今回の集合場所は王都の外にある、俺とエイルの農園だ。フーが本気出したら王都なんて簡単に壊滅しちまうかもしれないから、グローが別の空間を用意してくれたわ。この空間はエーレタニアの世界の中という扱いらしいので、『龍脈にもアクセスできそう!』って発言から、フーはフルパワーを出せるってわけだ。
さて前置きはこれぐらいにして、フーとグローは向かい合っていた。フーはいつも以上に笑顔だ。やる気まんまんだな。
「みんな飲み物も行き渡って準備いいみたいだね〜!じゃあ、始めようか〜!」
「はぁ···。まぁいいぞ。どこからでもかかってこい」
「うん!じゃあ···、はぁっ!!」
フーはいきなりトランスした!さらにもう一段階変身して、フーの目は金色に輝き、紋様も淡く光っていた!
「これは···!?龍脈と一体化しただと!?バカな!?」
「ふぅ~。よ〜し!絶好調!じゃあ、いくよ!!」
「くっ!?」
もうここからは何やってるのかさっぱりわからんかった。ついてこれてるのは観戦のためだけにトランス状態になってる神狼族5人だけだ。
一応、アキさんとリオさんは変身して強固なバリアを張ってくれてるんだが···。
「リオ!さっきのはヤバかった〜」
『とんでもねえ威力だなー!フルパワーでバリア張っててギリギリだぞー!』
「フーちゃん、本当に本気出してるんだなぁ〜。手加減しようとしてないから、もう少し下がろうか?」
『そうだなー!』
そうして戦うこと10分、やっとフーとグローの姿が見えた。どっちもかなりダメージを負ってるのか、服がボロボロになりかけてた。
「はあっ、はあっ!グローくん、スゴイね〜!フー、今までで1番た〜のし~!」
「はあっ、はあっ!と、とんでもないパワーだ!数多の世界を見てきたけど、星の魔力である龍脈と連結した種族なんていなかったぞ!?」
「えへへ~!フーのご先祖様のレオさんに教えてもらったからね~。こんなに本気で暴れたのって初めてで超気持ちいい〜!ありがと!グローくん!」
「あ、ああ···」
「じゃあ、ちょっと休憩してもらったら次はおれが相手してもらいますね!」
次はフユがやるようだぜ。やる気まんまんだな。モンドも目がキラキラしてるしな。
「それでは···、はあっ!!」
フユももう一段階変身したな。ここから先はフーと一緒だ。もうさっぱりわからんかったわ。
ただ、フユは魔力剣を使っていて、グローも同様の魔力剣で相手していた。
「はあっ、はあっ!この状態で耐えられるなんて!やっぱり神様の遣いはお強いですね!」
「はあっ、はあっ!って、キミたちみたいにボクと互角以上に戦えるなんて、これまでいなかったぞ!?どうなってるんだ!?このエーレタニアは!?」
まぁ、あのエレがガチでちーと性能?ってヤツを高めたのが本来の神狼族らしいからな。レオさんのおかげでそれが解放されちまったからこんなとんでもない事になってるんだろうけどな。
さらに続いてナツが、次にハルさんが、その次はモンドがやり合った。みんな終わった時はものすごく嬉しそうな顔になってたのは言うまでもないよな?戦闘種族だしな。
最後は超ちーと級?のレオさんがやってた。完全に圧倒してしまってたわ。神を超える実力なのかよ···。
「ふぅ~!いやぁ〜、いい運動したぜ!」
「はあっ、はあっ!し、信じられん···。ここまで強い種族がいるとは···。捜査官に欲しいぐらいだ···」
まぁ、そうなるわな。すると、レオさんからこんな話が出た。
「残念だが、それはムリな相談だぜ。これはこの星の龍脈に連結することで初めてできるんだ。他の世界だと連結は不可能だからな。このエーレタニア限定だぜ?それに、オレは実体化してるけど、本来はアキのナビだからな」
「ナ、ナビがここまでの実力があるだと!?創世神は何考えてるんだ!?」
「···何も考えてないと思うぞ?」
「そんな気がしてきた···」
という事で、今回の練習試合は幕を閉じた。見に来た観客たちも呆然として、理解不能な様子だわ。俺もそうだし···。
唯一、アキさんとリオさんは変身してバリア張ってて緊張の連続だったようで、ぐったりしてたわ。龍脈関係なしで対応できるのも凄まじいが···。
練習試合は終わったぜ。えっ!?もっと細かい描写はないのか!?だって?何も状況が見えないのにこれ以上どうしろってんだよ···。
フーもあいつも含めて神狼族全員とても楽しそうな顔をしてやがるぜ。まぁ、こんなに全力でやり合うことなんて、普段だったら絶対にできないからな。
「グローくん!今日は練習試合に付き合ってくれて、ありがと〜!」
「あ、ああ···。ボク自身も勉強になったよ」
「グローさん、ありがとうございました。この世界にはもう来られないんですか?」
「え〜っと···、フユって言ったか?基本的には神による重大犯罪がない限り、神界捜査官はその世界にはやって来ない。···だから、おそらくは今回限りだろう」
「そうですか···。こんなに全力でやり合える人っていなかったので、寂しいですね···」
「何勘違いしてるんだ?ボクは仕事で来ているし、今回は神の滞在許可期限に余裕があったから付き合っただけだぞ?それに、キミたちの相手をしに来たわけじゃないんだからな!」
「あぁ、これは失礼でしたね。ごめんなさい」
「ったく···。まぁ、この世界の神が許可したら、また来るかもしれないけどな」
「じゃあ、フーがお願いしておくね〜!」
「おれもエレさんにお願いしておきますよ。いつでもお越しくださいね!」
「やれやれ···。仕事以上に疲れるなぁ〜」
そう言ってグローはこの世界から帰っていった。捜査官なんだから、来たら何か犯罪があるんだろうけど、フユがエレにお願いしたら許可なんてすぐに出すんだろうなぁ〜。
一方、エレの家では···。
「エレくん?フユくんから先日の神界捜査官がまた来たら、すぐに滞在許可出して欲しいってメールが来たよ~」
「承認!!」
「もう〜!エレくんはフユくんに甘すぎるよ!特別扱いしちゃダメだよ!」
「違うぞ?捜査官がいつでも捜査できるというのはとても大事な事だ。だからだよ」
「もう〜、いかにも正当な理由を言っちゃって!···でも、エレくんも悪さできなくなっちゃったからね〜」
「だからオレは何もしてないって言ってるやろが!?」
···ハァハァ、ま、まさか神界捜査官が来てたなんて!?もしかしてボクチンを捕まえに来たかと思ったよ···。
でも、帰ったって事はボクチンじゃあなかったって事だね!
なら、これからもナツたんとフーたんに笑顔で思いっきりののしってもらおう!た・の・し・みぃ〜!ハァハァ···。
龍脈の力を使うフーちゃんたち神狼族と神界捜査官のグローくんの戦闘は次元が違ってました。もう某龍の玉のような状況ですね(笑)。
今の神狼族に本気で立ち向かえる存在はそうそういません。そのために全力全開で試合ができたことでみんな満足でした。
最後の最後にすとーかーさんの正体がちょっぴりバレましたね。フツーの人ではないのはちょいちょい出てましたけどね。
今回のネタはアキくんの『手加減しようとしてないから、もう少し下がろうか?』ですね。こちらの元ネタは富樫義博先生の『幽遊白書』の暗黒武術会において、本気を出した鴉の攻撃に戸愚呂弟が『手加減しそうもないな···。もう少し下がったほうがいい』と言うセリフからです。
今話をもちまして番外編はいったん完結とさせていただきます。現時点で全115話と、当初考えていた量をはるかに超える文量になりましたね。またネタができたら投稿しようと思いますので、それまでしばらくお待ち下さい。現時点ではピムエム皇国のお話をちょびっとだけ書いてるので、書き終わったら投稿するつもりです。ロマサガ2Rをプレイして書いてみたんですけど、続編開始に間に合いませんでした···。
明日より続編
『アキの異世界旅行記2 ~トラブルにまた巻き込まれて···もううんざりしてます~』
を投稿開始します!アキくんたちの新たなトラブルをお楽しみいただけると幸いです。
まずはプロローグです。本編と番外編をかなり圧縮してこれまでのあらすじを書いてみました。続編から読まれる方もいらっしゃいますのでね。
明日と明後日は土日なので朝と夜に1話ずつ投稿します。
それではお楽しみに〜!