リナ編-03 おじが来たわ!
今日から7話連続でリナちゃん編後編をお届けしますよ~。3連休中まで続きますよ~!
7人も子育てを初めてもう8年が経ったわ。ホント、あっという間ね〜!
一番下のセイも十分に魔法を制御できるようになったし、留守番もできるようになったので、最近はコルと一緒に本格的に冒険者業を再開したのよ。
それまでも、セイが物心ついたあたりから少しだけやってたのよ。ただし、パパとママが仕事ない時限定だけどね〜。
ママは慣れているから快く面倒見てくれたけど、パパはいつも嫌そうな顔をしていたのよ。
『毎度毎度、なんでオレがおもちゃにされてるんだー!?いい加減にしろー!』
って、わたしにいつも怒ってくるけど、ママによると孫の相手をする時はまったく怒らないらしいわ。文句いう割には楽しんでるんじゃないのかしらね?
そんなパパも、子どもたちの魔法の訓練には休みの日なら必ず付き合ってくれるわ。やっぱりわたしやコルが教えるよりもはるかに上手だから、子どもたちもパパが訓練してくれる日は前の日から楽しみにしてるわよ。
さて、そんな幸せな日々が続いてる中、とある事件が起きちゃったのよね〜。
「お〜!ここがアクロという町かー!」
「ギア兄さん!そんな大声出したらダメだって!思いっきり見られてるよ!」
「でもジン兄?俺たちってドラゴン族だからここまでも思いっきり見られてたけど、ここの人たちってそこまでじゃないね。みんなリオを知ってるから見慣れてるのかなぁ〜」
「ティガ、そうかもなー!じゃー、リオの家を探すぞー!そこにいる第一町人さんに聞いてみるかー!すいませーん!ここにドラゴン族が住んでると思うけど、どこだー!?」
「えっ?ドラゴン族ってリオさんとことコルさんがいるけど···?」
「へっ!?コルって誰だー?」
「赤竜の方だよ。白銀竜のリナさんと9人家族の仲よし夫婦さんだよ」
「···え〜〜!?リナちゃん、け、結婚してお子さんいるのぉー?」
「じゃあ、リオはおじいちゃんになってるって事だよね!?」
「マジかぁ〜!あのかわいいリナちゃんが結婚しちゃってたなんて···」
「と、とりあえずリオの家に行くぞー!すいませーん!リオの家ってどこだー!?オレたちはリオの兄貴なんだけどなー」
「この先を左に行ったら別荘街があって、そこの南端にあるよ」
「ありがとなー!」
そう、レジストの集落からギアさん、ジンさん、ティガさんがやって来たのよ。
まずはパパのところに向かったら、誰もいなかったのよね。今日は平日だからパパは昼前に学園へ行っちゃったし、ママもハルママと一緒にお仕事行ってるからね。
「ここで間違いなさそうだけど、誰もいないなー」
「どうする、ギア兄さん?ここで待つ?」
「じゃあジン兄、リナちゃんの家に行ってみようよ〜。久々にかわいいリナちゃんに会いたいよ〜」
「ティガの言うとおりだなー!じゃあ行くぞー!」
ってな事らしくてうちに来ちゃったのよね···。
「ごめんくださーい!って言うんだったっけなー?」
わたしはあんまり聞いたことのない声が玄関からしたので、『はて?誰かしら?』と思って玄関のドアを開けたのよ。そしたらゴツい格好のドラゴン族が3人いたのよ!
「えっ!?ど、どちら様かしら!?」
「えー!?リナちゃんー!?あんなに小さかったのにー!?」
「こんにちは。覚えてないかな?リオの兄のジンだよ。こっちはギア兄さん、こっちはティガね」
「えっ!?そうだったのね!···あ〜、そうか。昔行った時はみんな竜モードだったから気づかなかったわ」
「あ〜!そういう事ね〜。オレたちってこの姿になる事が普段はあんまりないからね〜」
「え〜っと、皆さんはどうしてここに?」
「リオに用事があって来たんだけどなー?教えてもらった家に行ったら誰もいなかったんだー」
「あぁ〜。今日はパパは学園に講師で行ってるし、ママはハルママと一緒に冒険者のお仕事に行ってるから、夕方まで帰ってこないわよ」
「···えっ!?リオって講師なんてやってるの!?」
「そうよ、ジンさん。って、パパは連絡なんてしてなかったから知らないか〜」
「ここに来た時にリナちゃんが結婚してるって初めて聞いたぞー!」
「あ〜、パパはその事も伝えてなかったのね···。そうよ、ギアさん。まぁ、立ち話もなんだから上がって下さいね」
「お言葉に甘えるぞー!」
というわけで来ちゃったのよ。まぁ、夕方まで時間あるから子どもたちの相手をしてもらいましょうかね〜!
うちに入ったギアさん、ジンさん、ティガさん。まずはコルにあいさつしてから子どもたちを紹介したわ。
「リナちゃん、7人もお子さんがいるってすげーなー!」
「あはは!コルと仲がいいからよ。みんな元気で嬉しいわ!」
そして3人には昼食をごちそうして、子どもたちの···、おもちゃになってもらったわ。
「イダダダダーーー!こらーー!思いっきり掴むなー!竜気貫通するなんて、なんて力だーー!?」
「パパやママやじーじいがいのドラゴンぞくのひとってつよい。ほんきでやっとこうげきがつうじた」
「ちょっとクーねえ!つぎはぼくがあいてしてもらうんだから!え〜っと···、おおおじさん!つぎはぼくをあいてしてー!」
ギアさんはクーとセイを相手してもらってるの。この子たちって力が非常に強いからギアさんでも苦労してるわね···。
一方、ジンさんはネリヤとヴィーの相手をしてもらっていたのよ。
「えいっ!やあっ!う〜ん、···防御が固い」
「う〜ん!身体強化してやっとこさね~!」
「ははは。ネリヤちゃんはリオと同じ魔法系かな?ヴィーちゃんは力強いなぁ~!さっきのはちょっと痛かったよ」
ネリヤは最近パパに体術も教わってるからね。ジンさん相手に試していたわ。ヴィーも物理系だけど、クーとセイに比べてちゃんと力の制御ができつつあるから加減してるわね。
スウとカークとルメはティガさんに相手してもらっていた。
「はい!これがボクの得意な炎系の魔法なんだ〜」
「これがおれの得意な氷系魔法だぜ!」
「あたしは風系が得意だからこんな事できるのよ〜!」
「はぁ~、3人とも魔法が上手なんだなぁ〜。やっぱりリナちゃんのお子さんなんだなぁ~」
スウは炎で創った鳥を、カークは氷で創ったパパの顔を、ルメは氷系も込みでひんやりとした風をそよそよと吹かせていたわ。強風は簡単にできるのだけど、そよ風って魔法制御が非常にむずかしいのよね〜。
ギアさんたち3人で子どもたちの相手をしてもらっている間に、ちーむッス!でパパとママにギアさんたちが来ているって連絡しておいたわ。今日の帰りにうちへ寄ってくれるって連絡きたから、それまではわたしは楽できるわぁ~。
って!昼食の後片付けで忙しいんだけどね。
リナちゃんの一番上の3つ子が8歳、一番下のクーちゃんとセイくんは6歳になりました。いい子に育ってるようですが、ちょっとやんちゃですね!親戚に対して手加減なしで相手してもらってますよ(笑)!
レジストの集落からギアくんたち兄弟が登場しました!いつまでも集落に引きこもってるのもどうかな~?と思ってアクロまで来てもらいました。目的は次回に出てきますので、もう次回予告しておきましょう。
さて次回予告ですが、ギアくんたちの目的は『彼女を探す』でした!集落では彼女ができなかったので、4兄弟で唯一結婚しているリオくんに相談に来たんですね~。果たして彼女はできるのでしょうか!?そして、集落からご招待がやってきます!バトルロイヤルの予感が···。
明日から3連休ですね!もちろん本作も朝と夜に1話ずつ投稿します。お楽しみに~!