アキの神様生活-08 救援隊、出動!
先日に反撃でエレさんの世界をワールド・エクリプスでの乗っ取りが成功して数日後、その要請はいきなり来た!
『おい、アキ?エレのところのナビからGPの借用願が来てるぞ?どうする?』
「まぁ、あれだけ叩きのめして素っ裸状態で創世できないよね?」
『まぁな〜。稼ぐのも元手が絶対に必要だしな』
「よし。10万GP分用意しているって伝えて。利子なしって事も併せてね!」
『そのように伝えておくぜ!しかし···、あれだけキツイお仕置きをしておいて慈悲はあるんだな』
「『追い詰められたキツネはジャッカルより凶暴だ!』って元の世界でも(ゲームで)有名な言葉があるからね」
『···?よくわかんねぇけど、何だそれ?』
「ははは!気にしないで〜。あんまり追い詰めたらダメって事だよ」
まぁ、これは想定内だよ。どこまで巻き返してくるかはわからないけどね。もしかしたら、ボクの方から救援要請するかもしれないしね!
この読みは甘かった···。
その日は学園で授業があったんだ。そんな授業の最中にレオから連絡があった。『あと30分で終わるから』と言って保留してもらったよ。
そして休憩時間に事態を知ったんだ。
『エレのとこのナビから救援要請が来たぞ。なんでも、チート級の武器を持ち込まれて壊滅したんだってさ』
「あぁ~、やっぱ発展させてもGPが不足してるって侵略側にバレてんだなぁ〜。うちにはほとんどないのにね」
『うちはある程度のファイアーウォールを共同で張ってるからな。突破だけでも一苦労だろうしなぁ〜』
「でも、ボクはこの後も授業入っちゃってるから救援には向かえないなぁ〜。どうしよう?」
『アキ!この前創ったコピードールがあるじゃんか!』
「おっと!?忘れてたよ。初めて動かすなぁ~」
『ははは!それだけ平和だったって事だぜ』
ボクは無限収納カバンにしまっていたコピードールを取り出して、鼻の部分にあるボタンを押した。···某ヒーローのマネしてみたけど、怒られないよね?
「やあ!ボクはコピーアキだよ!よろ〜!」
「···なんか軽いなぁ」
「そりゃ人形やし体重は軽いからに決まってるやん!その軽いと違うわ!(ビシィッ!)ははは!」
「···なんだ、このヘタな一人漫才は?いや、そうじゃないけど···」
「わかってるって!じゃあ、レオと一緒に救援行ってくるね〜!」
若干不安だわ···。大丈夫だろうか?まぁ、レオがついてるから問題ないか。
さ〜て!初仕事、れっつごー!
まずはキトニアに行って、総合防衛本部にあいさつに行って、救援用にヒーロー戦隊10部隊と合体ロボも併せてお願いして、了承してもらえた。『悪人が減ってしまってリストラの危機だった!』って事だから、泣いて喜んでくれたよ〜!
ちゃんと見積書ももらえたよ!緊急案件だから『一社特命(相見積もりせずに指定した1社と契約する方法。要するに言い値)』だけどね!相見積もりじゃないから。そもそも相手なんておらへんやん!ははは!
次はレオリアだね〜!こっちはロボット兵器が発達してるから、モ◯ルス◯ツと飛行戦艦を用意してもらったよ〜!もちろん、見積書もゲットだぜ!『実物の的で試射できる!』って喜んでたよ〜!
最後はグーレリアで魔法兵団をお願いするぞ〜!『ちょうどいい試験用の的を用意したよ〜。活きが良いから実験にもってこい!』って言ったらノリノリでOKだったぜ〜!
ボクって交渉上手だね〜!最後に侵略者にボクが『絶対強者』って見せつけるために金ピカの鎧を創って装着して現地へれっつごー!
よしよし!敵さんはいっぱいだね〜!観客が多いと殺る気出るよ〜!
おっ!?エレさんとこの中継カメラも来てるね!もっと寄って!ヨシ!ここで決める!!
「待たせたな!!」
これ、実はアキ本人が言いたかったセリフのうちの一つなんだよ〜!ボクが言っちゃったね〜!···キマった!!
「パンツァー、ふぉー!!」
これも実はアキ本人が言いたがってたセリフだったんだ〜。元の世界ではアキはお気に入りの某戦車映画(アニメ)を何度も見てたからね~。今回はリアルに殲滅戦だからなおさらピッタリだよ~!ははは!
さ〜て、見事に殲滅しちゃったね~!あとはこの映像を見ているエレさんにトドメ刺しちゃおう!このカメラでキメようか!コピーだとバレないようにアキ本人っぽく話さなきゃ!演技演技〜。
「ふぅ~。エレさん?今日の遠征費用は後ほど請求させてもらいますね〜!それでは!」
よし、カットォ〜!『これでヨシ!!』って片足上げて指差呼称して某猫のポーズも決まったね!···完璧じゃないか!
さ〜て、帰って報告しようね〜!
「おい、コピーアキ?ちょっと調子乗りすぎじゃね?」
「ごめんごめん~!でも、こっちには被害はほぼないし、エレさんに借金上乗せできたし、上出来っしょ!?」
「はぁ~。後でアキに報告するからな」
数日後、授業が終わってリオと帰ろうとした時に、レオはコピーアキと一緒に戻ってきてたよ。なんだかレオが疲れてるけど···、何があったんだろう?
「お帰り、レオ。···どうしたの?疲れ切ってるけど···」
『アキ···。ちょいとコピーが調子乗りすぎたわ』
「えっ!?被害がでちゃった!?」
『いや、そうじゃないけどな。···まぁ、帰ってから映像を見てもらったほうが早いわ。結論言うと救援成功なんだが、エレに5万GPの請求書を送りつけてたぞ』
「···あぁ~。まぁ、それぐらいは···」
「まーた神が借金増やしたのかー。もう神の威厳もないなー」
「リオの言う通りだね···。まぁ、ボクも6つの世界の神様だけど、威厳なんてないよ?」
「アキにはその分、人徳あるぞー!アキが創った世界では信仰されてて、教会にアキの大きな像があるんだろー?」
「恥ずかしいよぉ~!仕方なくやってるだけなんだから!」
『ははは!まぁ、時間あったら創った世界を覗きに行こうぜ!』
「そうだね、レオ。次の長期休暇だったら行けるかもね!」
エレさんの救援要請を、若干問題ありだったけど無事成功させたよ。そしたら次の休みの日の午前、エレさんがボクの家に来て土下座して謝罪してきたよ。
「アキくん···。この度は申し訳ない事をした···。許してもらえるとは思ってないが、今できるのがこれで精一杯なんだ···。そんな中で図々しいお願いであるのは重々承知している。救援費用を分割払いさせてほしい!遅延損害金も免除してくれたらありがたいんだが···。聞き届けてくれないだろうか?」
「············」
···うん。自分勝手だな。全部自分で撒いた種が芽吹いて大きく成長しただけなんだよ。『借金』という実がたくさんできちゃったけどね。
ボクは込み上げてくる怒りを徹底的に抑えたよ。そして、しっかりと『誓約書』まで交わして、『呪い』をかけてあげた。『必ず支払う』ってね!
『···アキって怖いなぁ~。敵にしちゃいけないわ〜』
「元の世界でも『仏の顔も三度まで』って言うしね。···これが最後だけど」
『もう十分懲りてるだろうし、アイツのナビはしっかりしてるからな。まぁ、見守ってやろうぜ!』
「向こうが先輩なのになぁ〜」
さすがに今回はエレさんはちゃんと支払ってくれたよ。ちょっとずつだけどね。会うたびやつれてるのが気になるけど···。
そして、レオに救援の状況を見せてもらったら···、コピーアキが思いっきりはっちゃけ過ぎててドン引きしたよ···。
なんだよ!?あの金ピカの鎧は!?どこの星座だよ!?あれだけでめっちゃ恥ずかしいわぁ···。
でも、あいつ交渉上手いわ···。これは使い所次第では有効かな?
コピーアキくんはエレくんをいじる目的で高額な費用を請求していました。アキくんは以前戦争をふっかけられた時は反省目的で、もともと取るつもりはなかったんですよ。
そして救援隊で指揮を執っていたのは実はコピーアキくんでした!このコピードール、元ネタは藤子不二雄先生の『パーマン』のコピーロボットのまんまですが、性格はかなり違ってますね。常時ノリノリハイテンションで交渉上手なんですよ。書いてて楽しいキャラになってしまいましたね。
さて次回予告ですが、壮絶な借金生活をしているエレくんのその後です。
借金が雪だるま式に増えてしまい、水道は止められ、エレくんは極度の飢餓状態にまで陥ってしまいます。見かねたナビくんがアキくんにさりげなく救助要請をして承諾され、ナビくんはそれを元にエレくんを励まします。
それではお楽しみに~!