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アキの神様生活-07 トランスの神髄

 本日2話目の投稿です。朝に1話投稿してますので、先にそちらをご覧くださいね〜!

 レオが実体化した翌日。アクロの外にある訓練場に、ボクたちはやって来た。


 昨日、レオが実体化してハルが稽古を申し入れたとフユとナツにも伝えたら、たまたまナツの店が定休日だったので、またしてもフユとナツ一家が転移で帰省してきたよ!ちなみにリオとリナ一家も来ている。来ているって言うか、ボクたちがお邪魔しちゃってるんだけどね。



「···じゃ、よろしくお願いします」


「おうっ!どっからでもかかって来ていいぞ~!」



 まずはやる気まんまんのハルがレオに挑むよ。ちなみにレオにはボクの魔力剣を貸している。



「···しっ!!」



 ハルが超スピードで攻めに行った!今回はナナのバフセットはなしでやっているよ。ハルの実力だけで挑んでいる。



「ほう!ハルちゃんはスピード重視か!これはちと厳しいなぁ〜」


「···なら、これはどう?」



 ハルが魔力剣を両手持ちに変えて、上段から思いっきり振り下ろした!



「おっ!?これはなかなか···」


「···攻めきれないね。こっちは本気なのに、まだまだ余裕がある」


「まぁな~。これぐらい捌けないと、魔獣の大群を一人で殲滅なんてできないしなぁ〜」



 ···やっぱり神狼族の始祖なだけあって強い!子に力や能力の継承ができちゃうから、代が進むごとに強くなってるんだけど···、経験がケタ違い過ぎるんだ···。


 その後、フユとナツ、さらにはモンドくんとフーちゃんもレオに挑んでいた。まぁ、結果はレオの圧勝だったね。


 そして、神狼族全員との練習試合が終わって休憩している最中にレオからはこんな質問があった。



「ハルちゃんはトランスを何分維持できる?」


「···3分」


「あれ?3分だけ?トランスの仕方は教わった?」


「···孤児だったから教わってない」


「あっ!そういう事かぁ〜。って事は『トランスの神髄』は知らないし途絶えてたって事かぁ〜」


「···トランスの神髄?」



 どうやら、神狼族のトランスにはまだ秘密があるようだった!


 簡単にまとめると、ハルたちがやってるトランスは『本能的』なものらしく、自身の危機や怒りなどによって緊急的(・・・)に発動しているものらしい。


 このトランス、なんと共有能力との合体技があるんだって!しかもその共有する相手は···!



「···『龍脈と共有』する!?」


「そう!これがオレがたった一人で魔獣の大群を倒せた理由だ。みんな共有能力があるのは、最終的に龍脈との共有をするために回線をつなぐ準備(・・・・・・・・)をしてるに過ぎないんだよ」


「···ということは?」


「繋げれるようになれば、トランス状態を長く維持できるし、さらにもう一段階変身(・・・・・・・)できる!」


「そ、そんな能力がおれたちにあるんだ···」


「···ナツたちじゃ気づかないね」


「まぁ、オレの子どもたちまではできたんだけど、それ以降はどうか知らないんだよなぁ~。気をつけないといけないのは、膨大な魔力の制御が難しいこと、それと多少の黒魔力が何もしてなくても発生しちゃうって事だ。じゃあせっかくだし、オレが手本を見せるぜ。よーく見ておけよー!」



 トランスの神髄を見せるべく、レオは目を閉じて集中し始めた。そして目を開けると!トランスが発動し、目が金色に輝いて顔に紋様が現れた!



「ふぅ~。この体でも問題なく発動したな!違和感もまったくないね!」


「···これがご先祖様のトランス」


「スゴい···。余裕がある」


「···ものすごい力を感じる。···ナツたちとはケタ違い」


「ははは!今は龍脈に繋いでて、自分の魔力を使ってないからな。さあ!ここからがメインだぜ!?トランスの神髄、もう一段階変身するぞー!!」



 そう宣言したレオの体に変化が···、起きなかった?あれ?紋様が淡く光ってるだけ?某マンガのように筋肉が膨れて体が大きくなったりとか、髪の色が金色になって逆立ったりって想像してたけど···?



「ふぅ~。これが真のトランス状態だな。どうだ?」


「···スゴい。···とんでもない力を感じる。···今すぐにでも逃げたいぐらい」


「これが···、トランスの真の姿なんだ···」


「···ナツにも、···できるかな?」


「ああ!できるようになるぜ!···変に力を求めなくても、オレたち神狼族は元から強いんだ。力の使い方さえ間違えなければな。間違えるとこの姿にはなれないんだ。正しい心を持った者こそがこの姿に至れるんだ。なんせ、神が与えた力だからな!って、神ってエレの事だけどな」



 う〜ん···、ボクじゃよくわかんないけど、ハルとフユとナツは驚いていたね。モンドくんとフーちゃんは震えていたけど、何も言わずにじっと見ていたよ。


 ちなみにこの状態だと防御力はケタ違いに上がり、刃物類は一切受け付けなくなる。さらに力は身体強化をかけた状態からさらに50倍まで引き上げることも可能だそうだ。ハルで10倍だから、最大で500倍!?そりゃ制御が難しすぎるよね···。


 魔力も龍脈と連結状態だから魔法は撃ち放題!要するにラストダンジョンでやり合ったムーオと同じ状態になるってことだ。


 ···エレさん?とんでもない戦闘種族創っちゃったんですね?整調者(ピースメーカー)以上に強いと思うんですけど!?完全に無双を意識したな!?



「ハーックション!!うぅ~、さぶい···」


「エレくん、ガマンガマン!体を動かせばあったかくなるよ!」


「最近パンのみみと水魔法の水しか飲み食いしてないのに、そんな元気出ないわ···」


「もう〜!年寄りみたいな事言っちゃダメだよ!」


「そういうナビくんは管理用PCのそばにいるからあったかいんだろ!?ゲーミングPCだから排熱ガンガン出てるだろ!?」


「そ、そんなことないよ!?言いがかりだよ!酷くない!?」


「じゃあ席代わって!!」


「ダメだよ!世界創世に支障が出ちゃう!」


「ほらみろ!あったかいから離れたがらないんだ!図星だろ!!」


「···エレくん?ボクは一生懸命エレくんの借金を返済するべく、準備を進めてるんだよ。止めたら借金返せなくなるよ?それでもいいんだね?」


「うっ···、わ、わかりました···」


「(ちょっと借金が多すぎておかしくなっちゃってるなぁ〜。アキくんにお願いして減額交渉してみようかなぁ〜)」



 ···ん?エレさんの話をしたら今の状況が見えたような?ま、いいか。関係ないね!



 さっそくレオの指導のもと、ハルたちは龍脈との連結共有の訓練を始めた。モンドくんとフーちゃんもやりだしてるけど···、大丈夫か?


 午前の修行を終えてボクの弁当を食べた。もちろん、リオたちの分まで作りましたよ···。リナの一家は持参してたね。


 フユとナツ一家の分はナツが作ってきてくれてた。


 たっぷりと食べて、修行を再開した直後にそれは起こった!



「あっ!?できたー!!すんごいちからがながれこんでくるよ〜!!」



 なんと!第1号はフーちゃんだった!!



「おぉ〜、マジかよ〜!?やっぱ整調者(ピースメーカー)の力の影響だなぁ〜。他のみんなは慌てるなよ〜。慌てても意味ないからなー!」



 続いてハルが至り、その後にフユとナツも成功し、最後にモンドくんまで出来てしまったんだ。



「よーし!第一段階はクリアだな!やっぱりみんな正しい心を持っていたからなることができたな~!この状態のトランスに慣れたらもう一段階変身できるようになるからなー!って、もう脅威はないから使い所ないと思うけどな!」


「「「「ありがとうございました!!」」」」


「···今日はとてもいい勉強になった」


「ご先祖様にすごい事教えてもらっちゃったなぁ〜」


「···練習しとこ」


「おれもがんばるぞー!」


「フーも!」



 レオのおかげでうちの家族はさらに強くなっちゃったね!これって···、怒らせたら怖いなぁ〜···。

 レオくんは神狼族の始祖であり、最強の実力を持っていました。単騎で無双しまくっていた理由は『龍脈との共有』によって無尽蔵の魔力と体力でチートを発揮していたからなんですね~。エレくんがノリノリで設定してしまったためにこんなぶっ飛んだ能力が神狼族にはもともと備わっていたのです。

 しかし、実際には条件が厳しいために失伝されてしまった能力だったのです。今回、ハルちゃんたち全員がこの能力に目覚めたため、今後は向かうところ敵なし!状態になってしまっています(笑)!

 ただし、それは『武力』によるという条件付きです。本編でもあったように、制することは武力以外の方法でできてしまいますからね。


 さて次回予告ですが、アキくんのところにエレくんが救援を求めてきます。神様の憂鬱EX-3のアキくんサイドのお話ですね~。アキくんがエレくんに厳しい理由もここで明らかになりますよ~!


 それではお楽しみに~!

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