ふしぎなおふとん
ぼくのおふとんは、ふしぎなおふとん。
ゆめのなかで、さんたさんにもらった。
ふしぎなおふとんは、りばあしぶる。
おもてはあかで、うらはあお。
あかいおふとんでねると、わかがえる。
あおいおふとんでねると、としをとる。
…でも、ぼくはまだ、おふとんをつかってない。
わかがえりのおふとんでねたら、ぼくはあかちゃんになっちゃう。
としをとるおふとんでねたら、ぼくはおとなになっちゃう。
どっちになっても、あそべなくなっちゃう!
だから、おふとんはつかってない。
☆
ばんごはんにおそばをたべたひ。
ぼくは、おねむなめでみてた。
おとうさんになにかいったあと、おかあさんが、あかいおふとんをこたつにかけてた。
…ああ、もうねむいや。おやすみなさ~い。
☆
あれっ!?
いつのまにか、ぼくはこたつのうえにすわってた。
だめだよ、はやくおりないと。みつかったら、おかあさんにしかられちゃう。
ぼくがおりようとしたら、こたつがはなしかけてきた。
「そのまますわってて。そして、ぼくがとしをとるところをみてて」
…あかいおふとんってすごいや。こたつもとしをとっちゃうんだ…。
でも、こたつがとしをとったら、どうなるんだろう…?
「うわっ!」
ぼくは、こわくてめをつぶった。
だって、こたつがうきあがったんだもん。
「だいじょうぶだよ。めをあけてごらん」
「うわぁ~」
ぼくは、びっくりした。
だって、こたつがそらをとんでるんだもん。
☆
こたつはあまのがわのうえをとんでる。
まえにたきがみえてきた。
「よーし、いくよぉー!」
こたつはたきをのぼりだした。あまのがわがちいさくなっていく。
たきをのぼりきったら、こたつがひかりだした。
へびみたいにからだがながくなって、あしにつめがはえてきた。
あっ! このすがた、まんがでみたことがあるぞ! しぇんろんにそっくりだ!
「そうだよ。ぼくは、こたつから、たつになったんだ!」
……。
…そうか!
こねこがおとなになったらねこになる。だから、こたつがおとなになったらたつになったんだ!
いえにかえったぼくは、たつにあおいおふとんをかけた。
だって、こたつがないと、おとうさんも、おかあさんも、ぼくも、みんながこまるもん。
☆
あさおきたら、こたつにあおいおふとんがかかってた。
よかった。ちゃんとこたつにもどってた。
…あっ! たいへんだ!! このままじゃ、こたつがあかちゃんになっちゃうよ!
「おかあさん! おふとん、こたつからおふとんとって!」
おかあさんはぱたぱたとやってきて、おふとんをぽんぽんとたたいた。
そこへ、おとうさんもやってきた。
「おっ、ちゃんとかわいてたんだ。どうだ、うらがえしてせいかいだったろ?」
「ええ、そうね。でも、あなたがおさけをこぼさなければ、かわかすひつようじたいなかったんですけど?」
「くっ、それをいわれると、なぁーんもいえねぇ…」
なにをいってるのかよくわからないけど、おとうさんとおかあさんは、きょうもなかよしだ。
そうそう、きょうはおもちをたべるひで、いちねんのはじまりなんだって。
あけまして、おめでとうございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
クリスマスにお正月、冬童話開催中はイベント盛りだくさん!
はい、完っ全っに出遅れました!
冬童話の企画に目を通したのが1/4だったから、しょうがないですねー(笑)




