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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第21話 迷宮階層 3

「ふぁ~、あまり休めなかった。」



夜間に4回も戦闘があり、しっかり眠る事ができなかった。


戦闘自体は数分で終わるのだが、魔物は吠えるし剣を交わす音などで、どうしても目が覚めてしまう。



(・・・仙境があるから俺たちは楽できるんだな。)


「よし、それじゃあ、行こうか。」


「おう。」「うん。」「ええ、行きましょう。」「・・・。」





19階層の途中までは来ているので、今日中に20階層の守護者まで辿り着ける可能性は高い。


キーアの事もあるので、今日中に帰還するのが望ましい、本当は仙境で休ませるのが一番良いのだが、彼女たちに話す気は無い。


その後は、行き止まりや宝箱の捜索はせずに先を急ぐ。






「シロウ、あったぞ、階段だ!」


「階段!」


「ああ、あったな。ここまで5時間か。ちょうど昼過ぎだな。」


「ええ、早かったです。それにしても、お2人はとても優秀なのですね。」


「・・・。」


「ああ、俺の自慢の家族だからな。」


「おう。」「嫁。」


「ぶはっ、スヴィさん!?」


「ふふふ、愛されていますのね。」


「ま、まぁ、それはそれとして。食事と休憩をしてから、守護者に挑もう。」


「ええ、分かりました。」





スヴィの嫁発言には驚いたが、そうなる様に努力する必要もあるのだろう。


そして、昼食を食べて休憩を済ませてから守護者の部屋に入る。




「キスティさん、キーアさんを安全な場所へ。」


「ええ、パウラ、お願いします。」


「はい。」


「本当に1頭は任せて良いんですね?」


「大丈夫ですよ。その為の装備ですから。」


「それでは、お願いします。」


「ええ、お任せてください。パウラ行きますよ。」


「はい、お嬢様。」



キスティさんはそう言うと左の1頭に向かって行った。



「それじゃあ、こっちも行こうか。ヴァルマ、スヴィ、正面は俺が受け持つ、隙があれば攻撃してくれ。」


「おう!」「うん!」


「それじゃあ、行く!」



レッドベアで気をつけるべきは、その巨体から繰り出される突進と、強靭な腕と爪そして炎だ。



「グラァァァ!」


「ふっ、しっ!」



突進を回避したと思えば即座に爪で攻撃して来る、剣で防いだが力が強く身体ごと弾かれた。



「グルゥゥ。」


「ヴァーラで狩ってたのとは、わけが違うって事か。」



ヴァーラで狩っていたのはグレーベアと呼ばれる種で、レッドベアの2/3程度のサイズだった。



「避けろ!」


「おう!」「うん。」



レッドベアが立ち上がり、大きく息を吸うと炎を吐き出した。



「くっ!」〔炎無効〕



真人スキルの炎無効を使えば、熱さすら感じなくなる。



「ふぅ、すぅ、はぁっ!」



炎を吐ききってから四足に戻ろうとするが、それよりも早く、地面に着く前の右腕を斬り落とした。



「えい!」「おりゃあ!」



そして、腕を斬り落とされ態勢を崩して倒れたところに、スヴィが脇腹に槍を突き刺し、ヴァルマが反対側から首にナイフを振り下ろした。



「まだだ、はぁ、せいっ!」



最後に剣を上段から振り下ろして頭部を切り裂き止めを刺した。



「ふぅ~、はぁ~。さて、向こうはどうなった?」







パウラが壁役となり牽制して、キスティが隙をついて攻撃している。



「グルァァァ!」


「パウラ!」


「はい!」



彼女達の装備は炎に耐性があるらしく、直撃しなければ問題無い。


炎を吐いて無防備になっているレッドベアに対して果敢に攻撃を仕掛けている。



(・・・2人では足りない、か。)



「キスティさん!助力は?」


「お願い!」


「了解!ヴァルマ、スヴィ。」


「おう。」「うん。」



元々3人で1頭を相手にする予定だったので、2人では足りない。


レッドベアに傷を付けているが致命傷までは至っていない。



「グルォォ!」



立ち上がっているレッドベアの爪を剣で弾くと、スヴィが槍を突く。


そして反対側に回り込んだヴァルマが、レッドベアの右足を斬りつける。



「グラァァ!?」


「今だ!」


「はい、っ、せいっ!」



最後はキスティがレッドベアの心臓に剣を突き刺した。



「はぁ、はぁ、はぁ。勝てました。」


「はぁ、はぁ、はい。」



キスティ達はかなり疲れた様だ、炎対策の為とは言え、鎧を着込んでの戦闘は大変だろう。



「キスティさん、お疲れ様。」


「ええ、お陰様でわたくし達にも倒せました。」


「・・・。」



「ヴァルマ、スヴィ、宝箱は頼んだ。」


「おう。」「うん。」



宝箱の中には聖銀のインゴットがあったが、迷宮内で発見した物より大きく50gはある。


もう1つはスヴィに渡してあるのと同じマジックポーチだった。



「聖銀はこれで90gか、少々足りないが良い成果だ。マジックポーチはヴァルマが使ってくれ。」


「え?良いのか?」


「ああ、スヴィとお揃いだ。」


「ふふ、お揃い。」


「おぅ、そうだな。」



今回の成果は、魔石が総数で103個と、10gの聖銀が4個と50gの聖銀が1個にマジックポーチが1個とスキルカードが2枚だ。


そして、ここにキスティからの依頼で白金貨3枚も付く。



(今回で目標は全て達成したか。そうなると次は王都だな。)


「それじゃ、町に帰ろう。」


「おう。」「うん。」「ええ。」「・・・。」






守護者を倒して宝箱も回収したので、奥の扉から出てポータルを使い帰還した。






「それじゃあ、キスティさん。護衛の件はギルドを通して・・・。」


「シロウさん。」


「ん?何か?」


「できましたら、我が家にてお渡し致したいのですが。」


「あぁ、それはまずくないか?家って領主邸って事だろ?ただの冒険者が入るような所じゃない。」


「しかし、それでは・・・。」


「お嬢様!素性の知れない冒険者を屋敷に招き入れる分けには!」


「まぁ、そう言う事だ。それにメイドさんの事もあるだろ?だから後はギルドを通して支払をしてくれ。ではな。」


「・・・はい、分かりました。」


「ヴァルマ、スヴィ、行こう。」


「おう。」「うん。」





彼女達と別れてギルドの買取に向かった。





「シロウ、良いのか?」


「下手に行ってしまうと、揉め事の種だからな。できればこのまま終わって欲しいのだが。」


「そうなのか?」


「まぁ、可能性の話しだ。もう気にするな、俺たちは頼まれた仕事をしただけだ。」


「おう。」「うん。」





冒険者ギルド・ヘリスト・ダンジョン支部・買取室





「おや、シロウ様、ここ数日はお休みでしたか?」


「いや、ダンジョンに籠もってたんだ。」


「え!?・・・と言う事は。」


「まぁ、ちょっと多いかな。魔石が総数で103個だ。」



そう言いながら魔石の入った袋を取り出す。



「・・・103個ですか、えぇ、畏まりました。確認させて頂きます。」



最近は魔石の数が3桁に届く事は無かったのだが、3日間ダンジョンに籠もっていたため、それなりの数になった。



「確認が終わりました。魔石が103個で、金貨1枚と銀貨2枚に青銅貨が3枚になります。」


「分かった。ああ、それと聞きたいんだが・・・。」



そして、ダンジョンであった事をアールノに話して、受け取りをどうすれば良いのかを聞いた。


今回の様な現場での直接依頼をギルドに通す場合は、事後依頼と言って依頼が終わってからギルドに依頼内容と報酬を提出する。


その後は受付で依頼の受理と完了の処理をして報酬を受け取れる、ただ現時点では依頼が報告されていないはずなので、数日経ってから受付へ行けば処理してくれるらしい。



「その受付ってダンジョンの方か?それとも町の方か?」


「ダンジョンですね。今回はダンジョンに関する依頼ですので。」


「そうか、分かった。じゃあ、数日後に受付に行ってみるよ。」


「はい。」


「それと、報酬を受け取ったら王都に行くから、次はいつ来るか分からないんだ。」


「王都ですか?」


「そうだ、王都に聖銀を使った武器を作れる鍛冶師がいるらしいから、その人に依頼しようと思ってな。」


「なるほど、確かに聖銀を扱える鍛冶師は少ないですからね。」


「まあ、まずは王都で探してみるさ。」


「畏まりました、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」


「ああ、それじゃあ、またな。」





宿屋に戻ると今後の話しをする。





「ヴァルマ、スヴィ、目標も達成したから明日から休みにして、キスティさんからの報酬を受け取ったら王都に行くぞ。」


「おお、王都か、どんな所だろうな?」


「お家、いっぱい?」


「そうだなぁ、王都だから王城があるのは当然として、家もお店もいっぱいあるだろうな。」


「おお、楽しみだな。」


「うん。楽しみ!」









(王都、・・・スヴィの事もあるから、行きたくは無いのだが、仕方ないか。)


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