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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第16話 ヘタレ

本日は2話を一緒に投稿します、これは2話で1話分になります。

「ヴァルマ、スヴィ、今後の話しをするぞ。」



今日戦った11階層~14階層ならば、修行にもなるし資金も稼げるので、今後は修行をしながら、この階層で資金を稼ぐ事にする。


そして、資金が貯まったらヴァルマの武器をナイフから短剣に変える為に、鍛冶師を探して依頼する。



「依頼する必要があるのか?」


「う~ん、そこは何とも言えないんだが、ナイフと同じ形状の短剣となると売って無いと思うんだよ。まあ、普通の短剣でも聖銀を使ったのが有るかどうかは分からないけどな。」


「う~ん。そこまでしないとダメなのか?2人と同じ重鉄とか。」


「重鉄の短剣2本だと、俺の剣と同じぐらいの重さになるんだよ。」


「あぁ、それじゃあ、オレには持てない。」


「そうだろ?それに魔力操作を覚えてナイフで斬れる様になっても長さは必要になる、だから短剣には持ち替えてもらう、ただ、普段は魔鉄じゃ心もとないからな、そうなると聖銀が一番良いんだよ。」


「そうなのか。じゃあオレが・・・、何でもない。」


「はは、分かってるなら良いさ。焦る必要は無い。」


「何?」


「スヴィもいっぱい倒すとか早く倒すとか、無茶な事はしないでくれよ。お金よりも2人の方が大事なんだから。」


「うん。」「・・・ぉぅ。」




「魔力操作の訓練は、寝る前に毎日するからな。」


「おう。」「うん。」


「それじゃあ、今日はもう寝よう。色々あって流石に俺も疲れたよ。」


「オレもだ。」「わたしも。」


「ああ、そうだな。2人もよく頑張ったよ。それじゃ、おやすみ。」


「おう、おやすみ。」「おやすみ。」








▽▽▽








その後はダンジョンの11階層から14階層で戦闘訓練をする、そして最後に15階層の守護者を倒して帰還する、これを2日続けて1日休む。


これを繰り返して20日経った。





これまで獲得できた素材は、タートルリザードの装甲が9枚とスネークリザードの皮が12枚だ。


そして守護者の宝箱からは魔鉄のインゴットが8個と重鉄のインゴットが4個に銅のインゴットが3個出た、これらは仙境の資材として全て回収してある。


他には貨幣収納カードが4個と鉄製の片手斧が3個に同じく鉄製の片手槌が5個だ、武器については使い道も無いので1つ銅貨5枚で買取してもらった。


最後にスキルカードが3枚、これは罠察知と罠解除に毒耐性で、罠察知はヴァルマが使い、罠解除はスヴィが使う、そして毒耐性は俺が使った。


そして魔石と素材の買取で資金は金貨9枚まで貯まった。





「・・・・・・、言ってくれたら良かったのに。」


「え?そんなに気にする事か?」


「ヴァル。」




ダンジョンから戻り、自分の中にある魔力を体中に巡らせる訓練をしている際の会話で、ヴァルマが15才になっていた事を聞いた。




「そりゃあ、これでオレだって成人だし。嬉しいけどさ。」


「え?成人って15才なのか?」


「は?シロウは知らなかったのか?」


「あぁ、知らなかった。俺がいた世界では20才で成人だったから、ここでもそうだと思ってた。」


「はぁ~。・・・だからオレを抱かないのか?」


「え!?いや、そう言う訳じゃないぞ!?」


「じゃあ、どう言う訳だ?」


「えっと、いや、あ~、まぁ、その、何だ、それは、あの。」


「つまり、女として見てないって事か。」


「いや、女の子だとは思ってるぞ。」


「”子”って。それは性別の話しか?」


「いやいや、家族だと思ってるぞ、大事な家族だ。」


「シロウ、この際だから言っておくけど、オレはシロウの娘じゃない。」


「え!?」


「いや違うんだ、家族って言ってくれるのは、オレも嬉しい。だけど、・・・オレ達は奴隷なんだ。」


「いや、奴隷とかそんな事は・・・。」


「シロウ!そうじゃない、そう言う事じゃ無くて、だな。」




ヴァルマが話したのは、将来の事だった。




犯罪奴隷は解放される事が無い、それは人生が無いと言う事だ。


今は仲間として家族として扱っているが、普通の娘の様に結婚する事もできないし、家庭を築く事もできない。


それはスヴィも似たようなもので、スヴィの場合は解放されたとしても、その時には46才だ、その年になるともう子供は産めない。


つまり、2人とも家庭を築く事はできない。




「・・・。そうか、そこまでは考えて無かった。すまん。」


「そんな事は考えなくて良いんだ。それでシロウはどうしたい?」


「どう、って?」


「オレが、・・・シロウから離れても、良いのか?」


「!?・・・・・・。」


「オレは、シロウと一緒にいたい。」


「・・・ヴァルマ。俺も一緒にいたい。」


「な、なら・・・。オレを抱け。オレを、シロウの女にしろ。」


「ぶはっ!?・・・げほっ、げほっ。・・・いきなり何を。」


「ああ、分かってる、シロウがオレを娘の様に思ってくれてるのは。でもな、・・・オ、オレだって女なんだ、惚れた男には、その、抱かれたい。」


「・・・ヴァルマ。」


「わたしも!」


「スヴィ!?」


「シロウ、今すぐにって事じゃ無くても良い、ただオレが、いやオレ達がシロウの事を男として見ている事だけは知っていて欲しいんだ。」


「・・・・・・。あぁ、ちゃんと今後の事も考える。ただ、今はまだ。」


「いいんだ、それでも。だけど、・・・いつか、答えが欲しい。」


「わたしも、ね。」


「あ、ああ、分かった。・・・すまん、ちょっと頭を冷やしてくる。」


「おう。」「うん。」






◇◇◇






ヴァルマがそんな事を思っていたなんて、考えもしなかった。



会ったのは偶然だった、その時にヴァルマの腕を見て同情したのはある。


けれど、それでも真っすぐに俺を見る目を綺麗だと思った、そして強い子だと思った、だからどうにかしてあげたいと思ったのが始まりだった。


それから、ヴァルマの過去を聞いて、この子も1人なのかと、頼れる人もいないのかと、それでも生きてきたのだと、だから守ってあげたいと思うようになった。


犯罪奴隷は一生涯を奴隷として生きていくしかない。


それなら、一緒にいよう、家族になろう、そう思ったんだ。






スヴィの過去は少しだけ聞いた、出会った時の火傷の跡は酷かった、その所為でイジメられたのだろう。


しかも、この国にはほとんどいない獣人族だ、ヴァーラの図書館にあった本の様な事があったとしても不思議では無い。


そして奴隷にされた、しかも30年だ。


家族のいないスヴィを、誰が奴隷にしたのかは分からない。


ベアに襲われて主人を殺されてから、3年間もあの洞窟で1人で生きてきた。


そして母親を思い泣いているスヴィに同情したのが始まりだろう。


それから火傷が治って、笑顔を見せるスヴィを守りたいと思った。


スヴィも解放されても46才では、その後人生は孤独だ。


だから、一緒にいようと思うようになった。






あぁ、なんて傲慢な考えだったのか、俺は2人の父親にはなれないし、なってはいけなかったんだ。


ただ2人を女性として愛すればそれで良かったんだ。






家族になれば寂しく無いと、心のどこかで思っていたんだろう。


そうか、俺も寂しかったんだ。






「世界でただ1人の種族・・・か。」








◇◇◇








頭が冷えたので戻って来たのだが、2人はもうベッドで寝ていた。




「・・・。まぁ、良いか。」





































(ヘタレ。)(ヘタレ。)


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