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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第15話 新しい戦い方?

「はぁ~、良し!2人とも、もう大丈夫だ。」



2人に心配そうに見られているので、無理にでも立ち上がる。



「さて、あとは宝箱だな。2人で開けてくれ。」


「・・・おう。」「・・・うん。」



そう言って頭を撫でるが、それでも心配してくれているのだろう、申し訳ないが嬉しい気持ちもある。



「今度は何が入ってる?」



2人が宝箱を開けると、ポーチが1つとカードが1枚入っていた。



「これって、マジックバッグ、いやポーチか?」



ポーチを開けて見ると中が黒くなっている。



「お!これって、シロウが欲しかったやつか?」


「ああ、そうだ、ただ容量がどうなのかは分からんが。」


「こっちは?」


「おお!これはスキルカードだぞ、スヴィ!」


「スキル!」


「えっと、スキルは・・・解体術?」


「・・・。」「・・・。」


「ま、まぁ、良いじゃないか。初めてのスキルカードだ。」


「そうだな。」「うん。」


「それじゃ、帰ろうな。」


「おう。」「うん。」






今回の守護者は苦戦したが、どうにか倒す事ができた。


目当ての戦利品も手に入ったので、今後の事を考えながらダンジョンを出る。






「お待たせしました。おや、シロウ様、今日は来られないかと思いましたよ。」


「ああ、ちょっと苦戦してな。時間がかかったんだよ。」


「そうですか、珍しいですね。」


「あぁ、今日は15階層のシールドリザードが厄介でな。」


「・・・もう、そこまで行かれたのですか?あそこはCランクが6人いないと突破するのは難しいはずなのですが。」


「・・・まあ、何とか、な。」


「コホン、申し訳ありません。私が詮索する事ではありませんでしたね。」


「・・・そうしてくれると助かる。」


「それでは、買取の品をお願いします。」


「ああ、今日は魔石とスネークリザードの皮がある。」


「スネークリザードの皮は1枚が銀貨1で宜しいですか?」


「・・・タートルリザードの装甲と同じ値段なのか。」


「ええ、こちらはバッグなどに使われるのですが、丈夫な上に水も弾きますので冒険者や商人などに人気の商品になります。」


「ああ、見た事がある、確かバッグ1つで銀貨3枚だったな。」


「そうですね、そのくらいの値段にはなると思いますよ。」


「なるほど、だから銀貨1枚か。」


「はい。」


「じゃあ、あとは魔石だな。こっちも頼むよ。」




今回の魔石は全部で61個。


[ゴブリン・コボルト:30][ハイゴブリン・ハイコボルト:10]

[シルバーウルフ:6][グレーウルフが2][ホーンボア:2]

[スプリントリザード:4][スネークリザード:5][タートルリザード:2]




「・・・相変わらずですね。コホン、それでは、これらの魔石で銀貨5枚と青銅貨が8枚になります。これで宜しいでしょうか?」


「ああ、それで良い。」


「畏まりました、それでは少々お待ちください。」


(今日の稼ぎは全部で[銀貨7・青銅貨8]か、これならやって行けるか。)


「お待たせ致しました。金額をお確かめ下さい。」


「・・・。ああ、確認した。それじゃ、またな。」


「はい。こちらも楽しみにお待ちしています。」





買取を済ませると3人は宿屋に戻った。






「今回入手したアイテムなんだが、まずはスキルカードを誰が使うか、だ。」


「売らないのか?スキルカードって高いんだろ?」


「確かに高いが、スキルカードを売る気は無い、売るくらいなら自分たちで使った方が良い。」


「それなら、オレで良いか?解体術だろ?オレは、あんまり上手くないから。」


「ヴァルマ、気にしてたのか?」


「うぅ、そりゃあ、修行中にあれだけ失敗してれば、オレだって気にする。」


「はは、そうか、それじゃあスキルカードはヴァルマが使ってくれ。」


「おう!」



スキルカードをヴァルマに渡すと、手に持って”スキル取得”と唱える。



「おお!すげぇ、本当に取得できたぞ!」


「良かったな。」「ヴァル、良かった。」


「おう。これでオレもちゃんと解体ができるぞ!」




「マジックポーチの容量は背負い袋2つ分ぐらいはあった。それでこれはスヴィに使ってもらおうと思う。」


「スヴィ?」「わたし?」


「ああ、スヴィの装備は収納があまり無いだろ。このポーチはベルトに付ける物だから、スヴィの動きの邪魔にもならないしな。」


「良いの?」


「ああ、ただ、今後は回収した魔石はスヴィに持っていてもらう事になるけど、それでも良いか?」


「うん!」


「じゃあ、頼んだぞ。」


「うん。頼まれた!」







「これでアイテムの使い道が決まった、・・・それにしても今日の守護者は大変だったな。」


「ああ、あの守護者にはナイフじゃ全然効かなかったぞ。」


「スヴィの槍も。」


「それは俺もだ。まさか、あそこまで硬いとは思わなかったよ。」


「じゃあ、何でシロウは斬れたんだ?あれって飛剣だよな?」


「ああ、あれか。あれは・・・。」




2人に説明したのは、剣技を重ねる事だ。




洞窟の階層で飛剣を使った時に、隠形を使いながら飛剣を放った事でスキルと剣技を同時に使える事に気が付いた。


これは意識していなかっただけで、以前から戦闘中に周辺感知を使いながら身体強化を使ったりと、スキルを同時に使用していた。


スキルは技術で剣技も技術だ、そう考えれば剣技も同時に使う事ができるはずだ。


剣技を重ねて使えるかは、試した事が無いので確信は無かった、ただ、今回は他に手が無かったから使ってみた。




「そんな事ができるのか。知らなかったぞ。」


「うん。知らない。」


「まあ、俺も確信があった分けじゃないんだ。ただ、飛剣は通常の斬撃より少し威力が上がる程度だから力が足りなくてな、かと言って重撃は下から攻撃すると力が乗り切らない。だったら重ねて使えないかと思ったんだよ。」


「へぇ、シロウは色々考えてるんだな。」


「そりゃあ、考えるさ。そうしなきゃ、お前達を守れないからな。」


「うん。」




「・・・なぁ、シロウ。それで良いのか?」


「ん?何がだ?」


「オレ達の攻撃は守護者に通らなかった、シロウが倒してくれなかったら、どうにもできなかったんだ。」


「あぁ、タートルリザードより硬かったからな。」


「オレは、もっと強くなりたい。」


「ヴァルマ。」「ヴァル。」


「2人に何かあった時に、オレが2人を守れるように。」


「・・・。ああ、そうだな、強くなろう。」


「おう。」「わたしも、強く、なる。」




「だが、そうなると、どうやって・・・。」




2人とも現状の身体能力が低い分けでは無い、硬い相手に攻撃が通らないだけだ、こうした時は武器を強化したり、持ち替えるのが一般的だ。



(う~ん、こう言う時の対処方法って無かったっけ?)



前の世界では暇つぶし程度だったが、色々な本を読んだ、その中で使えそうな案を思い出す。



(・・・あるにはあるが、できるのか?試した事が無いんだよな。)



ラノベなどではよくある話しで、剣を魔力で覆って強化する方法だ。


ただ、それがこの世界でできるのか、また通用するのかも分からない。




(まあ、物は試しだな。)




仙境の資材回収ボックスに入れてある、鉄のインゴットを取り出す。


インゴットは鍛造ではないので剣や盾などより柔らかいが、試すには十分だ。



「それ、どうするんだ?」


「ああ、ちょっと試してみたいんだ。」



鉄のインゴットを左手に持ち、右手に予備武器のナイフを持つ。



(まずは、ナイフに魔力を流して覆って固める。・・・そして、斬る。)



「ふっ!」



「・・・。」「・・・。」


「おお、斬れたよ。すげぇ。」


「はぁぁぁあ!?何でだ!?何でナイフで鉄が斬れるんだ!?」


「すごい!」


「あはは、すごいな、俺もビックリだよ。」


「ちゃんと説明しろ!」


「ああ、分かったよ。」




それから2人に説明した。


武器を魔力で覆って強化する方法だ、ただ、その為には魔力操作を覚える必要があるし、魔力もそれなりに必要になる。


ユグドラシルは”魔法職以外は使わない”と言っていた、つまり剣士で魔力操作を持っている人はいないと言う事だ。


これは、大きなアドバンテージになる。




「と言う事だ、2人とも覚えてみるか?」


「やるぞ!」「うん。やる!」




教え方は以前ヴァーラの魔法ギルドで少々聞いていた。


まずは魔力を感じさせる事、これは魔力の感覚を掴むために、魔力操作を持つ人が凝縮させた魔力の塊を作り出し、それに触れさせる事で感触を教える。


次にその魔力を相手に流して、その人の魔力を少しずつ刺激する事で、自分の魔力が何処にあって、どうやって動かせば良いのかを教えて行く。


それができれば、あとは体内の魔力を体中に巡らせたり練ったりして、魔力を動かす事で魔力操作を覚える事ができる。




「見えないけど、手のひらの上に魔力の塊がある、触って良いぞ。」



2人は見えない魔力の塊に恐る恐る手を伸ばす。



「・・・。」「・・・。これ、知ってる。」


「え?スヴィは魔力を感じた事があるのか?」


「あぁ、オレも知ってる。この優しくて暖かい感じ、これが魔力だったんだな。」


「えっと、どう言う事だ?」


「シロウ、オレ達はシロウに怪我を治してもらっただろ?その時にシロウの魔力が身体の中に入って来たんだ。優しくて暖かい物が、それが魔力だったんだ。」


「うん、優しい。暖かい。これ好き。」


「そうか、スキルを通じて2人に魔力が流れてたのか。つまり魔力の感触は分かるって事か、となると今度は自分の魔力を感じる事ができれば良いって事だな。」


「う~ん。オレの中にあるのか?自分じゃ分からねぇぞ?」


「わたしも、分かんない。」


「それは自分のだから、だと思う。元々自分の体内にあるから違和感が無くて分かりづらいけど、他の人に魔力を流してもらうと体内に入り込んだ魔力を異物として感じる、そして体内の魔力を刺激する事で、自分の体内にある魔力に気付かせる。こんなところだと思う。」


「ああ、確かにあの時はシロウの魔力を感じたからな、納得だ!」


「うん。うん。」


「それじゃ、まずはヴァルマからやってみるか。」


「おう。」



それから2人に魔力を流して、体内にある魔力を刺激してみたが、すぐには分からない様だった。



「うぅ~、シロウの魔力は分かるんだけど、オレのはわかんねぇぞ。」


「ぅ、わたしも。」


「まあ、そんなに簡単だったら、もっと使っている人がいるはずだ。これは地道に練習するしか無いだろう。」


「おう。頑張る。」「わたしも、頑張る。」


「ああ、頑張れ。それができれば、今日の守護者も倒せるようになる。」


「おう。」「うん。」








(しかし、ここまでの性能があるのに何で使われて無いんだ?・・・まぁ、そんな事を考えても仕方が無いか。)


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