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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第14話 苦戦

「此処からは草原の階層だ、ヴァルマは分かってると思うが、この草原は隠れる所が多いから感知は欠かさない様にな。じゃあ行くぞ。」


「おう。」「うん。」



この階層は草の背が腰の辺りまであるので隠れやすい、感知があれば発見はそれ程の問題では無いが戦いづらい。



『ガサッ、ガサッ』


「ふっ、しっ。」「はぁ、たぁ。」


『ギ、グギャァ。』



2人とも気付いていたので一撃で倒した。



「ヴァルマ、スヴィ。どうだ?」


「おう、大丈夫だ。隠れてるけど場所は感知で分かるし、音もするからな。」


「うん。動ける。」


「そうか、大丈夫そうだから、13階層まで進むか。」


「おう。」「うん。」




11階層と12階層はそれ程の変化は無いが、13階層になると中型のリザードが出るのでそこまで行く。




「おう。いたぞ。」「亀?」


「まあ、タートルだからな。前はヴァルマのナイフで戦ってみたが、今回はスヴィに戦ってもらう。良いか?」


「うん。亀、倒す。」


「そうか、ヴァルマ、俺たちは後詰だ。いつでも動けるようにな。」


「おう。任せろ。」



タートルリザードの装甲は硬いが動きは遅い。


スヴィは正面から小走りで向かいながら様子を窺うと、突進してきたタートルリザードを左に躱しながら槍を装甲に突き刺した。



「ガァァ。」



刺さった槍を引き戻してスヴィは離れる。



「刺さった!?」


「いや、あれは装甲の隙間に刺したんだよ。元々槍は斬撃より刺突の方が向いてるからな。」


「そう言う事か。」



それから、何度か装甲に斬撃を放ったがやはり効かなかった、だがそれ以外の箇所を攻撃する事でスヴィも倒す事はできた。



「すぅ、はぁぁ。勝った。」



回避しながら何度も攻撃をして、流石にスヴィも疲れたようだ。



「この階層なら2人の鍛錬になりそうだな。」


「・・・今度はオレも倒す。」


「あまり無茶はするなよ。ヴァルマだって倒せないわけじゃないんだから。」


「おぅ。分かった、危ない事はしない。」


「さてと、・・・今回は装甲が出なかったな、魔石だけだ。」


「・・・ダメ?」


「はは、これは運だからな。気にしても仕方ないさ。」



スヴィは装甲が出なかった事が残念だったのか、出てきた魔石を睨んでいる。



「それじゃあ、次を・・・。」


「どうした?」「?」


「魔物に囲まれてるパーティがいる。・・・1人を中心に円陣を組んでる?」



感知したのは、5人パーティの冒険者だろう、周囲に7匹の魔物がいる。



「・・・ちょっとまずいか?2人とも見に行こう。助力が必要かもしれない。」


「おう。」「うん。」







囲まれていたのは、剣士が2人に盾士と探索士に弓士が1人ずつの5人パーティで、弓士の女性が怪我をしたらしく円陣の中央で膝をついている。


そして周囲にいるのは、蛇に胴体を付けた様な姿のスネークリザードだ。



「おい!聞こえるか!助力は必要か!」



彼らは近づいて来たのを弾き返すので精一杯の様だ。



「頼む!」「要らぬ!」



探索士と剣士が同時に反対の返事をした。



「はあ?どっちだ?」


「コスティ様!無茶です、もう持ちませんよ。」



探索士の男性がそう言うと、苦い顔をしながら隣りで盾を構える男性を見る。



「無理です。」



盾士の男性が一言そう言うと、その剣士もしぶしぶ承知した。



「ヴァルマ、スヴィ、あいつと戦うのは初めてだが、行けるか?」


「おう。あれならナイフも通る。」


「うん。大丈夫。」


「良し、それなら2人は探索士の方から助けてやれ。俺は盾士の方から行く。」



ヴァルマとスヴィは探索士に攻撃していた個体に対して、気配を消して素早い動きで後ろから挟み込むように近づく。


そしてヴァルマが正面に立ち注意を引と、その隙にスヴィが側面から槍を振るい首元を切り裂く。



俺は盾士を攻撃していた個体へ一直線に向かうと、盾士に噛みつこうと首が伸びきった瞬間に首を斬り落とす。


そして、その隣にいた個体がこちらを向いた瞬間に、しゃがんで足を斬り、倒れたところで頭に剣を突き刺した。



ヴァルマとスヴィも次の個体を倒した様だ。



「残り3」



剣士達は2匹を相手に戦っていて盾士が助力に行ったので問題は無い。




「ヴァルマ!スヴィ!弓士を守れ!」


「おう。」「うん。」


「それじゃ、俺はあいつだ。」



スネークリザードは包囲が解けてしまったので、集合しようとしている。


最後に集合しようとしている個体に向けて走ると、こちらに気付いたのか尻尾で攻撃してきた。



「ふんっ!」



攻撃して来た尻尾を切り捨てると、こちらを向いた首を下から上に斬る。



「ふぅ。あとは、・・・あいつらで大丈夫そうだな。」




その後、彼らの方も討伐できた様だ。




「ありがとう、助かったよ。俺はチェルソだ。」


「ああ、俺はシロウだ。まあ、間に合って良かったよ。しかし、何でこんな状況になったんだ?」


「いや、始めは2匹だったんだけどよ・・・。」



探索士のチェルソの話しでは、尻尾の攻撃で吹き飛ばされた剣士のコスティが弓士のティルダに衝突した。


そして彼女が怪我をして動けなくなり、剣士2人と盾士で防いでいたら何処からか集まって来てしまい、最後には7匹まで集まってしまったらしい。



(・・・もしかして、洞窟の時もそんな理由だったのか?)


「まあ、無事で何よりだ、それじゃあ、俺たちが倒した分の戦利品を拾ったら行くよ。」


「待て!」



戦闘も終わったので、この場を離れようとしたのだが、先ほど助力を断った剣士のコスティが声をかけて来た。



「何だ?もう用は無いだろ?」


「戦利品は置いて行け、あれは俺たちの物だ。横からしゃしゃり出て来た癖に、図々しいにも程がある。」


「・・・。おいチェルソ、こいつは?」


「いや、・・・あの。」


「黙ってろチェルソ!こいつらは我らの邪魔をしたのだ。その上で戦利品を奪うなど。」


「コスティ様!なりません。助力を頼んだのはこちらなのです。」


「トゥレンニ、貴様まで何を言うか!」


「コスティ様、申し訳無いのですが、あのままでは全滅していた可能性が高かったと思います。」


「ピエタリ!?」



もう1人の剣士トゥレンニが言うと、盾士の男性ピエタリも追従するよう言う。



「ぐぬぅぅ。だが!」


「コスティ様!彼は自分たちが倒した分だけと言われました。本来ならこの様な場合には戦利品の全てを渡した上で、助力の報酬を出さねばならないのです。」



剣士のトゥレンニは尚も言う。



(・・・そうなのか、知らなかった。・・・まあ、要らんけど。)


「チッ、勝手にしろ!」



コスティはそう言うと離れて行った。



「すまないな、助けてもらったのに。」


「あれは、何だったんだ?」


「あ、ははは、・・・まぁ。」



剣士のトゥレンニは苦笑いしながらも話してくれた。


彼らのパーティは剣士でリーダーのトゥレンニと探索士のチェルソに弓士のティルダの3人パーティだったそうだ。


戦力が不足していて階下に降りられずメンバーを募集していた時に、剣士のコスティと盾士のピエタリが入って来た。


実力はあるのだが、コスティは貴族の子息でピエタリはその従者で、そして貴族的な思考で冒険者を見ているので横柄な事を平気で言うらしい。



「・・・何でそんな奴をパーティに入れたんだ?他に幾らでもいるだろ?」


「まぁ、・・・色々あるんだよ。」


「そうだな、俺が首を突っ込む事じゃ無いな。ただ、こんな事が続けばその内に・・・全滅するぞ。」


「うっ!・・・分かってる。」


「それじゃあ、俺達はもう行く。」


「ああ、助かった。ありがとう。」


「おう。じゃあな。」






ひと悶着あったが助ける事はできたし、戦利品としてスネークリザードの魔石が5個と皮が2枚手に入った。






それから14階層に降りてから、もう1匹のタートルリザードを、今度はヴァルマが倒した。


今回は速度を上げて傷を増やし失血死させたが、やはり時間がかかる。



「まあ、これは相性の問題だからな、気にするな。」


「むぅ。」


「むぅ。」



スヴィがヴァルマの真似をしてる。



(うぉ、・・・可愛いのだが。・・・教育的に、どうなんだ?)


「コホン、それじゃ守護者を攻略しに行こう。」


「おう。」「うん。」







15階層守護者の部屋。








「・・・。」「・・・。」「・・・。」




「はっ!?いかん、ヴァルマ、スヴィ。1匹頼む!もう1匹は俺が倒す。」


守護者の部屋に現れたのは、タートルリザードよりも一回りも大きいシールドリザードが2匹だ。


シールドリザードは装甲も硬いが皮膚も硬い。



「どっ、せい!」


「プホォォォ!」



頭部に重撃を加えた一撃を放ったが、浅い傷ができた程度で致命傷にはほど遠い。



「!?硬い。2人とも攻撃が効かなければ牽制だけで良い。」


「おう。」「うん。」



2人にはもう1匹を牽制してこちらに近づけない様に頼んだ。



(首が短くて狙えない。・・・ではどうする?足か。)



突進してくるシールドリザードを躱しながら弱点を探す。



「飛剣!」



足に向けて斬撃を飛ばして見るがこれもあまり効かない、傷ができる程度だ。



(重撃を使うにも・・・身体の側面にある棘が邪魔だ。攻撃しづらい。)



斬撃も飛剣も効かず、重撃は上からでなければ効果が薄い、手詰まりだ。



(チッ、どうする。・・・試して見るか。)



剣を左下に構えて集中する。




「ふぅ、すぅ。はぁっ!」




そして迫ってくるシールドリザードが踏みつぶそうと前足を上げた瞬間に下から斜め上に向けて、一閃、シールドリザードの胸元に斬撃を飛ばした。



「ブゥォォォ!」



そして倒れてから暫くすると消えて行った、どうにか致命傷になった様だ。



「ヴァルマ!スヴィ!」


「おう!」「うん。」



2人を下がらせて、もう1匹も同様に倒した。



「ふぅ~。・・・何とかなったな。はぁ~、流石に疲れたよ。」


「シロウ!」「シロ!」


「あはは、ああ、大丈夫だ。ちょっと疲れただけだ。」



2人が心配しているが、本当に疲れているだけだ。










(これは、ちょっと考えないと、この先がきつい・・・か。)


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