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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第10話 3人目の家族

仙境に入るとヴァルマが待っていた。



「来たか、ここがオレ達の家だぞ。」


「・・・。」



ヴァルマが歓迎しているが、スヴィは”ポカン”と口を開けて家を眺めている。



「スヴィ?・・・どうした、大丈夫か?」


「お家?」


「そうだぞ、これからはスヴィもここに住むんだ。」


「コホン、それは俺が言うべきなんだろうが、まあ良い。さあ、中に入ろう。」


「スヴィ、行くぞ。」



そしてヴァルマはスヴィの手を取り家の中に入ると、1階にある食堂に向かった。



「ヴァルマ、お茶を入れてくるから、スヴィと待っててくれ。」




お茶を入れて戻って来ると、スヴィがヴァルマに”あれ何?”と中にある物が何なのかを聞いて回っていた。




「スヴィ、もう良いか?まずは俺の事から話す。」



それからお茶を飲みながら、ヴァルマに話した事をスヴィにも話した。



「シロ、1人?」


「1人か、確かに種族は1人だけど、今はヴァルマがいるし、これからはスヴィもいるからな。俺はもう1人じゃないよ。」


「1人じゃない、寂しくない。」


「そうだ、それに、これから俺たちは家族だからな。みんな寂しくないぞ。」


「家族。」



家族と言ったらスヴィが涙を流した、父親や母親の事を思い出しているのだろう。



「!?ヴァルマ。」



ふと、スヴィの隣りに座っているヴァルマを見ると一緒に泣いていた。



「す、すまん。配慮が無かったな。ただ俺は家族になれれば、と。」


「・・・シロウ、良いんだ、オレは嬉しいんだ。」


「シロ、嬉しいよ。」


「そ、そうか。俺も嬉しいよ。じゃあ、これからは、俺たち3人で家族だな。」


「おう、オレ達は家族だ。」「うん、家族。」


「コホン、それじゃあ、次はスヴィの火傷を治そう。」


「治す?」


「そうだ、ヴァルマも右腕を斬られて失っていたんだが、俺のスキルで治したんだよ。だからスヴィの火傷も治せるはずだ。」


「治るの?」


「おう、治るぞ。シロウは凄いんだ。」


「俺がってより、スキルが凄いんだがな。それじゃスヴィの火傷も治すぞ。」




スヴィの左腕に触れて身体再生に魔力を流し治療する。


ヴァルマの時よりも魔力の消費は少ないが、やはり始めは魔力の通りが悪い。


ゆっくりと魔力を馴染ませながら再生させていく。




「スヴィ、終わったよ。もう火傷の痕は残って無い。」



スヴィは自分の左腕を見て、それから顔にも触れて確かめている。



「・・・もう、気持ち悪くない?」


「ああ、スヴィの可愛い顔が戻ったよ。」


「・・・。」



スヴィも色々と嫌な目にあって来たのだろう、嬉しいのか悲しいのか、声を殺して泣いている。



「ヴァルマ、スヴィを風呂に入れてやってくれ。風呂に入れば少しは落ち着くだろう。俺はその間に夕食の用意をしておくから。」


「おう、分かった。スヴィ風呂に行くぞ、身体を洗って綺麗になるんだ。」


「風呂?」


「おう、風呂は気持ち良いぞ!」


「うん。」






風呂から戻ったスヴィはヴァルマの白いワンピースを着ていた、ちょっと大きいが他に合うのが無かったのだろう。


灰青色の長い髪も綺麗に整えてから、後ろで1つに紐で束ねている。



「うん、スヴィも可愛くなったな。」


「へへ。」


「シロウ、オレは?」


「ん?ヴァルマはいつも可愛いぞ?」


「おぅぅ。そ、そうか。」


「どうした?」


「何でもないぞ!」


「そ、そうか。まぁ、ともかく食事にしよう。それにスヴィがこれから何をしたいのかも聞きたいしな。」



食事をしながら、スヴィの今後について話し合いをする事にした。



「ダンジョン?」


「そうだ、俺は冒険者で、今はヴァルマとダンジョンに潜ってるんだ。」


「スヴィはどうすんだ?一緒に行くか?」


「ダンジョン。・・・行く、1人は、や。」


「そうだな1人は嫌だな。けど、スヴィは戦えるのか?」


「獣化。」


「獣化!スヴィは獣化できるのか?」


「うん。」


(そうか、獣化できるから1人でも生きて来れたのか。)


「スヴィのステータスを教えてくれるか?」


「いいよ。」



そうして教えてくれたのがこれだ。



------------------------

[スヴィ] 獣人族(猫) 16才

■固有スキル

なし

■種族スキル

【獣化】

■特殊スキル

【陰密行動】

■汎用スキル

【格闘術・並】

【気配感知・並】・【罠察知・並】

【痛覚耐性・初】・【毒耐性・初】・【麻痺耐性・初】

------------------------



「・・・16才?」


「・・・はぁぁ!?オレより年上!?」



そう、ヴァルマは14才だ、しかし身長はヴァルマの方が高い。


スヴィの身長はヴァルマより少々低く135cmしか無い、それに加えて喋り方が片言なので幼い印象があった。



「ま、まぁ、良いじゃないか。それより、スヴィは特殊スキルがあるんだな。」


「うん。隠れるの得意。・・・でも、シロに見つかった。」


「あぁ、俺も特殊スキルがあるからだな。」


「ヴァルマちゃんも?」


「ぐっ!?・・・オレは、無い。それと、”ちゃん”は止めてくれ。」


「・・・ヴァル?」


「ヴァ!?ま、まぁ、それなら良いぞ。」


(ははは、これなら、仲良し姉妹になれそうだな。)


「コホン、それでスヴィはどうやって戦いたい?使ってた武器とかはあるか?」


「・・・弓と槍?」


(う~ん、どっちもスキルには無い、って事はそこまでじゃ無いって事だよな。今あるのは格闘術だけ、これは獣化で戦ってたからだろう。)



更に詳しく話しを聞くと、母親が元冒険者で弓を使っていて父親が村の門衛で槍を使っていたそうだ。


どちらも火傷をする前に手習い程度に教わっていたらしい。



(・・・これは、難しい。どっちかだと父親と母親のどっちかを選べと言ってる様なものだ。かと言って両方は。)


「スヴィはどっちを使いたいんだ?」


(!?ヴァルマは恐れを知らんな、ある意味凄いが。)


「どっちも、ダメ?」


「両方使いたいのか、どうなんだシロウ?」


「・・・ダメとは言わないが、相性は悪いかな?弓だと弓と矢筒を持つ事になる、そこに槍までは持てないだろ?それに獣化する時の邪魔にもなるしな。」



スヴィは今まで獣化をメインで戦っていたはずだ、確かに獣化の能力は高いが、時間が限られていて一定の時間を過ぎると元に戻ってしまう、だから長時間戦うには向いていない。


普段は何かしらの武器を使って戦い、危ない時にだけ獣化するのが良いだろう。



「シロはどっち?」


「ん?どっちが良いかって事か?」


「うん。」


「・・・そうだな、危ない時に獣化する事を考えたら槍の方が良いと思うぞ。槍なら獣化しても使えるし、手放すのも簡単だからな。」


「じゃあ、槍。」


「そうか、じゃあ槍にするか。」


「うん。」


(はぁ~、ほっとしたよ。こだわりがある訳じゃなくて。しかし槍・・・か、使った事が無いんだよな。どうするか。)


「一先ず武器は決めたが、戻る前にスヴィの能力を確認する事と、ヴァルマにも教えた足捌きや体捌きをスヴィにも教えようと思う。」


「え?それだけなのか?」


「ヴァルマの時はその前に1ヵ月かけて痩せた身体を戻してもらったが、スヴィは痩せてるわけじゃないからな、それに今は武器が無いから、本格的な武器の訓練はヘリストに帰ってからだ。」


「じゃあ、1ヵ月ぐらいって事か?」


「そうなるな。スヴィはそれで良いか?」


「うん。」


「そうか、それじゃ、今日はもう寝て明日から訓練しような。」


「おう。」「うん。」


「じゃあ、部屋はどうする?ヴァルマの隣りで良いか?」


「部屋?」


「そうだ、2階に部屋があるから、今日からスヴィもそこで寝起きするんだ。」


「シロと一緒?」


「いや、別の部屋だヴァルマの部屋があるからその隣りだな。」


「そうだな、なんだったらオレと一緒の部屋でも良いぞ?」


「・・・ヴァルと一緒。」


「そうだな、じゃあ、ヴァルマ、スヴィを頼むぞ。」


「おう。任せろ。」


「もう寝よう。明日から頑張らないとな。それじゃあ、おやすみ。」


「おう。おやすみ。」「おやすみ。」














(・・・家族か。)


夕方に閑話を追加投稿する予定です。

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