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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第7話 昇格試験開始

「ああ、シロウ様、少々お待ちを。」



買取を終えて帰ろうとしたら声をかけられた。



「ん?なんだ?」


「シロウ様はDランクでしたよね?」


「ああ、そうだが、それがどうした?」


「Cランクへの昇格試験を受けてみませんか?」


「昇格試験?」


「本来この様な話しは受付でされるのですが、シロウ様は受付に来ないと聞きまして、僭越ながら私の方から説明させて頂きたいのです。」


「ああ、そう言えば初日以来行って無いな。分かった聞かせてくれ。」


「はい。それでは・・・。」




昇格試験とはCランクになる為に受ける試験で、Cランクの条件である対人戦と人を殺す事ができるかを確認する試験だ。


試験には盗賊の討伐が利用される事が多い、ただ盗賊が相手なので試験がいつ行えるかは分からない、そして発見された時に試験を行うかはギルドが決める。


そして数日前に見つかった盗賊を討伐する為と、昇格試験を行うかの判断をする為に試験の参加者を募っているらしい。


参加者が不足する場合はそのまま討伐される事になる。




「現在は参加者が4人いますので、実施はされると思いますが、そこにシロウ様も参加してCランクに上がってはどうかと思いまして。」


「Cランクに上がると、何か変わるか?」


「基本的な所は変わりませんが、護衛依頼などの人を守る依頼を受ける事ができますし、個別依頼も内容が変わって依頼金が上がる程度ですね。」


(護衛依頼は避けたいが、依頼金が上がるのは望ましい。・・・まぁ、護衛依頼は受けなければ済むか。)


「受ける場合に連れの同行は可能か?」


「連れて行くのは構いませんが、戦闘に参加させる事はできません。これはあくまでもシロウ様の試験なので。」


「そうか、あとその試験の日程はどうなってる?」


「試験は明後日の朝に町の南門から出発して目的地までは馬車で2日かかります。その後討伐をしてからまた2日かけて戻る事になりますので、問題が起きなければ明後日から5日程の予定です。」


「・・・分かった。それじゃ受けるよ。」


「ありがとうございます。それではこちらの試験証をお持ちください。当日は南門前広場にギルドの馬車がありますので、そこにいる試験官に渡して頂ければ、あとは試験官の方が説明してくれます。」


「ああ、色々と世話をかけるな。」


「いえ、これでシロウ様がCランクになって頂ければ、推薦した私の評価も上がりますので、むしろ感謝するのは私の方なのです。」


「ふっ、そうかじゃあ・・・すまん、まだ名前も聞いて無かった。」


「ああ、そうでしたね。私はヘリスト・ダンジョン支部所属で買取担当のアールノと申します。」


「俺がシロウでこの子はヴァルマだ、改めてよろしくな。」


「シロウ様にヴァルマ様ですね、こちらこそ宜しくお願いします。」


「ああ、それじゃアールノの評価の為にも頑張ってくる。じゃあ、またな。」


「はい、お気をつけて。」




その後、宿屋に戻ったが夕食にはまだ早いので、先に試験について話しをした。




「ヴァルマ、明後日試験を受ける事にしたがヴァルマはどうする?」


「ん?どうするって?」


「いや、試験には連れていけるが、ヴァルマまで付き合う必要は・・・。」


「!?オレも行く!・・・置いて、行かないで。」


「うっ、そ、そうだな一緒に行こうな。置いて行ったりしないから、大丈夫だ。」


「うん。」


(・・・そんな泣きそうな顔をされたら、なんか罪悪感が。)


「コホン、まあそれは良いとして、今日はなかなかの稼ぎになったし、明後日には試験がある。」


「おう。」


「それで、今までは2人で行動していたから仙境を利用していたが、試験中は人目があるから仙境は使えない、だから俺たち用のテントが必要になる。」


「マントに包まれば良いだろ?」


「それでも良いんだが、他の参加者や試験官もいるから一応な。」


「じゃあ、明日買いに行くのか?」


「そうだ、他にも旅の支度もしておきたい。ヴァルマは何かあるか?」


「う~ん・・・。試験の間はオレがする事って無いよな?」


「そうだな、俺の試験だからヴァルマが戦う事は無いぞ。」


「じゃあ、試験の間はオレが荷物を持つぞ。ポーターだ!」


(・・・子供に荷物を持たせる。どうにも・・・でも役目があった方がヴァルマも気が紛れるか?)


「そうだな、じゃあヴァルマに頼むよ。」


「おう、任せろ!」






▽▽▽






翌日は朝から買い物に出かけた。


一昨日の散策で幾つか店を見つけていたのでそこに向かう。



「まずはテントだな。一応2人が入れる程度の大きさがあれば良いか。」


「一緒に寝るのか?」


「う~ん、そこはまだ分からないんだよ、試験中の見張りの仕方によるから。」


「そうか、それで”一応”なのか。」


「そう言う事だ。」



そして買ったのは、1本の柱を支柱にして三角錐の形状になるテントだ。


このテントは冒険者が好んで使う物で、支柱が連結式でコンパクトに収納できて、重量も軽く持ち運びが便利なので人気がある。


あとはそのテントを含めて荷物をまとめて入れられる背負い袋も購入した。



「う~ん、こんなもんか?テントと背負い袋に携帯食。」


「これで大丈夫だと思うぞ。」


「そうだな、これで大丈夫か。それじゃ帰ろうヴァルマ。」


「お~、帰ろう!」






▽▽▽






そして試験当日の朝、ヘリストの南門前広場に行くと、冒険者ギルドのマークが付いた馬車の近くに数人の人がいるのが見えた。



「おはよう、試験を受けるシロウだ。試験官はあんたか?」


「おう、そうだ。今日の試験を担当するドゥアーノだ、そんで、そっちの弓士の男がエンシオであいつも試験官だ。」


「試験官が2人もいるのか?」


「当たり前だ。1人では判断が偏るからな。」


「ああ、なるほどな、分かった。それと俺の連れでヴァルマだ、今日は荷物持ちとして連れて来た。問題は無いか?」


「ああ問題はない。聞いていると思うが戦闘はさせるなよ。」


「そのつもりだ。」




それから暫くして受験者が集まったので、全員で馬車に乗り目的地に出発した。





出発してからまずは自己紹介をした、と言っても名前と職だけだが。


試験官は1人がドゥアーノと言って短重剣(たんじゅうけん)と呼ばれる変わった短剣を使う剣士だ。


2人目の試験官はエンシオと言って弓士で、弓と短剣で戦うらしい。


他の受験者は、長剣を使う剣士でアマデオ、盾士のジョルダーノは大盾で受けて短剣で攻撃する、探査士と呼ばれる所謂シーフのサロエレはナイフ使いだ、最後は弓士の女性でティニヤだ、彼女は遠距離の弓と接近戦はナイフを使う。



「さて、それじゃあ、自己紹介も終わった事だし、今回の試験の説明をする。」



ドゥアーノがそう言うと、試験の内容と今回討伐する盗賊の事を話した。


試験の目的は人を殺せるかどうかだが、それ以外にも受験者同士での共闘なども見る事になる。


これはCランクに上がれば護衛の仕事などで、他の冒険者との共闘が必要になる場合があるからだ。


そして今回の受験者が5人と、既に現地で盗賊を監視しているBランクパーティがいる、彼らは受験者が失敗した場合には後詰となる。



次は今回討伐する盗賊についてだ。



今回討伐する盗賊は、ヘリストから東にある山の洞窟を拠点としているのが既に発見されている。


盗賊の総数は20人程度で規模としては小規模の部類になる、この人数に対して受験者5人で掃討する事になる。


ただし、盗賊も洞窟に集合しているのが全てとは限らないので、周辺警戒を怠らない様にする事。



「以上が試験の説明だ。何か質問はあるか?」


「ああ、野営の事を聞きたいのだが、それはどうなってる?」



そう言ったのは、受験者の1人で盾士のジョルダーノだ。



「ん?野営道具を持って来てないのか?」


「普段はパーティのポーターに持たせているからな、持って来てないが?」


「・・・。そうか、それじゃあ、そこらで寝るしかないな。」


「な!?その様なものは、ギルドが用意するのが当然じゃないか!」


「はぁ~、お前は何年冒険者をやってるんだ?そんな事も分かってないのか?」


「うっ、それならば、俺は馬車で寝る。それなら構わんだろう?」


「悪いが馬車は試験官用だ。これも試験の内だからな。」


「・・・。チッ」


「さて、他の奴は持って来てるみたいだな。」


(う~ん、ってことはこれは馬車の護衛も含むって事かな?護衛する馬車で寝るなんてありえないからな。)




その後1日目の移動が終り、野営の準備をした。




「それで、見張りの順番はどうする?」



そう聞くと1番目を女性であるティニヤがする事はすぐに決まったが、最後を誰がするのかで、またジョルダーノが”最後は俺がやってやろう”と腕を組んで言ってきたので任せた。



(・・・めんどくさい奴だ。)



それで野営の順番は、1番がティニヤで2番目がアマデオに3番目が俺で4番目がサロエレで最後がジョルダーノに決まった。




「ヴァルマは寝てて良いぞ。」



見張りの時に起こされたのだが、ヴァルマも目を覚ましてしまった。



「でも。」


「これは俺の試験だからな。」



そう言って横になっているヴァルマの頭を撫でると、目を閉じて眠ってしまった。







(こうしてると普通の子供だな。)



そして、俺は見張りに向かった。


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