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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第2章 ダンジョン都市ヘリスト
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第5話 ヘリストでの休日

10階層の守護者を倒すと宝箱が現れた。



「さて、今回は何が入ってるかな。ヴァルマ、開けて良いぞ。」


「オレが開けて良いのか?」


「ああ、ヴァルマの勝利だからな。」


「おう。」



そして、ヴァルマは宝箱を開ける。



「・・・?」


「どうした?」


「なぁ、これってなんだ?」


「・・・さぁ?大きさはギルドカードと同じだけど、厚みがあるな。」



宝箱から出て来たのは、白くて厚みのあるカードの様な物が2つだった。



「分からんから、ギルドで聞いてみるか。」


「おう、そうだな。」





それから2人はポータルで戻り、ギルドの買取に向かう。





買取用の個室に入ると、昨日と同じ男性がいた。



「お待たせしました。買取希望の品をお願いします。おや?」


「ああ、昨日は世話になった、それで、今日も少しばかり多いんだが良いか?」


「え、ええ、大丈夫です。」


「それじゃあ頼む。」



そう言って昨日と同じように魔石の入った袋を2つテーブルにだした。



「そ、それでは確認させて頂きます。」



担当者は昨日と同様に1個ずつ確認をしていく。



「ゴブリンとコボルトの魔石が87個とハイゴブリンの魔石が26個ですね、金額は銀貨1枚と銅貨9枚に青銅貨1枚になります。この金額で宜しいですか?」


コボルトはゴブリンと同じ青銅貨1枚で、ハイコボルトの魔石は青銅貨4枚だ。


「ああ、それで構わない。それと聞きたいのだが、これが何か知っているか?」



そう言って10階層の宝箱に入っていたカードの様な物を出した。



「ああ、これは貨幣専用の収納カードですね。知りませんでしたか?」



担当が貨幣専用の収納カードの使い方を説明してくれた。


まずカードに血を垂らすと所有者の登録ができる、これによって他者の使用ができなくなる。


次にカードの上面に挿入口があり、そこに硬貨を入れると、表面に収納されている金額が表示される。


最後にカードの所有者が貨幣の種類を”トン”と取り出したい枚数分触れてから、”排出”に触れると下面から貨幣が排出される。



「・・・つまり、お財布か。」


「そうですね、便利ですし良く見つかるので持っている方は多いですよ。ちなみに私も使っています。」


(・・・持ち運べるATMだな。)


「そうか分かったよ、わざわざ説明してくれて、ありがとうな。」


「いえいえ、このくらいは楽しい会話ですので、お気になさらないで下さい。」


「それでも感謝してる。じゃあ、また来る。」


「はい、お待ちしています。」





そうしてギルドをあとにして宿屋へと帰った。





「今日は良い物が出たな。」


「また鉄じゃ無くて良かったぞ。・・・あれは、ちょっと悲しかった。」


「鉄はあれでも資材になるんだから、無駄じゃ無いんだ。」


「もっと家を大きくするのか?」


「いや、今でも十分デカいから必要は無い、まあ何かあった時の為だ。」


「そうか、それなら良いぞ。」


「あとは財布だな、これは守護者の部屋にいた人数分なんだろう。」


「2つも要らないだろ?1つは売るのか?」


「いや2つとも使う、1つはヴァルマの分だ。」


「え!?・・・オレは奴隷だ、奴隷にお金を持たせる必要はないぞ。」


「まあ聞くんだ、ヴァルマ。」



それからもしもの場合について説明した。


もしも2人がはぐれてしまった場合に、ヴァルマがお金を持っていなければ食事もできないし、他にも必要な事があるかもしれない。


それ以外にも、俺が財布を忘れて来てしまった時や、失くしてしまった時にヴァルマが持っていれば急場もしのげるはずだ。



(本当はお小遣いとしてあげたいのだが・・・今は無理かな。)



「そう言う事だから、ヴァルマにも少しは持っていて欲しいんだ。」


「そうなのか、分かった、預かっておけば良いんだな。」



そうして手持ちの内の一部をヴァルマに預けた。



「それとな、明日は町に散策に出ようかと思うんだよ、2日間ダンジョンだったから、明日は休みにしよう。」


「でも、稼ぐ必要があるだろ?」


「まぁそうなんだが、ダンジョンばっかりじゃ面白くないからな。折角ここまで来たんだ。楽しむのも悪くはないさ。」


「シロウがそう言うなら。オレは良いぞ。」


「それじゃ今日はもう寝よう。おやすみヴァルマ。」


「おう、おやすみシロウ。」






▽▽▽






翌朝に宿の3泊延長分の銅貨9枚を支払ってから町に出た。




「さて、今日は目的も無いし適当に町を歩いて見るか。ヴァルマは何処か行きたいとこはあるか?」


「う~ん、町のギルドに行って見たい。」


「へ?ギルド?何でギルドなんだ?」


「ダンジョン以外のギルドは見た事が無いし、依頼ってのも見てみたいんだ。」


「あぁ、そういや行った事が無いな。じゃあ、ついでに寄ってみるか。」


「おお~、行くぞ!」





そして宿から東大通りに抜けてから、町の冒険者ギルドがある西門へ向けて歩いて行く。



「こうして町を見ると屋台が多いな。」


「ラヴィネンより多いか?」


「そうだな、この町はダンジョン目的の冒険者や商人で活気がある、それで行き交う人達が多いから自然と増えるんだろうな。」


「へぇ、そうなのか。」


「まぁ、そんなとこだろ。お!あっちに何か売ってるな。見に行こう。」


「おう。」



2人が寄ったのは、路上で小物を売っている店だ。



「いらしゃい。好きに見てくれて良いぞ。」


「これって、手作りか?」


「それもあるが、ダンジョンで出たのもあるぞ。ほれ、これなんてちょっと変わったやつでな、こうすると・・・ほら。」


「風?・・・暖かい?」


「そうなんだよ、冷たい風がでるなら良いんだが、暖かいのなんてこの国じゃ使わんだろ?」


(これってドライヤーか?形がハンマーっぽいから分かり辛いけど。)


「これは、いくらだ?」


「お!買ってくれるのか?こいつなら銅貨2枚で良いぞ!」


「う~ん、高くないか?」


「そうは言うが、こんなんでも一応はダンジョン産だからなぁ。」


「じゃあ、そっちの組み紐を付けて銅貨2枚じゃダメか?」


「これか、まぁこれなら良いだろう、じゃあ銅貨2枚な。」


「ああ、分かった。」


「まいどあり!」




そうして店をあとにする。




「なぁ、そんなの何に使うんだ?」


「それはあとのお楽しみだ。」



それからも通り沿いにある幾つかの店や露店で商品を見ながら歩くと、西門にある冒険者ギルド・へリスト支部に到着した。



「おお!ここがギルドなのか。初めて入ったぞ。ダンジョンのとは違うんだな。」


「そこまで違う分けじゃ無いけどな。ほらあそこが依頼掲示板だ。」


「おお、シロウ、見てみよう。」


「ああ、分かったよ。」



依頼掲示板にはダンジョンに関係しない依頼が掲載されている。


ダンジョンに関係する依頼はダンジョン支部に掲載されているが、それ以外の依頼などはこちらのヘリスト支部に掲載される。



「護衛依頼が多いな。ダンジョン産の品物を各地に届けるからか?」


「でも、シロウは護衛依頼って受けられないんだろ?」


「そうだな、Cランクにならないと護衛依頼は受けられないからな。」




「あれ~。君って何処かで会った事ない~?」




2人で依頼を見ていると後ろから声をかけられた。



「ん?っあ!・・・一応会った事はあるが、よく覚えてたな。」


「ん~っと、誰だっけ?」


「はぁ、覚えてるんだか覚えてないんだか。ヴァーラのギルドで一度話しただけだが、イェンナさんで良かったんだよな。俺はシロウだ。」


「あ~!・・・・・・誰?」


「誰って、・・・思い出さないのかよ、まぁ良いさ。それよりも・・・後ろ。」


「ん?後ろ?」



そしてイェンナが後ろを振り返れば、怒り顔の女性が睨んでいた。



「イェンナ、勝手な行動は慎みなさい!と言ったでしょ。何度同じ事を言わせるのよ!」


「ふぇっ!?2人とも何時からいたの~?」



前回と同様に始めからいた。



「最初っからいたわよ!まったく貴方は!早く行かないと遅れるわよ!」


「うん。わかった~。じゃあバイバイ、シロウ君。」




そして彼女達はギルドを出て行った。




「シロウ!」


「ん?どうした?」


「さっきのは、知り合いか?」


「・・・どうなんだろうな?会ったのは今日で2回目なんだが、良く分からん。」


(道中のは会ってはいないし・・・まぁ、あれは秘密で良いか。)


「そう・・・なのか。む~。」


「本当にどうしたんだ?」


「何でも無いぞ、それより次に行こう。」


「わ、分かったよ。」



その後はギルドを出て、食事をしたり店の商品を見たりと休日を楽しんだ。








「色んな店があって楽しかったな。」


「おう、楽しかったぞ。メシも美味かった。」


「そうだな、ディアも味付け次第であそこまで味が変わるとはな。」


「修行中のは・・・。」


「まぁ、あれは、ただ塩と胡椒だけだったから・・・。それより寝る前に身体を洗いに行くぞ。」


「おう。行こう。」




この世界では風呂では無く、洗体場と言われる身体を洗う場所がある。


洗体場の床はスノコのような床が敷いてあり、水が下に流れる構造になっている、あとは幾つかの水瓶に水が汲んで置いてあるだけの場所だ。




洗体場で身体を洗って部屋に戻って来た。



「ヴァルマ、こっちに。」


「ん?なんだ?」


「今日露店で買ったやつだ。あとのお楽しみって言ったろ。」


「おお、どうするんだそれ?」


「ほれ、そこの椅子に座って。」


「ん、分かった。」



ヴァルマは髪が長くて拭っただけではすぐには乾かない、そこで今日露店で買ったドライヤーで乾かす。


手ぐしで髪を浮かせながら風を当てて乾かしていく。



「ん、なんかくすぐったい。」


「もう少しだから我慢しろ。」


「おう。」


「良し、終わったぞ。」


「おお~、髪が乾いた!」


「まあ、そう言う物だからな。あとはいつもの黒い紐じゃなくて、一緒に買った組み紐で髪を縛れば可愛くなるさ。」


「!?そっか、だから買ったのか。」


「そうだぞ。いつもヴァルマは頑張ってるからな、ご褒美だ。」


「ありがと。」


「おう、気にするな。それじゃそろそろ寝るぞ、明日からまたダンジョンだからな、おやすみ、ヴァルマ。」


「おう、おやすみ、シロウ。」










(次はどんな階層なんだろうな。)


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