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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第1章 不如意なる人生
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第2話 インストール

「サポート・・・つまりそれってチート!?」


(なるほど、それなら異世界でも生きていけるか?さっきみたいに恐竜に襲われたらすぐに死んでしまう。いやいや、それ以前にもう右腕を失くしてしまったんだった。さすがに利き腕が無いのは致命的だ。それにこの世界の事も知らないから、どうやって生きていけば良いのか・・・。片腕でできる仕事・・・あるのかな?異世界と言えば”冒険者”とか”魔法使い”や”錬金術士”または”テイマー”とかだけど、流石に片腕じゃ厳しいか?となると町中の仕事で”商人”くらいしか思いつかないが、せっかくの異世界なんだからできれば色々な場所に行ってみたいし、となると”行商人”・・・は、無いな。う~んどうしたものか・・・。)


「お~い!・・・聞いてる?」


「はっ!?すいません。ちょっと考え込んでました。なんでしょうか?」


「まずは、ステータスシステムについて話すね。」



ステータスシステムはこの世界の生物全て、つまり人種族だけではなく動物や魔物であっても導入されている。


理由はステータスシステムの情報を収集・解析して、これらの情報を用いてステータスシステムを向上させる為だ。


更に人種族に対してだけは、このステータスシステムに一律の身体能力上昇機能を付けてある、これは元々人種族の為に作られたシステムだからだ。


そして個体の情報(個体名・種族・年齢・スキル)を表示する事もできる様になってる。



「ここまではいいかい?」


「はい。大丈夫です。」


「次はスキルについてだけど、スキルとは技術を情報として統合しスキルとして発現するものなんだ。」



差し当たり剣術で例える。


まず前提として、A氏が”長剣”で研鑽した技術が”剣術スキル”となる、そしてB氏が”双剣”で研鑽した技術も”剣術スキル”となる、当然この2つの剣術は同じ剣術ではない。


では剣術スキルとは何かと言えば、”その剣術の体捌き・斬撃・防御などの基礎技術”と言える。


長剣術や双剣術と言った括りは無く、体捌き・斬撃・防御などの基礎を覚えて剣術・初のスキルとなる。


つまり、剣術・初が発現してようやく剣術の基礎を修得したと言う事だ。


そしてその基礎を得て”剣技”を使えると剣術・並になり、更に複数の剣技を使えるようになると剣術・上となる。


日本で言えば1つの流派を”皆伝”の域まで修得できれば剣術・上に成れると言う事だ。


更に2つ目の流派で剣技が使えるまで修得すれば、剣術・特となり、そこから皆伝まで修得すれば剣術・極と成れる。


ちなみに他の汎用スキルも同様の扱いで、熟練度が下から”初・並・上・特・極”が付く。


但し、熟練度が存在するスキルと存在しないスキルがある。



「・・・何だか複雑な様な大雑把な様な?つまりは”基礎”の修得と”剣技”の修得をすれば良いと。そうなるとスキルって必要なんですか?」


「大雑把なのは意図的にそうしているんだ、剣も剣術も多種多様だ、例えば”1mの剣の剣術”と言うスキルに固定してしまうと、1.1mの剣は使えない事になる。だからこうしたスキルは”補助”に徹して揺らぎを持たせ、あとは目安としての”熟練度”を付けている。」


「あぁ、なるほど。剣の長さ大きさ重さ全く同じで無ければ使えないスキルじゃ融通が効かないですね。」


「そう言う事だね。それでスキルには、努力すれば誰でも取得が可能な”汎用スキル”、限定された条件にて取得可能な”特殊スキル”、その種族のみが取得可能な”種族スキル”、発現させた個体のみが所有できる”固有スキル”に分けられる。まぁスキルについてはこんなところかな?」


「えぇ、分かりました。」


「それでサポートについてなんだけど、”ステータスシステム”で多少の身体能力は向上するけど、それだけだと不安だろうから汎用スキルの”身体強化・初”を付けてあげる。次に君の右腕を再生する為に特殊スキルの”身体再生”スキルだね。あぁ、あとは異世界来て言語も違うから、これも特殊スキルになるけど”言語理解”も必要だね。他に何か必要なのはある?物にもよるけどあと2・3個くらい付けられると思う。」


(必要なスキル・・・か、身体再生スキルで腕が戻るなら選択肢は広がる、そうだなぁ、テンプレ的には”言語”と”鑑定”と”アイテムボックス”が一般的だけど、それ以外だと元の世界に無かった”魔法”もしくは”魔力”関係があればどうにかなりそうかな?他には・・・あぁ、”感知系”があればさっきみたいな時は助かるかも。生産系のスキルも・・・いやまて!汎用スキルなら努力すれば取れるはずだから、特殊スキルを貰った方が良いか?でも”物にもよる”と言う事は、特殊スキルの方がコストが高いかな?とりあえず聞いてみるか。)


「すいません。質問よろしいですか?」


「良いよ、何でも聞いてね。」



それから確認したところ”鑑定”は特殊スキルに存在してるが、”アイテムボックス”や”インベントリ”はスキルとして現在は存在していない事。


それでも作るとしたら”6属性の魔法(火・水・土・風・光・闇)”全てを熟練度”上”にした後に取得する事ができる”空間”の特殊魔法を熟練度”上”にすれば可能性はあるらしい。


しかし各種の”属性魔法”は個別のスキルなので現状は無理、ただ”魔力操作”スキルを取れば”魔法系スキル”は取得難度が下がる。


そして疑似的にでも”アイテムボックス”を作る事ができれば”スキル”になる可能性はある・・・との事。


そして”感知系”は”気配・魔力”が汎用スキルに有り、上位の”周辺感知”は特殊スキルに有るらしい。


ちなみに固有スキルは文字通りの”固有”の為サポート範囲外と言われた。


そうなると、特殊スキルの”鑑定・周辺感知”と、汎用スキルの”魔力操作”が欲しかったのだが・・・コストオーバーらしいので、仕方なく鑑定を諦めて最終的にこうなった。


------------------------

[シロウ・ホウライ] 人族 男性 26才

■固有スキル

なし

■種族スキル

なし

■特殊スキル

【身体再生】・【言語理解】・【周辺感知】

■汎用スキル

【身体強化・初】・【魔力操作・初】

------------------------


「よし!決まったね。最後にもう一度確認して、これをインストールすれば、君はこの世界に適応してスキルが使える様になるよ。」


「はい、これで大丈夫なのでお願いします。」



内容を確認して間違い無かったので、お願いしてなんとなく目を瞑った。


・・・ユグドラシルが俺の額に指を当てた。




「ふぐっ!?、がぁぁぁ!、うあぉぉえぐあぁぁl!・・・・・・っ。」




頭の中に様々な情報が入ってきて、激しい頭痛と体中かき回されるような感覚がして、体が燃えるように熱くなった。


自分が自分では無くなる様な感じがして、生きているのか死んでいるのかすら分からない・・・。



どのくらい経ったのだろうか、ようやく痛みが引いて落ち着いた。



「・・・えっと、終わったよ?」


「はぁ、はぁ、はぁ。・・・っうあぁぁ!」


「大丈夫?」


「いやいやいや、大丈夫じゃないですよ!めちゃくちゃ痛かったんですけど!死ぬかと思いましたよ!ってか生きてますよね!?俺!?」


「えっと、あれ?おかしいな?そこまで痛かった?スキルを同時に5つインストールするから、情報量が多くて体に負荷がかかるのは仕方がないんだけど、そんなに痛かった?」


「ええ、痛かったです。あんなに痛いなんて・・・。できれば言っておいて欲しかった。」


「ま、まぁ、大丈夫そうだね!それじゃ、ちゃんとインストールできたか確認してみようか。”ステータスオープン”って言えばステータスが確認できるよ。」


「何か釈然としないんですが、・・・まぁ、分かりました。それじゃいきます!”ステータスオープン”」


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