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世界でただ一人の種族はチートだった  作者: どんぺった
第1章 不如意なる人生
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第11話 初めての町ヴァーラ

今日も1話追加です。

決闘は終わったが剣が折れてしまったので、早急に代わりを見つけなければ仕事もできない、仕方が無いのでこれから町に行く事にした。


所持金は銀貨12枚あるが、入町税が銀貨1枚とギルドの登録料で銀貨2枚が必要になるので、使えるのは最大でも銀貨10枚までだ。


これからの事を考えていると、そこにパーヴォがやって来た。



「剣が折れた時にはダメかと思ったが、よく勝てたもんだ。・・・ありゃあ何だったんだ?」


「あぁ、・・・・・・ふっ、秘密だ。」



種族の事やスキルの事を言っても良いのか分からなかったので”秘密”と言う事にした。



「ふっ、まあ、良いけどよ。・・・剣はどうすんだ?ギルドでも売ってるが、正直あまり質は良くないぞ?」



冒険者ギルドでは中古の武器も販売してる。


これらは緊急時に武器を放出して戦える様にする為に、冒険者ギルドが備蓄しているもので、それを安く売っているのだが、使い古しで品質は良くない。



「いや、脳筋ハゲのお陰で金が入ったから、町に行って良いのを探してみるさ。」


「はぁ、いい加減名前で呼んでやれよ。・・・まあ良い、それならついでに正式登録もしてこい!そうすりゃ町の出入りがしやすくなるぞ!」


「ん?そうなのか?」


「ああ、正式な冒険者つまりEランクになれば、入町税は青銅貨5枚で済むぞ。」


「はぁ?1/20かよ?」


「そりゃあ、税金の問題だ、仮登録のFランクってのは”何処にも所属してない”のと同じなんだよ、だから税金がかからねぇ、つまりは何処の誰とも分からんから、何かあった場合の対処費用みたいなもんだ。」


「なるほどね、そう言われると・・・仕方ない。それじゃあ、行ってくる!」


「おう、行ってこい!」





そう応えると、この世界で初めての町、ヴァーラの入城門に向かった。


時刻は昼前、町の出入りは朝と夕方に集中するので、この時間はそれ程混んでおらず、商人らしき馬車が数台いる程度だった。



「よし!次!」



門衛に呼ばれたので、門衛にギルドカードを渡した。



「ふむ、仮登録の冒険者か、ん?26?・・・・・・コホン、それで入町の目的は?」



門衛は年齢が気になったのか、カードと俺を交互に確認していた。何時もの事だ。


剣が折れてしまったので、新しい剣の購入と、ギルドへの正式登録の為だと説明した。


また、他にも買い物がしたい事も付け加えた。



「はぁ、災難だったな。・・・しかしタルヴォの奴がなぁ。」


(何やら脳筋ハゲを知っている様だが、知り合いだろうか?)


「それじゃあ、次はこいつに触れてくれ。」


(おお!これは、かの有名な異世界定番アイテム”犯罪者鑑定水晶?”だろう、仕組みは全く解らないが。)


「よし、良いぞ、最後に入町税が銀貨1枚だ。」



門衛に銀貨1枚を渡すと、ギルドカードと一緒に木札を1枚渡された。



「この木札は入町証明書だ、冒険者ギルドで登録する際にカードと一緒に渡せば良い。ただし冒険者登録しなかった場合は、明後日までしか町に滞在できないから注意しろ。じゃ行って良いぞ!」


「ああ、分かった、ありがとな。」



そして軽く手を振りながら町へと入るのだった。








「おおぅ!ハロー!ファンタジー・・・?」



意味もなくテンションを上げてみたが、肩透かしを食らった気分だった。


ざっと町並みを見ると、建物は木造2階建てが主流みたいで、平屋の建物は見かけない。


道は石畳になっていて歩きやすそうだが、あまりファンタジー感が無いのが残念だ。


剣や槍を持った冒険者風の人や鎧姿の騎士など、現代では見かけない人々は沢山いた、しかし猫耳とか犬耳とかエルフとかが・・・いない、誠に残念だ。




(いや!聞いてたけどね!?)




以前に情報収集の一環で他の冒険者から聞いた。


この国”エクルース王国”の隣には人族主義の宗教国家”リフキンド聖皇国”があり、他種族の排斥を行っている。


エクルース王国では他種族の排斥は行っていないのだが、それでもその宗教国家の影響が強いため、わざわざ他種族は来ないらしい。



(まあ、この町にも何人かはいるらしいけど、見かける程じゃないって事かな?)


「さて、まずは冒険者ギルドかな?さっさと正式登録しよう。」



冒険者ギルドは城門の近くにあるらしいので周りを見渡すと、冒険者らしい人が出入りしている建物が見えた。


近づいて看板を見ると”冒険者ギルド・ヴァーラ支部”と書かれていた。


城外のギルドに比べると大きさは倍近くあり3階建てで、入口はウェスタン風のスインドアだった。



(今度はテンプレあるかな?ちょっとドキドキだ!)



そして、冒険者ギルドに入ると、入った瞬間はやはり注目される、ただ城外の時とは違い視線を外さないのが何人かいる。



(う~ん、この感覚は・・・来るかな?)



建物の大きさは違うが、基本的なレイアウトは城外と同じだ、ただ2階に上がるための階段が受付の脇にある。


そして、ここの受付は美しいお嬢さんだ、金色で髪が長く青い瞳の女性や茶髪のショートカットの女性に黒髪もいる。


それに冒険者の女性もいる、剣士や弓士だろうか?それらしい恰好をしている。


城外の冒険者ギルドは男ばかりだったので一気に華やいだ気分だ。


一番列の短かった黒髪でセミロングの女性の列に並んだ。



「ようこそ、初めての方ですね?どのようなご用件でしょうか?」


(城外でも同じ事を言われたんだが。・・・定型文か?)


「あぁ、正式登録をしに来たんだ。ここでできるか?」


「はい、大丈夫ですよ。」


(う~ん、やっぱり受付は女性が良いな!・・・すまん、エーリク。)



ギルドカードと門衛に渡された木札に銀貨1枚を付けて受付嬢に渡した。



「ぷっ!ひっはっはっ、ひぃぷっは!冒険者だってよ!あんなガキが・・・、やめとけや、死ぬのが落ちだぜ!」


(おお!今度こそ来ましたテンプレイベント!)


「フロティちゃんよ~、言ってやれよ!”ボクちゃんにはあぶないですよ~”ってな!ぷっは。」


「オスカリさん!やめて下さい!冒険者登録は個人の自由です。貴方が決める事でありません!」


「はぁ~、何言ってんだ?俺は親切で言ってるんだ!ここはガキの遊び場じゃ無いんだってな!」


(あれ~?なんか俺無視されてる?)


「ふふん!それなら問題ないですね?シロウさんはちゃんと仮登録されています!」


「・・・だからどうした!それでも”ガキ”には違いない!」


(これじゃあ、何時まで経っても進まない・・・な。)


「あぁ、すまんが登録を頼む。他にも用事があるんだ。」


「あ!はい、すいません、すぐにします!」



受付嬢はギルドカードと木札に銀貨を持って席を外した。



「おい!ガキ、てめぇ無視してんじゃねぇ!」



そう言って男が近づいてきた。



(縦も横もデカい、身長はパーヴォと同じ位だが横幅が酷い、髪は金髪なのに汗なのか油なのかべったりしている、これじゃ、まるでオークだ。・・・討伐対象だろうか?)


「いや、俺に話してたわけじゃないだろ?」


「てめぇ、とことん舐めた野郎だ。てめぇみたいな”ガキ”が冒険者になれる分けがねぇ!やめろと言ったんだ!」



勝手にヒートアップしていくが、実際さっきまで喋っていたのは受付嬢だ。



「はぁ、何故・・・お前が命令する?登録するのにお前の許可が必要なのか?」


「俺はCランクだ!俺の命令は絶対だ!」


「違います!オスカリさんにそんな権限はありません!これ以上はギルドマスターに報告しますよ!」



受付嬢が戻ってきた。手にはギルドカードと何やらパンフレットのような物を持っている。



「ぐっ!・・・はっ覚えておけよ!クソガキ!」



何やら三下のセリフを残して食堂に戻って行った。



「お待たせ致しました。ギルドカードとこちらはギルドの”ルールブック”です、内容は冒険者とギルドの取り決めなどが記載されています。ご不明の際には受付にて質問を承っておりますのでお気軽にどうぞ。」



ルールブックをパラパラと捲り大丈夫そうなのでそのまましまった。



「分かった。あぁそうだ、宿ってどの辺にある?」


「宿でしたら、ギルドを出て城門に向かって右側へ行くとありますよ。」


「そうか、ありがとう。」


「どういたしまして、今後とも宜しくお願いします。」



そう言って受付嬢は笑顔で一礼をした。












(うん、やっぱり受付は美女だな!)


―受付のお話。―

城内の受付は女性なのになぜ城外は男性?

これは城外ではなく城内に行って欲しいギルドの目論見です。

「受付は美女が良いよね?」

「だったら城内行けば?」

こう言う仕様です。

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