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TS転生のじゃロリじじい聖女の引きこもり計画  作者: こんぐま
第六章 王位継承権の行方
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友人たちとの再会

 家族会議が終了して会議室を出ると、ミアは魔人の国で買ったお土産を友人たちに渡しに出かける。一緒に連れて行く侍従はクリマーテとブラキの二人だけ。ルニィとヒルグラッセは新人のチコリーとクリアとムルムルの指導でお留守番だ。

 まず最初に訪れたのはリベイアのお家。リベイアは訪問すると笑顔で迎えて、早速お茶の時間となる。テーブルに並べられたのはクッキーやビスケットにマカロンなどのお菓子たちとレモンティー。二人でお茶を楽しんで仲良くお喋りしていたのだけど、ミアが数か月後に天翼学園に入学すると言ったら、リベイアがとても驚いた。


「学園に連れて行ける侍従は全部で八人らしくてのう。だから、丁度良いのでワシの侍従の人数確保の為にも、魔人の国で奴隷を買って来たのじゃ」

「人数確保の為に奴隷を……っ? ず、随分と思いきった行動をしたのですね」


 リベイアは話を聞いて困惑した。人数確保の為と聞いても、それならば当然。なんて考えにはならない。むしろ、冗談なのでは? の気分である。

 だけど、ミアは本気で言っている。ミアは将来の“引きこもり計画”で奴隷を使って、楽をしたいと言う浅はかで最低な考えを持って奴隷を買ったわけだけど、実際に人数合わせも理由にあった。

 ミアの侍従は“ルニィ”“クリマーテ”“ヒルグラッセ”“ブラキ”の四人。少し前まではルーサもそうだったけど、ルーサはネモフィラの護衛に転職した。だから、残り四人分の枠が空いている。新しく雇ったのは三人で、連れて行ける侍従は八人。一人分枠があまる事になるけど、実はこれにも事情があった。

 それは、保護者として来るサンビタリアの侍従の確保だ。実は保護者には侍従も護衛もつける事が出来ないのだ。だから、ミアとネモフィラの侍従の枠を一人ずつ空けて、サンビタリアの侍従として二人連れて行く事になった。

 とまあ、そんな裏話は置いておくとして、ミアの話を聞いてリベイアは眉をひそめる。


「でも、奴隷なんて心配です。魔人の国の奴隷は国が認めているものですし、しっかりとした契約もあるそうだけど……」


 リベイアの心配も無理は無い。魔人の国では奴隷が当たり前だけど、他国では当たり前では無いのだから。それに他国では奴隷を禁止されているのにも関わらず、奴隷を売買している者たちがいる。世間一般ではそちらの方が当たり前に知られているから、リベイアが不安になるのも当然だった。とは言え、ミアが奴隷を買ったのは法外なものではないし、ミア的には後ろめたい事も無い。だから、リベイアの心配をよそに満面の笑顔だ。


「心配する事は無いのじゃ。ルニィさんとグラッセさんが暫らくの間は教育係をしてくれるからのう」

(おかげでルニィさんの説教を暫らく聞かなくても良いし、お気楽な毎日が過ごせるのじゃ)


 などとニッコニコな笑顔な最低なミア。説教されるような事をするな。と言いたい。と言っても、最近はそのお説教の数も少なかった。今までのルニィの頑張りの成果は出ていて、こうしたお茶の時間では姿勢正しく座っているし、お茶の作法などもしっかりと身についていて自然と出来ている。黙ってさえいれば誰がどう見ても美しく綺麗な美少女で、見慣れている者でも油断すれば見惚れてしまい、目を奪われた結果何も出来なくなる。ミアは“聖女”としての存在を十分に全身から表現していた。と言っても、中身がこれ(・・)なので残念な美少女と言った感じだ。

 しかし、そう考えるとミアの言った通り心配する必要は無いのかもしれない。ミアを黙っていれば人目を引くほどの美少女に育て上げたのだから。リベイアは城に来たばかりのミアを知っているので、無意識にそれを感じ取り、ミアの侍従が教育するなら安心かもしれないと妙な納得感を味わった。




◇◇◇




「ミア! ようこそ、いらっしゃい……ました!」


 余程楽しみに待っていたのだろう。リベイアと別れてミントのお家にやって来ると、家の前にミントが立っていて、ミアの顔を見るなり嬉しそうに出迎えた。お土産を渡すと、リベイアのお家と同じようにお茶会を……と言う事にはならなかった。何故なら、ミントは密かに開かれているミア派会議で既に奴隷の存在を知っていて、奴隷を侍従にすると聞いてから一度会ってみたいと思っていたからだ。だから、ミントがミアに侍従に会いたいとお願いして、ミントを連れて城に戻る事になった。


(最初奴隷を買ったって聞いた時は驚いたけど、“王子さま”のミアが選んだ奴隷だから、きっと小説の物語のような素敵な出会いだったのかも)


 などと淡い期待を抱いているミントは、城に到着後に新しい侍従三人と出会い、その生い立ちや個性の強さに衝撃を受けたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 某アニメの影響でTSモノを漁るようになって、たまたまこの作品を見つけて読んでみたら気づいた時には一気にここまで来たくらいにハマってしまいました 今後も楽しみにしてます
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