表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
峻烈のムテ騎士団  作者: いらいあす
44/57

第九話 はじめてのオルトロスたいじ その5「王の帰還」

 王国に帰る頃にはすっかり夜が明け、上る朝日が満身創痍の王を照らし出す。その姿をモニターはしっかりと捉えていた。

 だが、それを鑑賞する者はいない。みな飽きてしまったのか? いや、みな王国の入り口で彼が帰るのを待っているのだ。

 そして、真っ赤な太陽を背にして歩む王の姿が目に入った瞬間。人々は大きな喝采を挙げる。しかし、英雄の凱旋は一瞬だけであった。


「ただいま。わが国民よ」


 王はそう呟いて民衆の前に倒れてしまった。

 女王がすぐに彼の元へ駆けつけたのはもちろんだが、国民の多くも彼の元へと駆けつける。

 その様子を終始ずっとカメラに収めていたタナカだが、急に背後からマァチの杖で小突かれる。


「カメラ返して」

「もう少し頼み方ってもんがあんだろ」


 タナカが渋々渡したカメラを、魔法で小さくし持ち替えるマァチ。そしてムテ騎士団とミコアコ姉妹はタイガーマーク2号の前で待機している。


「もう帰るのか?」

「うん。撮れ高充分」

「なんの?」


 タナカとマァチの二人もタイガーマーク2号に乗って、コロト王国を後にした。

 その帰りの中で、タナカはデーツに質問する。


「なあ、あの国これからどうなるんだ?」

「さあな」

「それに、いい話風になってるけど、いいのかな? まだまだ問題ありそうだぜあの国」

「ああやっていい所だけ見せられると、人は感情に流されていろんなことを忘れてしまう。それがザッツエンターテインメント。

 それに、クエストから戻ってこなかった者の遺族は王様の活躍など最初から見てなかったし、今の支持率は半々ってとこだろうな」

「少なくとも、もう無茶なクエスト任務をさせないことは確かですし。それでOKでしょ」


 アコがそう付け足して、この会話は終了した。


 後日、タナカはまたしても朝に洗面所で受付嬢に出会っていた。


「えーと、あなたは・・・・・・」

「あらタナカ。おはようございます」

「あ、会ったことあるのか。ていうか呼び捨てかよ。

 えーと、えーと、リコ・・・・・・?」

「ミコです。アコの姉の」

「ややこしっ」


 そして朝食時に、ミコがその後のコロト王国について報告をしてくれた。


「ええ、あれからコロト王が国民をクエストを送る事はなくなったのですが・・・・・・」

「なにか問題かい?」


 バーベラが彼女の顎を指で撫でながら聞く。


「国民を送ることはなくったんですが、今度は王様自身がクエストに参加するようになっちゃって」

「まあ、いいんじゃないか? 国民の痛みがわかる王にはなれたようだし」


 デーツは欠伸しながらその報告に答える。


「よくないですよ。危険なクエストは避けてはいるものの、その分簡単なクエストを大量にこなすもんだから、新しいクエストがないかと毎日要求されて忙しくて。今日アコが来れないのもそのせいなんです」


 極端な王様だと苦笑しつつも、タナカはどこかその報告を嬉しく感じていた。


 次回へつづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ