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44.乙女たちによる妄想の暴走

ブックマーク登録&評価&ここまでお読みくださりありがとうございます!

ハシビロコウ並みに動きのない更新でごめんなさい


あくまでも妄想なのでキーワードにボーイズラブは付けませんよ~

「ちょっと、皆さま。エミリアーヌ様の前でなんというお話をなさいますの!?それにそういうお話は学院の中だけでというお約束がございましょう?」


首を傾げたままで固まっているとエリザベルお姉様が話を止めに入ってくださったけれど、エリザベルお姉様もご存じのことなの?

学院では有名なカップルだとか? え、ちょっとドキドキしてきたわ。


「あらそうでした。エミリアーヌ様にはまだ早かったですわね。どうかお忘れくださいませ」


「ふふふ。学院での楽しみのひとつですのよ。伝統の」


「エミリアーヌ様は来年度ご入学されるのですよね?ではその際に詳しくお教えいたしますからね。うふふ」


どうせわたくしには意味がわかっていないだろうとお思いでしょうけれど、そのジャンルは恵美の時分、沼に片足突っ込んだことがございましたからね。

も、もちろん18禁は持っていなかったですしー、足首程度の突っ込みだったから本棚にも遺産として残して・・・

うん、大丈夫。全部奈々に返したはずよ。危ない危ない。


そしてたしかに、このゲームの二次創作にもそういうのがあるのは知っていたわ。

推しがシャルルの奈々が仕入れてきたシャルル関連の本に、王太子のがあると貸してくれたのだけれど、内容がシャルルジーク×レオンハルトだったの。

思わず『レオン様が受け?なんでよ!?』と叫んだわよ。

でも、とても絵がお上手な作家さんで、絡みも美しかったのよねー。


ああ、いけない。思考が異世界まで飛んでしまったわ。

けれど、ロイス兄様がわたくしへあまりアプローチしてこないのはそういうこと?

しかもラウルと?いやいやいやいや。まさか。そんな。

困るわ。ロイス兄様にもヒロインの逆ハーレムに入ってもらわなくちゃいけないのに。


でも・・・どっちがどっちなのかしら?

王道ならラウル×ロイスバル・・・ひー!やはり身近過ぎてダメよー!


「あら?来年度って、あなた3年生に入るの?」


「ええ。婚約者が同じ歳なのですもの。4年生までは通うつもりよ」


わたくしが表情を崩さないよう固定したまま、異世界ともまた別の世界まで思考を飛ばしているうちに、しれっとお姉様方が話題を変えた。


学院は15歳で入学するのだけれど、魔力操作の勉強と交友関係を築くために行くようなものなので、女性はだいたい2年生、つまり結婚できる年齢の16歳になると卒業してしまうことが多い。

学門の基礎は、幼いころから家に教師が来て学んでいるものだしね。


17歳からは専門分野を選択して19歳まで通うこともできるので、男性は4年生か5年生まで在籍してから家を継ぐ準備に入ったり、仕事に就いたりする。

悪役令嬢は2年生で卒業後、即国外に追放されるか処刑されましたけれどねっ!


そうそう、ゲームでは王太子は4年生で悪役令嬢と同じ年に卒業するのよ。

ヒロインさえ現れなければ、そのまま結婚準備にはいったのでしょうね。

卒業式も断罪イベントになってしまうし。

あ、王太子と同じ歳のロイスはたしか卒業しなかったから、5年生までいたのね。


そういえば、ヒロインは何年生までいたのかしら。

会話に出てきた記憶がないわ。

ヒロインは入学からちょっと複雑なのよ。

平民なせいか光の魔力が発現したのは16歳になってからだったの。

だから年齢は悪役令嬢と同じなのだけれど、入学は一年半遅く、シャルルと同学年になるの。


シャルルルートでは、途中入学してくるヒロインが隣の席で右往左往しているのを見かねたシャルルが手を貸すところから始まるのよ。

あそこでうっかりシャルルに頼るから、監禁されて『もうなんの心配もいらないよ』とか言われるのだわ。


「さきほどから楽しそうですね。なんのお話を?」


突如そう声を掛けながら、ひとりのご婦人がわたくしたちのテーブルへ近づいてきた。

この方はリディアンヌ様のご友人で、アドリーナ様とおっしゃる伯爵夫人。

リディアンヌ様は?・・・ああ、お母様のテーブルに捕縛されているのね。頑張ってくださいませ。


「うふふ。“美しき者が仲良き哉の会”のお話をしておりましたのよ」


ふぇ!?なんですの?その名言を間違えている会の名は!?

そしてなぜまたそこへお話を戻したのですか!?


「あら、その活動はまだ続いているのね。ふふ。ちなみに今はどなたが餌食に?」


後半声を潜めたアドリーナ様がいそいそと空いている席に座ると、隣の席のお姉様が扇を広げ、今更こそこそと説明を始めた。

餌食とは、言い方が酷すぎやしませんか?


「・・・あらそうなの。では今は二組だけ?わたくしの代はファドリック侯爵家のクロード様がいらしたから週替わりで楽しめましたのよ」


「あの伝説の!」


ちっ、クロードめ。

女性だけではなく男性とも浮名を流しておりやがりましたのね。


「うふふ。クロード様のお話は会の記録にもたくさん残っておりますわ。そういえば、会の年表にこちらのアルフレット様のお名前が一切なかったのが不思議だったのですけれど、クロード様とさえカップリングにならなかったのですか?」


お姉様のひとりがアドリーナ様にそう問うと、あとのふたりが身を乗り出した。

エリザベルお姉様も澄ましたお顔をしているけれど、耳がそちらへ向いているし。


やめてくださいませー!アルフ兄様とクロードなんて!

先週教会で対峙した時、たしかに美しい者同士だったけれどそんなこと想像もしなかったのに。

で、でも、奔放なクロードをアルフ兄様が支配するならありかも・・・ありだわ。


「ええ。アルフレット様もあの美貌で人気がおありでしたけれど、どなたとも組み合わせにあがることはなかったわ。なにせ・・・」


そこで一旦言葉を切ったアドリーナ様が、わたくしに視線を向けてから話を再開した。





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