棚の上の紙束
初めての執筆です。
下手な部分はあると思いますがそのときはそこの部分をコメントで教えて下さい。
畑の作物の収穫が終わり、冬が迫り、気温も低くなってきたその日、ラルクは家の中で暇を持て余し、赤色のマフラーを首に巻いて家のベットでコロコロ転がっていた。
シーラに編んでもらった赤色のマフラーは季節的には少しまだ早いものの、ラルクはできたその日から気に入って常に首に巻いていた。
転がっていると部屋の端にある棚の上段に紙の束があるのを見つける。
普段は自分の目線の高さにあるところしか見ていなく、棚の上を見るのは初めてであった。
さらにラルクは紙を見ること自体が初めてであったため、かなり興味がわいていた。
ラルクは棚を梯子のように登ろうとするも足が届かない。
「どうやってとろう?」
この時、隣の部屋から椅子を持ってくるという方法があるがラルクは自分の体では持ってくるのは難しいと思った。
「ママに頼めばいいや。」
少し悩んでいたが、あっけないほど、かなり簡単な解決方法であった。
もともとこっそり取りたいわけではなく、ラルクにとって白く薄い物体を手に取りたいのが目的だった。
そして隣の部屋へ行く。
この家は入り口にしか扉はないため、ラルクでも簡単に隣の部屋へ移動ができる。
隣の部屋、これからリビングと言っておく。
リビングではシーラが暖炉の前で編み物をしていた。
村ではこの時期、ほとんどの女性は編み物をし、男は暖炉の薪を調達したり、ラード村周辺のちょっとした森にいる冬眠しない魔物を狩ったりして過ごしていた。
「ママ。」
「どうしたの、ラルク。」
シーラは編み物を見たまま話す。
「隣の部屋にある上にあるものとって。」
ラルクはまだ単語が分からないものが多い。
「上?棚のこと?ちょっと待って、今行くから。」
隣の部屋へ行き、シーラはラルクの指さすものを見た。
「この紙の束のこと?」
シーラが紙の束を触り、確認する。
「そうそれ!」
「えーどうしよう。」
ラルクの欲したものはシーラがエルフの村にいた時に書いた魔法書の写しであった。
この世界の魔法は呪文を正しく読むだけで簡単に使えてしまう。
そのため、シーラはラルクに渡していいものかと悩む。
しかし、今渡さずにいたら確実にラルクは見ていないところで、どうにかして取り中身を見るだろうことは彼女は分かっていた。
後で隠すにしても、この家に隠せるようなところはない。
なぜなら、二部屋しかないからである。
シーラはかなりの悩みの末、ラルクの真剣な表情を見て
「わかった。大事に扱うのよ。あと、それを見るときはママと一緒に見るのよ。」
「うん!」
(あんな顔で頼まれたら、断れないじゃない。)
シーラはそう思った。
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