転生
初めての執筆です。
下手な部分は必ず出ると思います。
その時はそこの詳しいコメントを下さい
ここの意味が分かりづらいや分からないといった意見も歓迎です。
創生暦174年。
小さな村で一人の子供が生まれた。
「オギャア、オギャア、オギャア!」
赤ん坊の泣き声がし、彼は目を開けた。
目の前には茶髪で優しそうな眼をし、少し細い体をした男性と緑色の髪で美しく、若い、そして優しそうな顔をしている女性がいた。
男の人と女の人はどこか不釣り合いな感じがしてならない。
男の人はいかにも平凡な顔をしているのに対し、女性はかなりの美女。
どうして一緒にいるのか?と彼は思った。
「****************」
男の人が彼を向いて何か言う。
なんて言っているのか聞き取れない。
男の人は彼に人差し指を近づけてくる。
彼は反射的にその指を握る。
そこで彼は自分が赤ん坊であることに気づいた。
女性が彼を抱き上げる。
女性の首元には青い色をした三日月の形をしたペンダントがかけられていた。
「***********************」
女性が何かを言うが、彼は頭に痛みと眠気が襲ってきて意識がなくなる。
この時、『安藤将大』の記憶は雷に打たれたことですっかり消えた。
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彼は1歳でハイハイが終わり、立てるようになり、2歳で言葉がわかるようになってきた。また3歳になって物事が分かるようになってきた。
「ママ、これなに?」
彼は家の前の木の柱に何か彫られたものに指さす。
「ラルク、それは文字って言うの。言葉がそこに書かれてるの。」
透明感のある緑色の髪をした女性が後ろから答える。この女性が彼の母、シーラである。
彼女は種族がエルフであった。
エルフは耳が長く、髪と目は緑色をしていて、何よりの特徴的なのが美しい容姿であった。
彼女の首元には青色の宝石が入った三日月型のペンダント。
そんな彼女に、ラルクと呼ばれた彼は両手で持ち上げられ、文字の彫られている部分を見る。
「これは『ロウの家』と書かれているの。」
「パパの名前?」
「そう、パパの名前。」
『ロウ』はラルクの父親の名前である。茶髪で優しそうな眼をしたヒト族の男である。
シーラは抱っこしたまま、家の中へ戻る。
彼の名前は『ラルク』苗字はない。
この世界では苗字があるのは貴族か騎士、有名な商人だけである。
ラルクの髪は母親譲りの緑色の髪、容姿も母親似、しかし、エルフの特徴のひとつである長い耳はなく父親と同じ耳の形をしていた。
それが人間とエルフの間に生まれた、ハーフエルフの特徴であった。
ラルクの家はイレス帝国の東、ロックガルダ辺境白領の上に位置する田舎の村にあった。
村はラード村と呼ばれていた。
そしてクレイスルード聖国との国境付近にある村であった。
ラルクとシーラは家に入り、シーラはラルクを抱っこしたまま、木の椅子に座り、テーブルの上にあった編み物の続きをしている。
彼らの家は木で建てられていて一回建て、2部屋しかない。
一部屋はリビング、ご飯を作り、食べるところ、今いる部屋である。
もう一部屋は寝室、大きなベットがあった。
ベットと言っても、木で組み立てられたものの上にワラを敷き、その上に大きな布をかぶせているだけのベットであった。
今は午前中で、ロウは畑仕事に行っていて、ラルクとシーラは家で過ごしている。
今の時期は秋、この辺は冬になると、海が近いため雪はあまり降らないが、かなり寒くなる。
そのため、シーラは寒さに備えて編み物をしていた。
ラルクは編み物を編んでいるのを黙ってみているのだが、子供の彼はすでにあきた。
「ママ、つまんない!」
「ええー。つまらない?
うーん、なら、なにかやりたいことでもあるの?ラルク。」
シーラはすこし考えた後に編み物をテーブルに置き、ラルクに聞いた。
「ある!」
「何で遊ぶか、教えてくれる?」
「俺、文字、知りたい!」
「え、文字を?」
ラルクの予想外の答えにシーラは少し戸惑った様子でいた。
「うん!文字。」
「んー、文字なら編み物しながら教えられそうね。でも、ラルクにはまだ、早い気がするけど…。」
「俺、頭いいから覚えられるもん!」
「はいはい、そうね。ラルクは頭がいいから文字なんてすぐに覚えられるかもね。」
シーラはくすくすと笑いながら言い、外の物置小屋へ行った。
この時、彼女はラルクがすぐに飽きるだろうと考えていた。
そして、シーラは土を入れた木の箱と鉛筆のような細い木の棒2本を持ってラルクのもとへ帰ってきた。
「ママ、なにそれ?」
「これで文字を書く練習をするのよ。これなら書いてもならせば、簡単に文字が消せるもの。」
そう言って、テーブルの上に土をこぼさないようにそっと置く。
そしてラルクに木の棒1本を渡す。
「これで字を書くの。持ち方は…」
「こう!」
彼はシーラが手本を示す前に木の棒を鉛筆を持つようにして持った。
「え、ええ、そうよ。なんで分かったの?」
「なんとなく!」
「ほんとにラルクは頭がいいのかもね。」
「俺はほんとに頭いいから!」
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「ええ!うそでしょ!なんでこれもわかるのよ?」
「なんとなく、わかった。」
今、ラルクは計算をしていた。
一通り文字を教えてもらい、少し練習をして大体を書けるようになったことで、シーラに驚かれ、褒められ、シーラ彼女はさらに、数字までラルクに教えた。
「それにこのバツは何?」
「バツじゃないよ。かけるだよ。」
数字もすぐに覚えた彼にシーラは面白がり、問題を出していた。
彼は出された問題を掛け算を使って解いた。
「だから、かけるの文字が違うわ。かけるはこうよ。」
彼は前世のかけるをこっちの文字に直される。
なぜ、記憶をなくした彼が前世の文字を知っているのか、それは記憶を失っても体で覚えたことはそれなりに身についているからであった。
カーンカーンカーン
鐘の音が鳴る。
この音は正午になったら鳴るものだ。
ぐうー
ラルクは自分のおなかを見て、おなかを触る。
「ママお腹すいた。」
「いつのまにか、お昼になっちゃったわね。今からお肉焼くから、ラルクは最初に教えた文字を忘れないように練習して待ってなさい。」
「あーい。」
評価をつけてもらえたら幸いです